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界の渡り人  作者: ホトトトギス
王都騒乱

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99/104

国際平和祭ー開催と夜会

「あーあ。当日になっちゃった。」

 晨弥久しぶりに王城内部にある自室にいたわけだが、

 資料などに目を通しているうちに国際平和祭当日になってしまっていたことに気が付き

 ため息交じりに愚痴をこぼしていた。


 ここ数日晨弥は寝ていないと言っても過言ではない。

 王都の外でも問題がいくつか発生しており

 兵士の派遣やらをすれば必然的に王都内部の人数が少なるわけで 

 その穴埋めの大部分を晨弥が担っていた。


 聖都との会談の後も王都内部を飛び回っており

 商人のいざこざやらの仲介をしたり、

 相も変わらず王都内部では酒に酔った冒険者やら

 女に盛りに行く冒険者やら

 何者かの息がかかっているのが目に見えている冒険者やら

 いろいろと面倒ごとを起こす者たちの相手をしていた。

 その結果、無表情で制圧あるいは収める程度には

 慣れてしまっていた。


「、、あし、、違う今日は、、朝から聖女様の王都散策だかの護衛やらなきゃいけないんでしょ?馬鹿言ってくれるよね。聖代騎士団(そっち)がやれよマジで。」


 行き場のない怒りというべきか鬱憤と言うべきか他の何かなのか

 晨弥自身が理解していないのであろうが

 誰にというわけでもなく真顔で愚痴る。


 もし近くに暗部がいたら何も言わなかったのであろうが

 平和祭当日からは晨弥の護衛を外れ持ち場に向かったため

 誰かに聞かれることもないため、何も考えずに愚痴っていた。


暗部も暗部で多忙だなぁ、、、

「、、、寝よ。」


、、、、


 朝3時を少し超えたころ

「、、、起きちまったよ。」

 王都内部では暗部が何者かと戦闘を繰り広げていたりなんだりしているせいで

 魔力感知範囲を王都が収まる広さまで広げている晨弥には

 隣の部屋でドンパチ騒ぎを起こされているようなもので

 あっっっっさい睡眠2時間ほどで目が覚めてしまっていた。


 こうなっては仕方がないと

 魔力制御訓練、剣術訓練を時間までやって過ごし

 そろそろ聖女の散策についていくための準備に入ろうかという頃

「、、、、あれ?、、、服どうしよう。」

 今回の聖女の王都散策は一般人に扮し、街を出歩くもので、

 だいたい冒険者として動いていたころの装備という名の服しか持っていない晨弥は

 冷や汗を滴らせていた。


 とはいえ持っていないものは仕方がないので

 変装やらは聖都側が段取りをつけてくれているので

 指定された場所にて「服ねえよ。」と言ってみたところ

「準備してありますのでご心配なく。」

 準備は万全だったようだ。


 そんな準備万全な聖都による変装の結果

 晨弥は白髪のいい感じの髪型へと生まれ変わることになった。

「、、、、いいね。量産型って感じで。」


「それは本心でいってるの?」

 もう一人の付き添いであるモラレドもまた変装し

 白髪になっていた。


「そりゃぁ、本心だよ?」

 などと言っている間に

 聖女の準備もできたようで

 王都へと繰り出すことになった。


、、、、


 聖女が平和祭1日目の昼間に街の散策に出かけるのは

 昔からのしきたりのようなもので

 普段、聖都の中に結果として引きこもっているのと変わらない

 仕事で外に出たとしても自由に世界を見て回れない聖女のために

 自分の目で世界を見て回るという名目で

 聖女が自由にできる日として

 ある時代の九世が提案し、

 紆余曲折あったが着地点として今の形に収まることになった歴史がある。


「晴れてよかった。行事の日に雨降るだけで陰鬱な気分になって本来の半分も楽しめないから。」

 快晴の空を見ながら晨弥がつぶやく。


「それは科学世界の時の経験則ですか?」


「そうですね。本当に萎えますよ?もともとやる気ないモノとかだと余計に。」


「あなたたち馬車を降りたらため口で話しなさいよ?」

 今は馬車の中であるからいい物の

 はたから見たらそれなりにいいところの血縁者のような見た目に変装しているため

 言葉遣いにも注意を払わなければならない。

「わかってるよ。聖女様はともかく僕はため口聞かないとね。」


「あなた、オリヴィア教の教徒でもないし、様付けをしなければならない立場でもないのになんで様付けするの?」


「うん?うーーーん?なんとなく?」


「あなた、、適当なところはとことん適当よね。」

 ちょっとした小言を言われつつも

 とある場所に到着する。

「ここ?」


「言われた通り探したさ。一般人がちょっと奮発してくるよなスイーツ店。あと女性に人気。無駄に大変だった。」


 晨弥の苦労は華麗にスルーされ入店

 晨弥は別にスイーツ巡りは趣味ではないため

 この世界のスイーツの普通がよくわかっていないため

それなりにするなぁ、、、、

 ぐらいのテンションで

 メニュー見てああだこうだ言っている二人に任せることにした。

 

 気が付けば注文も済み、届き始めたころ

 国王から国際平和祭開催の放送のようなものが始まったが

 どうせ夜も似たような話を延々聞くのだからいいやと話そっちのけで

 スイーツを食べる

 つもりだったのだが 

 晨弥の動きが止まり、一点を一人を凝視するように目を大きく見開く。


は?いやだって、、、、は?

ありえないだろ。いるわけがねぇ。

だって、、、だって、、いるわけがなだろ。

 この言葉の堂々巡り

 まるで自分に言い聞かせるように

 精神を安定させるように同じ言葉を頭の中で何度も何度も


「?どうしたの?」

 モラレドのその言葉に我に返ったのか

「いや、、、なんでも、、いや。ちょっと席を外してもいい?」


「ああ。行ってらっしゃい。」

 店をでてその姿を追う。

 店で見た曲がり角を曲がり

 そこに住んでいる人しか通らないような裏路地のような道を通り

 たどり着いたのは人でごった返しとなった通り

魔力感知、、、、いや、、、さすがにもうそれをいじるわけにはいかない。

 多くの人間の魔力で一人の人間を追うことは今の晨弥の技術ではできない。

 魔力感知を好き勝手に使える状況であったのならば話は別だが。


「すまん。」


「気にしなくていいわよ。」


 その後も街の散策やら買い食いやら

 聖女は満足したようだった。


、、、、

 その夜

 王城では各国の貴族や各機関のお偉方が集まる夜会が開かれようとしていた。


「父上、晨弥に、様はどちらに?」


「彼なら他の九世とともに会場入りするとのことだ。もう間もなく来るだろう。」


 すでに会場には多くの人が集まっており

 嫁、婿探しをする者

 権威に取り入ろうとする者

 学術的な話をしている者

 多種多様な会話があちこちでかわされていた。

 アルゼディア国王もまたオーシャルや帝国、その他の国の代表やらと挨拶をかわす。

 そんな中、解除のざわつき方が変わる。

 そう、九世の入場である。

 

、、、、

 会場に入った晨弥の感想は

本当に人多いじゃん。

 これである。 

 なんとも語彙力のなさが浮き彫りになるような感想である。

 そのほかと言えば

 九世がそろって会場入りすることについて

いやね?わかるよ?九世は厄災に対する最高戦力であることは僕だって認識しているさ。

認識しているとも。

厄災が現状3匹復活して、3匹とも討伐に成功しているわけでね?

威を示すではないけどね?安心感を与える的なね?

意味合いが含まれていることも理解しているとも。

それはそれとしてめっちゃ恥ずかしいのよ。

人がごまんといるところに堂々登場!みたいな感じだからね?

ふっつーーーーに!恥ずかしいのよ。もう帰りたくなってきた。

 

 さらに晨弥は挨拶をしなければならないことを思うと


やってらんねー。

 ということになる。

 そんな晨弥を他所に夜会ははじまり

 晨弥もどうにかこうにか乗り切り

 あとはいい感じに時間が過ぎることを望むだけとなっていた。

 そんな晨弥に話しかける男が一人


「九世の纏晨弥様でよろしかったでしょうか。」


「はい。そうですけれども、、、あなたは、、」

なんかどっかで見たことある気がする。

実物じゃなくて、、本だか何だか忘れたけど、、、


「初めまして、わたくし魔法研究機関で聖都と合同での回復魔法について研究をしていますトニシオと申します。」


「トニシオ、、、あ!確か精神を落ち着かせるための魔法を火魔法で完成させた方でしたよね。木漏れ火(こもれび)という魔法についての論文読ませていただきました。」


「私のことをご存じとは、、恐れ入ります。とはいえ精神を多少落ち着かせるくらいのことしかできないのが現状ではございますがね。晨弥様におかれましても炎爪による結界魔法練習の有用性について提言していただいたようで。」


「まぁ、、形のイメージを覚えるくらいにしかならないのかもしれませんが。」


「火魔法、火属性というのは一番オーソドックスなものですから、結界、空間魔法についての研究に注目が集まる現在、結界魔法を扱える者が増える可能性が高まるだけで非常に役立つものになるかと思います。」


「私としましても神聖属性を持ちえませんので他者に対して回復の貢献というのは難しいところがありましたが木漏れ火によって多少は貢献できるようになるのはうれしい限りです。神聖属性、神聖魔法が必要ない回復魔法が生まれたのは他属性、魔法への発展にも寄与していますから本当におめでとうございます。」


 この後も晨弥は多くの人と話したはずなのだが

 まともに覚えているのはトニシオとの会話ぐらいであった。

晨弥の夜会での挨拶は

さらし野の鍋 という冒険者がもとになっている言葉で

同じ釜の飯を食う と似た意味を持つ言葉を用いての挨拶でした。

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