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3.設計図を作ろう

○起承転結での区切り方。(枚数制限有り)


 よく聞く事柄ですが、文芸賞などに投稿する場合は規定枚数だの文字数制限というものがあります。この場合は多少プロットの練り方が変わってきます。規定枚数が400字詰原稿用紙50枚だとすると文字数では20、000。

 2万文字? 短編の賞ですね。これを例題にしてみます。

 まずはオーソドックスな割り振りで考えてみましょう。起承転結、それぞれのパーツで5000文字という計算ですが、起というのは「インパクト+主人公紹介+場所説明」のことになりますから、2万文字でどれくらいのモノが書けるかという点をまず考慮します。何を書くか、どう演出し何を端折るかでも文字数は増減します。これが20万文字とかならさほど気にしませんが、短編はそこまで気を遣います。

「起承転結やってらんねー。起と承はくっつけちまって、転からの~で速攻終わりにしちまえ。主人公紹介も無しでいいや、世界観とかやる余裕あるかボケ、現代日本で端折れ端折れ。特殊事情も無しだ、ナシ。こんで1万5000は説得力に費やせるな、うっし。」

 こんな感じで頭の中がフル回転しています。これ、何をしてるかと言えば、「書けるモノ」を絞り込んでいるんです。文字数制限がある場合は消去法がいいんです。

「主人公に特殊性を持たせない」「ストーリーの起伏は一度だけ」「背景描写に文字数を割かない、日本のどこか」「人物を最小限まで抑える、出来れば二人」こんな感じになってます。これをお題小説状態で、条件をクリアするように話を捻るんですね。これが、制限付き原稿でのプロットの考え方になります。あとの手順は同じです。


○メモの山分け、三分割法。(無制限)


 まずストーリーを作ります。……ストーリーの思い浮かべ方ですと?

 そんな事まで人に聞かなきゃいけないくらいなら無理して書かなくてもいいと思いますよ? まぁ、それは言いすぎにしてもさすがにそこまでの面倒は見られません。プロットの項目に、まずテーマを決めろと書きましたが、そこから考えてみてください。あれはストーリーの思い浮かべ方そのものです。

 で今度は、無制限に書いていいのよ状態の時のプロットの立て方にいきます。カードを山に分ける前の段階が一つ増えます。落書きノートがアイデアで溢れてくる頃には、おぼろげながらもストーリーが浮かんでいるものです。断片的なものでもいいですし、浮かび上がったパーツを元に、他のカードメモをくっけたりヒントにして、あらすじを作ってしまってください。

 それを別のページに書きだしてみます。セリフだけの台本状態でも、殴り書きのあらすじ状態でもいいんで、最初から最後まで書きだします。次にそれをイベントごとで分けます。ここで言うイベントってのは、ひとまとめに出来る事象の塊の事です。例えば、朝の登校シーンだとか戦闘シーンだとか。冒頭ってのもイベントの一つですね。出来ればそれぞれをカード状の台紙に記してほしいです。パソコン上では駄目です。あとは、プロットに書いたやり方で組み立てるだけのことです。

 この方法だと、全体が視覚化されるので一目瞭然で流れが判断出来るようになります。なにより、二重構造とかの面倒なストーリー展開でも簡単に把握する事が出来るので便利ですよ。そして、分割は常に3つずつくらいがちょうどいいという事も覚えておいて損はありません。人間、3という数字が好きなのだそうです。3で割るとなんとなく巧くいきます。割り切れなければ4や5にすればいいだけなんで、まずは最小単位の3にしてみるという考えです。


○最初と最後の文章だけは決めておくと良い。


 落書きノートにアイデアを貯めこみながら、カードにメモを書き写しながら、ついでの作業で構わないので最初の文章と結びとなる結末だけは常にアレコレ考えるようにしてください。使う使わないは別にして、候補を幾つも用意しておくという事です。特に小説は冒頭部分が命と言えるので、30秒ー3分ー30分の法則を念頭に、しっかりと意識を持つべきなのです。冒頭が悪ければ、どんなにその後がよくても多くの読者は素通りして二度と振り返ってはくれませんからね。



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