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界の渡り人  作者: ホトトトギス
厄災の足音
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ありし雑音は吹き消えて

 聖都

 

 厄災に限らず人類の危機に関する問題が発生する際

 その時代の聖女が神から神託を授かる。

 今まで厄災の復活に関して漏れはなく

 復活の日付が曖昧なことはあれど

 場所に関しては完璧であった。


 その中で初めて厄災復活の神託の漏れが発生した。

 これは聖都の根幹にかかわる問題であった。

 

 聖女を含めた聖都最上位の面々は

 復活の情報を共有されると同時に頭をかかえながら会議を始めることになる。


「現状推定ではありますが嵐の厄災と思われる存在の復活を確認しております。」


「それを受けて各九世に連絡を取ろうとしているのですが、、、、」


「復活した場所、、、か」


「申し訳ございません。私が神託を受けていれば、、、、」


「聖女様が謝ることではありませんよ!毎日毎日お祈りをしている貴女様が嘘をついていたとも考えていませんし、貴女様が神託をきちんと授かれないとも考えられません!」


「そうですとも!」


 会議に出席している者たちからも

 そうです 

 と声が上がる。


「だとするならば先々代の聖女、、、いや、聖女と呼びたくもない」


「あの者を聖女にしてしまった我々に対する試練の可能性も、、、」


「確かにあり得ますな。全くあの者は死んでもなお、、、」


 その言葉を皮切りに

 ひそひそと先々代に対する恨みつらみがきこえてくる。


「今その話をしても仕方がありません。試練であるのならば今、ミルティコア王国はその試練に打ち勝とうとしていることになります。聖都としても加勢しなければ」


 この言葉でようやく会議が進みだす。

 その間も九世たちとミルティコア王国との連絡を取ろうと奔走する者たち

 矢継ぎ早に行われる会議


「もしかしたら、、、嵐の厄災は、、、誰かに討伐される、、、?」


 聖女が誰にも聞こえない声でつぶやく


「?聖女様どうかなされましたか?」


「いえ、、、なんでもありません。」


 その後も会議は続いた

 が

 結論が出ないままだった。


 問題は聖都の最高戦力たちは氷河の厄災討伐に向かってしまっていることもあり

 聖都に残っている者たちを派遣したとしても

 ただの捨て駒にしかなれない 


 九世と連絡が付くのが急がれる


=====


 ????


「ねえ?本当に良かったの?」


「良くわないよ。でも、、、それしかない。お陰で、、、って言い方は良くないけど、、、たどり着けた。たどり着いてくれた。」


「そ。じゃあ準備しとくわね?」


「すまない、たのむよ。あとみんなも呼んどいてくれるかい?」


「はいは~い」


====


 晨弥はすでに東洋の龍のような見た目をした嵐の厄災との戦闘を

 風と雨が吹き荒れる大空で繰り広げていた。


 未来視と解析鑑定の魔眼を使い

 ギリギリで攻撃を回避し続ける。


 ただの暴風が常に吹いており

 移動が困難である状況で

 流れの読めない風に急激に軌道を変える雨の弾丸など

 一つ一つが致命傷になる攻撃が降り注ぐ

 

 その中でも晨弥は攻撃を仕掛けようとする。

 普段使っているような魔法では厄災には届かない

 

 干渉型土魔法で巨大な大剣を作成する。

 硬度は最低限と言ったところで

 

 厄災にぶつけてみたもののやはりというべきか

 簡単に砕けてしまっていた。

 しかしわかりきっていたかのように砕けた破片たちを爆発させるが

 それもまたダメージのダの字にもなっている様子は見えない。


 そのお返しとばかりに

 厄災は晨弥の左腕を切り飛ばす。


 飛び散る血しぶき

 それを見てもなお晨弥の顔には焦りは見えない

 ただ淡々と攻撃をかわし続ける。

 かわし続けた先にある未来を見据えているわけではない。

 本当にただかわすだけ

 厄災をここにとどめておこうだとか

 九世が来るまで持ちこたえよだとか

 そういったことは何一つ考えていない。

 何を考えているのかすらわからない 

 そんな顔をしていた。


 焦りはないものの

 魔眼を酷使している影響で

 戦闘が始まって1時間たっていない状況ながら脳は悲鳴を上げ始めていた。


 そんな防戦一方ながら先の見えない

 先何て考えていない戦いの終着は唐突に訪れる。


 一瞬のすきに獅子の飛翔を叩き込むも

 相も変わらず不完全な状態にしかならなかった。

 そして厄災の圧倒的な硬度と魔力を前に

 ダメージを与えるどころか晨弥の刀が折れた。


ドッ


 獅子の飛翔直後の晨弥の腹を雨粒が貫いた


「グッ、、、」


 ようやくと言うべきかなんと言うべきか

 晨弥の顔がゆがむ


ドドドドッ


 そんな晨弥を他所にさらに雨粒が晨弥の体を貫く


 それだけならよかった

 それだけならまだ神聖魔法でどうにかなったかもしれない。


 貫かれた晨弥を暴風が切り刻む

 そして


ドンッ


 風の塊が晨弥の腹そのものを吹き飛ばす。

 腰から下と胸から上に分かれた晨弥の肉体


 晨弥は遠くなる意識の中でふと思う。


そうか、、、、ずっと死のうとしていたのか、、、、

ずっと思ってたわ。なんか、、、、おかしいなって

矛盾しているような

言ってることとやってることが食い違っているような

何を心に思っても中途半端でこれじゃないと捨てて

死のうとしているくせに逆に殺して

そのくせ自爆まがいな攻撃もする


だからか、、、

クラウドが死んだとき、、、、、、ちょっとうらやましかったんだ、、、、


こんな心持じゃ、、、、獅子の飛翔も完成しないわな


 世界がスローモーションで

 思考だけがすさまじい速度で頭を駆け巡る

 

案外あっけないもんだな

厄災、、、、死ぬ相手にはちょうどいいか

刀もおられて

頑張ったけどダメでしたアピール

我ながら情けないけど、、、、

まじめに戦っていたら勝てないまでも、、、、

善戦できたよなあ、、、、、きっと、、、、

死ぬつもりで来ていたからそんなこと今更思ってもしょうがないけど


====


 ミルティコア王国


「陛下!」


「騎士団長か。何があった?なんだこの魔力は、、、、まるで、、、、」


「正確に断定はできませんが、、、嵐の厄災ではないか、、、と」


「聖都からの連絡は?」


「ヴァーロット殿が確認を急いでいますが、奴の放つ魔力によって疎外されており、、、」


「そうか、、、魔導士団長は?」


「討伐隊の選抜を行っていますが、、、、」


「状況によっては、、、出陣してもらうよう通達」


 バリアスは近くにいた騎士団員に目配せでアンスのもとへ向かわせる。


「しかし、、、、復活も想定外だが、、、そうだ、復活場所は分かっているのか?」


「おおよその想定ではありますが王都を出て、歩いて半日以上はかかりますがあの巨体だと関係ないかと、、、、。」


「なのにこちらに来ない、、、どうなっている?」


「誰かが戦っている、、、、とか?」


「まさか、、、、、な、、、、、。ところで晨弥、、、見ていないか?」


「晨弥ですか?確か、、、シュポーロから帰ってきているはずですが、、、」


「、、、、」


「、、、、、」


「今すぐ確認を!」


「はっ!」

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