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クソガキダンジョン奔走記  作者: 酒粕小僧
起源ダンジョンへの挑戦

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協力合体技は激アツ

 ウィザードウッドゴーレムは聖蘭(セイラ)への集中攻撃をしたことにより攻撃を止めていた。


「マナ!この隙に決めるわ!【万物貫通《マテリアルペネトレイト》】!」


「そうだね!【ファイアスピア】!」


 聖蘭(セイラ)が【万物貫通《マテリアルペネトレイト》】を放つと同時に真那華はウィザードウッドゴーレムに【従魔剣】を突き刺し【ファイアスピア】を放つとウィザードウッドゴーレムは周囲を出鱈目に蔓の槍で滅茶苦茶な攻撃を仕掛ける。


「成程ね。今のはだいぶ効いたみたいだね」


「でも、また距離を・・・・・・!」


 真那華と聖蘭(セイラ)がウィザードウッドゴーレムの攻撃を捌くと目の前からウィザードウッドゴーレムの姿が消えていた。


「マナ!あそこ!あの太い枝のとこに!」


 奏は魔力感知により保護色で溶け込んだウィザードウッドゴーレムを発見する。


「樹木と一体化して樹木の中を移動出来るなんて中々厄介だね」


 真那華はウィザードウッドゴーレムの魔力の痕跡を感知し、ウィザードウッドゴーレムがそこまで移動した絡繰を見抜くとウィザードウッドゴーレムはその太い枝から生えたように逆さまな状態で存在していた。


「流石にあそこはウチじゃ少し厳しいかもね」


「マナ、時間をかけてる暇がないの分かってる?」


「うん、それはもちろん分かってるよ。今考えてる。・・・・・・うん、即席になるけどこれしか方法はないかもね」


 真那華は少し考え、一つアイデアを思い付き奏のどこまで駆け抜ける。


「カナカナちゃん、ウチを抱えてアイツの側まで行ってくれる?」


「無理無理、あんな猛攻避けきる自信ないよ!」


 奏は流石にあの猛攻を避けながら進む自信はなかった。


「大丈夫、来る攻撃はウチの【従魔剣】が全力で防ぐからね。これはウチの負担が多いから普段は使わないんだけど今が使い時だろうからね」


 真那華は【従魔剣】を四本から六本に増やす。


『最大四本じゃなかったのか!』


『お前はいつからマナ様の【従魔剣】が最大四本だと錯覚していた?』


『むしろ、それくらいしないとやばいくらいの相手なんだろ』


『カナカナちゃんの飛行能力がないと流石にあそこは届かないよな』


『これ、カナカナちゃんいなけりゃ詰んでたじゃん!誰だよ。いらないなんて言った阿呆は!』


『ごめん、それ俺だわ。前言撤回する』


『いや、アレを見ろ!』


 そこには銃を口に咥えながら勢い良く樹木をよじ登っている聖蘭(セイラ)が映し出されている。


『やっぱり、人間辞めてるだろ!』


『あそこまで、逞しいと逆にかっこよくないか?』


『あの両手両足の爪状のオーラで樹木のよじ登りを可能にしてるんだろう。あそこまでいくと本当に狙った獲物を何としても狩るという凄みを感じる』


『これが猟犬(ハウンド)の戦い方、誰も真似できないわけだ』


(まったく、返答出来る余裕がないからって好き勝手言ってくれるわね!)


 聖蘭(セイラ)はグローブとブーツの引力の力で張り付き爪を滑り止めに使って登っているだけで本人は人間を辞めてるつもりはなかった。


 そして、その中でもウィザードウッドゴーレムの攻撃が行われているのである。


「仕方ないなー、マナがそこまでやるならカナカナも腹を括るよ」


 奏は空中から一旦降りると、真那華を抱えて飛び立ちウィザードウッドゴーレムに迫ろうとすると蔓状の槍を真那華と奏を狙うがその攻撃は真那華の【従魔剣】で防いで凌ぐ。


「カナカナちゃん、アイツの攻撃に構わず突っ込んでいいよ。あとはウチがなんとかするからさ」


「それじゃあ、そっちは任せるよ」


 真那華と奏はウィザードウッドゴーレムの攻撃などお構いなしに突っ込んで行く。


『何この熱い展開は』


『この二人が揃って修羅場になるとは思ってたけどまさか、こんな熱い展開になるとは思わなかった』


『正直、カナカナちゃんのことをかなり侮ってたわ』


『いや、元々ここまで動ける潜行者ではなかったよ。やっぱり、師匠が凄過ぎるんだと思う』


『攻撃、サポートに優れている上に師としても優秀なのかよ』


『そういや、さっき一瞬だけ見えてたが普通に回避してたぞ』


『マナ様も強いけど兄貴の方がおかしい程の強さなんだよな。これは管理局所属で正解だと思う』


『まさか、あの神対応の管理局員さんがS級だなんて普通は思わないよな』


 リスナー達は奏の話から奏の師匠であり、真那華の兄である承の話で盛り上がっている。


「兄ぃが人気なのは妹として嬉しい反面潜行者として嫉妬しちゃうんだよね」


「分かるよ。マナ、カナカナも師匠がここまで理不尽だとプレッシャー半端ないんだよねー」


 真那華と奏はそれぞれ、承への気持ちを告げる。


「マナ、カナカナが一瞬だけアイツの隙を作るからその隙に攻撃して」


「そんなことも出来るの!!これは後で兄ぃを問い詰める必要がありそうだね」


 真那華は完全に奏の力量を見誤っており、嬉しい誤算であったが、奏にどれほどの魔改造という名の修行を施したのか、承に問い詰めたくなった。


「いくよ!【イリュージョン】!」


 奏はウィザードウッドゴーレムに周囲が火の海に包まれる幻術を見せると【聖気】の副次的効果による恐怖により、攻撃の手が緩む。


「え?【イリュージョン】ってそんな効果だったっけ?もう、兄ぃは本当隠し事多過ぎだって!」


『【イリュージョン】って一瞬だけ相手に幻術見せる子供騙しなんだが、なんで攻撃がゆるんだ?』


『まさか、【幻魔術】には俺達の知らない性能があるのか!』


『それはあり得るかもな。スキル研究局はそれも産廃扱いして碌に調べてないだろうからな』


 その反応はリスナーも同様だった。


「うーん、これは奏の【聖気】の効果かなー。師匠の話だと【聖気】を鍛えると回復魔法以外の魔法にも副次的な効果が付くんだって、【幻魔術】はその内容で副次的効果を自由自在に変えられるから相性が凄くいいみたいだよー」


「それはウチも知らなかったよ。やっぱり、兄ぃには色々と問い詰めないといけないね」


 奏の答えにより真那華はこの配信が終わったら、絶対に問い詰めることを決めた。


「でも、そのおかげで隙が出来たね!」


「ここは順番的にカナカナが最初がいいよね。【リムーバー】!」


 奏は戦闘前ヘイローにストックした【リムーバー】を発動し半透明の手がウィザードウッドゴーレムを掴み何かを破壊する。


 その破壊したものはダンジョンから与えられる耐久力と再生力である。


「へぇ、話には聞いてたけどこれがそうなんだね。それならこれが一番良さそうかな。【ファイアボム】」


 真那華はウィザードウッドゴーレムに【従魔剣】を突き刺し炎による小爆発を発生させる。


「流石に飛ばれたら追いつけないわね!」


 聖蘭(セイラ)はウィザードウッドゴーレムに攻撃が届く射程まで到達するとガルムとフェンリルからそれぞれ火属性の弾丸と無属性の魔弾を連続で放つとダンジョンからの恩恵で得ていた耐久力を失っているからか最初以上のダメージが入っている。


『カナカナちゃんが使ったのって一体どんな魔法だ?』


『【リムーバー】って言ってたが・・・・・・』


『そんな魔法聞いたことないが?』


『そもそも、カナカナちゃんそんな魔法持ってたか?』


「カナカナもよく分からないうちに覚えてたんだよね。『カースドール』を倒した時に落とした紙みたいなのを読んだら【除去魔術】というのが使えるようになってたんだよねー」


 奏は実際にあった事を少し誤魔化しながら話した。


『それ、読んだことで使えるようになったんじゃ』


『そもそも、カースドールって倒せたのか?』


『いや、スキルが増やせる可能性がある事の方が重要だろ!』


『カースドールを倒して検証してみれば早くないか?』


 リスナー達は当然、奏のスキルが増やせるという発言にかなり食いつく。


「カースドールは攻撃で動きを止めた後に歌うと満足して倒せるけど、たぶんそのドロップがカースドールの満足度かつランダムだと思うんだよね。マナも同じように歌ったけどゴミのような素材しかドロップしなかったって聞いてるし」


「カナカナちゃん!?」


 まさか、真那華は奏がその話題を知ってるとは思わなかった。


 真那華は歌に関しては人並みよりちょっと上手い程度で奏ほどは上手くないのである。


「マナ!そんなこと気にしてないで!今が攻撃チャンスなんだから手を緩めちゃいけないわ!」


「うん、それは後で考える事にして今は目の前の敵に集中しないとね。【ファイアボム】」


 聖蘭(セイラ)の注意により一瞬手が緩んだ真那華は再び魔法を放つ。


 それにより、奏の発言は有耶無耶になったのである。


「まったく、僕のことを忘れないで欲しいんだよね」


 潤は結界魔法で床を作り跳んで上までやって来た。


「ジュンちゃん、結界魔法の用途はそういう使い方じゃないよ」


「それは知ってるけど、こうするしか高いとこには行けないからね」


 真那華は潤の結界魔法の使い方に意義を唱えるが、潤からしてみれば結界魔法は守備以外にも使える魔法なのである。


『結界魔法を踏み台にする奴初めて見たんだけど』


『安心しろ。俺もだ』


『普通は結界魔法を足場や踏み台にしようなんて考えないからな。発想の勝利だ』


『でも、これはまだ再現出来そうなぶん聖蘭(セイラ)ちゃんと違ってまだ人間なんだよな』


『実際にそこが基準になってるのが面白いよな』


 リスナー達は再現性があるかないかで人間を辞めてるか辞めてないか判定しており、完全に人間を辞めてる聖蘭(セイラ)の次にその人間を辞めた判定に片足を突っ込んでるのが潤ではなく奏なのである。


 その理由が飛行できるというそれだけの理由なのであった。


「【コメットインパクト】!」


 その潤が放った一撃は枝と結合したウィザードウッドゴーレムをへし折り地面に叩きつけた。


『一撃の威力が半端ないな。あの怪物の根元をへし折ってたぞ』


『というより、与えてるダメージデカくなってないか?』


『確かに再生してないのもおかしい』


『まさか、カナカナちゃんが放った魔法の効果って』


『まさか『生命と再生』の権能のダンジョン効果を消し去ったのか!だから、除去魔法なのか!』


『使い方によってはかなり強いだろ』


「これウチも最近知ったけど、バフ効果だけじゃなく、毒や麻痺などの異常やデバフまで除去出来ちゃうんだよね」


 真那華は奏の除去魔法の説明をする。


『これヒーラーとしては完成してるだろ』


『毒や麻痺、暗闇は回復魔法じゃ直せないからな』


『それにデバフ解除はもはやヒーラーとして完成し過ぎなんだが』


『ここまで来ると既にトップクラスのヒーラーだろ』


『ヒーラーとしても充分過ぎるのにサポーターも出来る。え?このパーティ本当に強いんじゃないのか』


『勝ったな』


 リスナーの一部が真那華達の勝利を確信した時、ウィザードウッドゴーレムは片腕をもぎ取り苗に変えにその場に植えるとそのまま倒れる。

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