『茶番劇』
「音黒と」
「一斗の」
「「なんかの代弁コーナー!」」
ドンドンドン、パフパフパフ!
「いや四年経っとる!?!?!?」
とても信じられない事実だったが、何故か音黒せんせーは冷静な様子だった。
「まあ驚きだよな」
「そりゃそうですよ……」
「まさか、四年の間に二作も打ち切られるなんてな……。いや違うか。入選発表から五年半も経ってるのに、まさか二作しか刊行してないなんてな」
「いやそっちも驚きですけど、そうじゃなくて……!」
今はラノベ業界の愚痴を語っている場合ではない。
そりゃまあ打ち切りに関する愚痴なんて、いくらでも語り足りないくらいだが、それはこの作品を未完で放置している作家が発言していいことじゃない。
「もう二度と、この作品には触れられずエターナルしていくのかと思ってましたよ……」
「それな(笑)」
しかし、こうして続報があるということは、きっと何かがあるのは間違いないだろう。たぶん。
「前回の更新から四年も経っていることには私も驚きなんだが……実はあの原作者、続きを書いていたらしい」
「ま、マジですか……」
「しかも、シナリオも書き終わっているらしい」
「マジですか……!?」
四年間も放置してたのに、いったいどういう風の吹き回しだろうか。
ラノベ業界が想像以上にクs……やべー世界で気が触れてしまったのかもしれない。
とまあ、そんなことはいいか。
「で、いつから更新再開なんです? もう書き終わってるなら、いつでも出せるだろうし」
「あー、それなんだが……」
「はい?」
「たぶん……早くてもあと一年くらい……。いや、もっと遅いかもな……」
「は??? え、確認ですけど、シナリオ書き終わってるんですよね?」
雲行きが怪しくなってきたことで察したが、きっとこれは作者による言い訳を垂れ流すためのお知らせタイムなのだろう。そんな気がしてきた。
「その前に、なんだが……そもそも、どういう感じで前回の話が終わったか覚えてるか?」
「そんなの覚えてないですよ」
「だろうな。いちおう説明すると――」
要するに……音黒せんせーと、そのペットである怪物太郎とかいうモブの過去編になりそうな雰囲気で終わったらしい。覚えてないけど。
と、そんな説明を淡々とされたのだった。
「――で、実は裏でしっかりとエピソード0を書き上げていたわけだ」
「いや、だったら何で更新しないんですか……?」
「そもそもなぁ、誰もラノベでやるなんて言ってねぇだろ」
「はっ……!? ら、ラノベじゃないんですか……?」
「ぶっちゃけラノベでやっても未来が見えないからな。てなわけで、ゲーム化することにしたわけだ。ノベルゲームな」
「おおう……」
まさか、裏でそんな計画が進んでいたとは……原作者自身もびっくりである。実費でゲーム作ることになるなんてな。
「まあゲーム化なんてするなら時間も掛かるのか……。でも、いきなりエピソード0なんてやっても、ユーザーは話についていけないんじゃ……」
「そこは心配無用だ。そもそも、原作者ですら前までの話を覚えてないからな」
「それは大丈夫じゃねぇな、頭が」
「――ということで、ゲームの話は完全に独立したストーリーの内容になる。もはやゾンビとかいう設定も出てこない。なんなら、お前(一斗)も出てこない」
「俺、主人公なのに!?」
「誰でも事前知識なしで楽しめるストーリーにしないと、そもそもの支持層が存在しないからな」
「まあ、それはそうですけど……」
「ちなみにだが、私には既に立ち絵がある!」
「主人公の俺より先に!?」
「しかも、描いてくれたのは『デスゲームで救ってくれたから、私を……』えっと……なんだっけ?」
「自作のタイトルなのにうろ覚え!?」
(余談だが、原作者はマジで自分の作品のタイトルをうろ覚えだ!
KADOKAWAの某会で大御所作家にタイトル聞かれたときと、その二次会の自己紹介で聞かれたときの両方でタイトルを答えられなかったくらいだ。
だって長いし、
自分で考えてないし……
今も完全に忘れたからマジで本を引っ張り出して確認している)
「えーっと、『デスゲームで救ってくれたから、私をあなたの好きにしていいよ』……のときにイラストを描いてくれたPinkio先生が再びイラストを担当してくれたらしい」
「マジか」
「まあ初めての個人依頼じゃないしな。エア2巻のときもお世話になったし」
作品が終わっても、こうしてクリエイターの縁は繋がっていくものなのだ。
「とりあえず、今出せる情報はそれくらいだな。作者のTwitter……じゃねぇや。今はXだっけ?」
「四年前とは、そこも違うんですね……」
「とにかく、作者のXに情報が小出しされるはずだから、Pinkio先生のイラストだけ見ていってくれ。そんじゃー」
「締め方も雑だなぁ……」




