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クソガキダンジョン奔走記  作者: 酒粕小僧
チームD-アニマルズ結成

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猿と鳥の配信告知

 真那華と奏はダンジョン告知配信のコラボを開始する。


「カナカナちゃんの話はその辺にして、まずはメンバー紹介をしないと」


「そ、そうだったね。奏熱くなり過ぎてたね」


『この二人だとマナ様の方がツッコミ役になるんだな』


『いつもなら、そのポジションはセイラちゃんかジュンちゃんなんだよな』


『カナカナちゃん相手だとマナ様もツッコミに回らざるを得ないのか』


 リスナーは普段は引っかき回し、聖蘭(セイラ)や潤にツッコミをされてる真那華が奏相手だとツッコミに回るという状況が面白かった。


「一人目はオールレンジのアタッカー魔法剣士の宗像真那華ことマナだよ。そして、二人目は・・・・・・」


「ショートレンジ、殲滅者(エクスターミネーター)の型で戦う双刃の二つ名を持つ黒鉄燐こと燐ちゃんだよ!」


真那華と奏は順番にメンバーの紹介をしていく。


『やはり、そう来るよな』


『順当にいくとそうなるな』


『というか、マナ様の本名初だな』


『『ホワイトサンダー』受け取ってる人はみんな知ってるがな』


 リスナーのほとんどは燐が来ることは予想出来ていた。


 そして、真那華の本名がここで公開される。


「そして、タンクは守護者(ガーディアン)の型を扱う二つ名は剛腕騎士(マッシブナイト)の黒鉄潤ことジュンちゃんだよ」


『とうとう、姉妹揃っての出演か』


『え?このパーティ意外とガチじゃない?』


『既にこの時点で強いから、余計にカナカナちゃんの場違い感があるな』


『いや、タンクがいる場合はむしろアリな布陣だ。カナカナちゃんの応援バフを安全に撒けるからな』


『確かに、カナカナちゃんの不安要素の一つがそれだからな』


 潤の話題が上がると一気にコメント欄が湧き上がっている。


 潤は龍との戦い以降、人気が急上昇しているタンクなのである為、どのギルドも卒業後の勧誘を狙っていると言われている。


「続けてヒーラー兼サポーター担当の応援天使(チアエンジェル)の型、二つ名は聖天使(ホーリーエンジェル)の源奏ことカナカナちゃんだよ」


『二つ名が聖天使(ホーリーエンジェル)なんだ。そういえば、マナ様の二つ名は?』


『そういえば、言ってなかったな』


「ウチの二つ名は魔法剣士(マジックブレイダー)そのままなんだよねー」


 真那華は自分の二つ名がそのままなので二回も魔法剣士と言う必要がないのである。


『型がそのまま二つ名になるって逆に凄くないか?』


『それはもはやマナ様の代名詞みたいなものだからね』


『つまり魔法剣士=マナ様ということだからな。誰も真似できないってことだ』


 真那華はこの二つ名に不満だったが、リスナー達からはかなり好意的に捉えられている。


「そして、最後が管理局からのバックアップの担当者さんだね。今回の配信は管理局の依頼ということにもなってるから何かあった時の為の保険だね」


 承の名前は発表前なので真那華はあえて出さなかったのである。


 それと同時に同じ苗字で兄妹だというのがバレるのが恥ずかしいところもあった。


「既に言ったとは思うけど改めて言うね。今回は『深淵の樹海』の一層と二層の連続攻略するよ。そのためのこの面子というわけだねー」


『確かにこの面子はバランスも良さそう』


『だとしても一層と二層の連続攻略はキツくないか?』


『特に二層のボスはかなり厄介だと聞いてるぞ』


『最初の攻略で多くの犠牲を出したことはかなり有名な話しだしな』


『だから、この配信でその悪いイメージを払拭したいというわけか』


『確かに三層攻略のレイド募集はされているが潜行者がまったく集まらないと言われてたな』


「ちなみにここでクリア出来れば三層への挑戦券は獲得したも同然なんだって。ウチは当然参加するけどね」


「奏も当然、ヒーラー兼サポーターとして参加するよ。ただでさえヒーラーとサポーターは少ないからね」


 真那華と奏は三層攻略に参加するのがここで確定する。


『今回この四人が全員参加すればすぐにでも募集枠埋まりそう』


『そのためのイメージアップをさせたいんだろうな』


『実際、一層と二層を続けて攻略するだけでも厳しいからな。確かにそれをクリアした四人が一緒に攻略するとなればそれだけでモチベが上がる』


 リスナー達は真那華と奏の参戦に心を躍らせる。


「一層は全体的に攻略法が確立されてるから昔ほどの脅威はないけど、やっぱり抑えておく注意点を疎かにしてると危険みたいだね」


 真那華はその抑えておく注意点である怪物を既に倒しておきながら発言する。


「『モスボア』の群れと寝ている『シェルダーブル』との戦闘を回避する事が安全に攻略する方法なんだよね」


「ボスの『ウォーリアウッドゴーレム』もアタッカー、特に魔法使いが育ってる今なら最初に攻略した頃よりは苦戦する相手ではないらしいよ」


 奏と真那華はそれぞれ一層の攻略法を語っていく。


『『モスボア』はともかく『シェルダーブル』は『深淵の樹海』でしか今のところ確認されてない怪物なんだよな』


『『モスボア』が群れを率いてるのもあそこのダンジョン内くらいなもんだからな。特に殿にいるっていう巨大な『モスボア』もあそこのダンジョンでしか確認されてない』


『あそこのダンジョンって限られた者しか攻略出来ないから、かなり情報が制限されてるんだよな』


『実際、知ってることよりも知らないことの方が多いからそっちも楽しみかと』


 リスナー達の中でも『深淵の樹海』について知らない者の方が多い。


「そういえば、二層についてはボス以外のことは出て来る怪物が『ブラックグリズリー』、『レジンドルクス』、『グールプラント』、『マンティスホーネット』が出て来ることくらいしか聞いてないよね」


「奏も一層の注意事項は知ってるけど二層は知らないんだよね」


 承と燐は二層をレアエネミーにしないようにあえてこの話題を伏せたのである。


『二層は一層よりも出回ってる情報が少ないからね』


『二層は一層をクリアした限られた者の中でも更に少ない者しか経験出来ないからね』


『でも、初期の攻略をしてた人の話しだと巨大な『マンティスホーネット』の巣には近付くなという話だぞ』


『あと目撃数は少ないけど、傷だらけで明らかに様子がおかしい『ブラックグリズリー』がいるらしい。アソコのダンジョンで傷だらけっていうのがそもそもおかしいからな』


 リスナー達はあえて承と燐が黙っていたことを真那華と奏に教えてしまったのである。


(これたぶん二層のボスをレアエネミーにする条件っぽいなー。というかたぶん、兄ぃと燐ちゃん、分かってて黙ってた可能性が大きいね)


 真那華はリスナーの反応から、承と燐が黙っていたことを察する。


「それなら、その二つには注意しないといけないねー」


 奏は何も分からずに返答しているのは真那華にとっては救いだった。


「二層のボスは『ツインウッドゴーレム』、かなり厄介だという話は聞いてるよ」


「なんか、ほぼ二体同時に倒さないといけないんだっけ?」


 真那華と奏は『ツインウッドゴーレム』の話しを燐からされており、その内容は承にしたものとほぼ同じであった。


『それは確かに厄介だな』


『多くの犠牲が出たのも頷ける難易度だ』


『そのボスに関しては名前だけは知られてるけど、実際に何をして来るか知らない人の方が多いんだよな』


『そこまで到達した潜行者がそもそも少ないからな』


『今はS級が二人しかいないからね』


『深淵の樹海』は二人のどちらかがいないと入れないこととA級以上という制限が付いてるので入られる数が限られて来るのである。


「そこまで、攻略すれば配信は終了かな。何か質問ある?」


 真那華は一通り流れを説明し、質問タイムに入る。


『セイラちゃんは今回お留守番?』


『相棒は今回はいないの?』


『一人だけ省かれてるのかな?』


 リスナー達は真那華の相棒である聖蘭(セイラ)のことが気になっていた。


「セイラちゃんはB級だから今回のダンジョン攻略には参加出来ないんだよね。でも、レア素材持ち帰る約束してるから省いてるつもりは全然ないよ」


『レア素材期待してる』


『セイラちゃん!?』


『本人もちゃんと見とる』


 真那華の解答に聖蘭(セイラ)がしっかりとコメントで反応する。


「今のがマナの右腕と呼ばれる職人兼ペットのセイラね!カナカナのもう一人の宿敵!」


『セイラちゃん、カナカナちゃんからペット呼ばわりされてるんだが』


『ある意味では間違ってないな』


『カナカナちゃん、マナ様だけじゃなくセイラちゃんも敵視してたんだ』


『いつから私はマナのペットになってるのよ』


 コメントで聖蘭(セイラ)はペットのことは否定する。


「カナカナちゃん、ウチならまだしもなんでセイラちゃんまで敵視してるの?」


「奏には装備品作ってくれる友達なんていないもん。しかも、凄腕だと噂程度だと思ってたのに実際に生きてる盾まで作ってるし」


「ちょっ・・・・・・!?」


 真那華は流石に潤の禍津玄龍のことを話すのはまずいと思い奏を止めるが既に遅かった。


『生きてる盾?』


『なんかの比喩か?』


『それって盾と言えるのか?』


『盾使ってるのってあの面子だとジュンちゃんだよな』


『ジュンちゃんしか、盾持ってるの見たことないけど龍との戦いで壊されてるから』


『それで新調した盾がまさか・・・・・・』


『ああ、禍津玄龍ね』


 セイラは既に隠すことを諦め自白する。


「セイラちゃん!?」


 真那華は聖蘭(セイラ)のあまりの潔さに戸惑う。


『え?禍津!?』


『まさかの盾まで禍津シリーズ』


『これは黒鉄姉、発狂不可避』


『でも、生きてるって言ってなかった?』


『つまり、禍津が生きている』


『それやばくね』


 リスナー達は禍津が再び現れるのではないかと恐怖している。


「あれ?カナカナなんかやっちゃった?」


「カナカナちゃん、ジュンちゃんのアレは言っちゃダメだよ。ほら、みんな大変な事になってるし」


(とりあえず、この場を収めないと取り返しの付かないことになるね。下手に誤魔化すのは逆効果それなら・・・・・・潔くいくしかないかな)


 真那華は潤の禍津玄龍に関しては誤魔化す方が逆効果なのを考えた上で対策を考える。


「ここにはその現物がないから本物は配信の時に実際に見てもらった方が早いかな。だいたい、ジュンちゃんの頭の上で休んでるからね」


 真那華はこれに関しては配信の日に実際に見てもらった方が早いと同時に説明もしやすいのでこの場はこれで我慢してもらうことにする。


『ちなみに今はどんな感じになってるの?』


『頭の上って言うけど重くないの?』


『禍津ってのがインパクト強過ぎてるけど、最後に龍って付いてるよね』


「今は亀っぽい龍になってるね。甲羅の中で休んでるからどう見ても亀の甲羅の形したヘルメットにしか見えないんだよね」


 真那華はリスナーの質問に正直に答える。


『なんだろう、今ので一気に怖くなくなったんだが』


『そもそも、どうやって頭の上に乗っかってるの?ジュンちゃんが乗せてるとか?』


「禍津玄龍は浮いてジュンちゃんの頭に乗っかってるんだよね。アソコが一番のお気に入りみたい」


『亀が浮く!?』


『想像したら凄くシュールな絵面なんだが』


「ちなみにカナカナちゃんみたいに翼はないからね。アレは斥力で浮かんでるようなもんだから」


 真那華は禍津玄龍が浮いてる原理を説明する。


『『枯れ鉱山』の隠し通路内にあった浮いてる鉱石みたいだな』


『何となく察したんだけど、龍とアソコの素材で盾作ろうとして、禍津の素材使ったら生き物になったとか?』


 勘のいいリスナーがまさかの正解を導き出した。


「まさか、ここまで勘がいいと褒めちぎりたくなるよね。流石、ウチのお猿さんはその辺のリスナーとレベルが違くてウチは嬉しいよ。本当は本物がここにいれば説明しやすいんだけど、『生命と再生』の権能が持つ力の影響が強い素材を使ったら、生き物になっちゃったんだよね。それは流石のウチも完全に想定外だったよ」


 真那華はこのピンチを切り抜けることを可能にしたリスナーを褒める。


『つまり生きた盾っていうのは『生命と再生』の権能の影響ってこと?』


『無機物を生物に変えるとか半端ないな権能の力』


『これは実物を見るのが楽しみになって来た』


『マナ様ってなかなか褒めることないからなんか珍しいな』


『たぶん、カナカナちゃんが余計なこと言ったから困ってたんだと思うぞ』


「でも、どっちみち当日にも話すことにはなってたと思うし結果オーライかな。むしろ、実物を楽しみにして欲しいよね」


 真那華はやらかした奏をしっかりフォローするがどっちみち話さないとならなくなることもまた事実であった。


『実を言うと私も少し焦った』


「でも、セイラちゃんのおかげでいい決断を下せたよ」


 真那華は聖蘭(セイラ)が潔く言ってくれたことで真那華も変な誤魔化しをしないという覚悟が出来たのであった。


『やっぱり、この二人はベストコンビだよな』


『セイラちゃん、早くA級になるんだぞ』


 リスナー達にとっても聖蘭(セイラ)は真那華の一番のパートナーなのである。


『言われなくてもすぐにA級になってやるわよ。でも、このままカナカナちゃんに敵視されるのも面倒だし素材さえ持って来てくれればオーダーメイドの装備品を作るわよ』


 聖蘭(セイラ)はこのまま奏に敵対姿勢でいられるのは面倒なので装備を作ることにした。


「え?本当!?じゃあ・・・・・・あの亀みたいな奴は?」


「カナカナちゃん、素材は自前で用意するの分かってる?」


「・・・・・・え?ええ!?」


 奏は素材は自前で用意する所だけを都合良く聞き流していた。


「セイラちゃんはウチに対してもそうだよ。ただあの盾に関してはジュンちゃんがセイラちゃんを庇って壊れたところがあるから少しは手伝ってくれたけどさ。基本的に自前で用意すれば作ってくれるよ」


 真那華は聖蘭(セイラ)に装備品を作ってもらう方法を教える。


「そう言われてもカナカナは素材に関しては詳しくないよ」


「それは本人と直接会って相談かなー。とりあえず、他に質問もないようなら今日の配信はここまでだね」


 奏はリスナーの質問も特にないようなので閉じようとする。


「それじゃあ、改めていうけどダンジョン配信はカナカナちゃんのチャンネルでやるから間違えないようにねー。それじゃまたねー」


「次はカナカナチャンネルで会おうね。バイーバイ」


 真那華と奏は一悶着あったが、とりあえずダンジョン配信の事前告知を済ませることができた。

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