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アンモノリス・スクラップ

※作者は現実の歴史用語に疎いので、誤った使い方をしていたらすみません。


この作品はとある曲にインスピレーションを受けて、それが種となってできたオリジナル作品です。空気感だけでも、どうぞお楽しみください。

ガタン


ガタン


ガタン


ガタン

ガタン


ガタン ガタン ガタン ガタン ガタン ガタン ガタン





揺られている。

無機質な光に包まれたここ、セクター1−5は故郷であり、同時に”モノリス中央司令部”の真下でもある。


そんな都市機能として重要な場所に通っているこの地下鉄は、1−1から5−10まである地下都市をぐるりと一回りするように線路が巡らされている。


モノリスとは何か。


およそ10年前に作られたこの人工惑星、αメビウス内の全てを統制する組織であり、この惑星全体が統一国家となっている。


モノリスはこの人工惑星内にある全ての国家に対し、一つの声明を出した。


内容はこうである。


「我々モノリスがこの惑星内全ての人類を統一し、国という大きな一つの壁を取り払う」


当然、叛逆する国家も少なくはなかった。その結果起こったのが統一戦争だ。


そんな事件から8年もの月日が経過した今、統一戦争に完全勝利を収めたモノリスは”組織帝国”として機能し、国家も安定していた。



電車の中、1人揺られる彼の名前は”ノクス”。

今は数週ぶりに地上に上がるため、しばらく電車の中でただ

窓の外を眺めている。


目的は一つ。内部が腐り切った”モノリス”に対抗するため、裏でじわじわと勢力を拡大している”アンモノリス”に加入するためである。

というのも、手続きはすでに済んでいるため、これからするのはただの儀式的な入会式である。



『ご乗車中のお客様に伝達します。これより地上へ出ますので、視界の日光焼けを起こさぬよう、ご注意ください。』


ようやくか、とため息をつき、痛む腰を上げる。


「.......」


「落としたな、乗車券。」




その後、落とした乗車券をセクター1−5の駅員が確認し、確認を取ることでなんとか駅を抜けることができた。


開けた道路、暖かく眩しい本物の光、地下都市と違って元気にのびのびとしている街路樹。


妬ましくてたまらない。

そもそも地下都市の住民は統一戦争時に強く反抗した国家からの移民であり、人口は8億にもおよぶ。それに対し地上の住民は5000万程度。

地上住民と地下住民では明らかな差別があり、事実として地下都市は下水インフラすらしっかりしていない場所が多くある。

もはやスラム街の塊である地下都市に税金を使わず、最近建てられたのが正面に見える大きなビル?である。

あれはモノリス地方役所だ。あんなに大きく派手である必要はない。

近くの人工惑星に対する金銭的なマウントだろう。

文字通り”皮膚の下”はボロボロで目も当てられないというのに。


モノリスの目を逃れて”アンモノリス”が組織としての拠点を建てられる場所は一つしかない。地下である。

ただ、この拠点は半地下のようになっており、モノリスの許可なく作られた建物だ。



「今日はよく集まってくれた。君たちの勇気ある申し出に感謝する。 全員、今後組織での予定がある際は先ほど配られた腕章をつけるよう、お願いする。」


晴れて組織の一員になったが、それで終わりではない。

ノクスがアンモノリスに入った目的は、8年前の統一戦争時に行方不明となった両親の捜索。

統一戦争時に捕虜としてモノリスに捉えられた60万人のうちの2人が両親であり、ノクスだけはモノリス側の1人の兵士に「まだ小さいから」と逃がされた。


ノクスは必ず両親を見つけ、家族の平穏を取り戻すと誓い、ようやく大きな行動に移ることができた。


両親を見つけるためには”モノリス”内部に従業員として潜入する必要がある。



まずはアンモノリスで良い立場につき、大きな任務をもらえるようになるまでゆっくりと、着実に小さい任務を成功させる必要がある。



これは、ノクスが英雄の1人になるまでの物語である。




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