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界の渡り人  作者: ホトトトギス
王都騒乱

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101/105

国際平和祭ー長き夜の始まり

 2月23日 夜

 ついにと言うべきか、ようやくと言うべきか

 それとも残念ながらと言うべきだろうか。

 動きがあった。

 

 1番初めに動いたのはセレイト領の攻防である。

 どうやら厄介な輩が複数確認できたこともあり

 暗部副頭領と精鋭が対処へと向かった。


 次に王都内部で暴動がおこった。

 暴動は冒険者たちの殴り合いなのだが

 民間人を襲うなどの被害も出ていた。

 こちらは騎士団、魔導士団に任せ

 晨弥は今、

 学校内部にある宝物庫のような場所に来ていた。

 王城内部の宝物庫よりは多少グレードは下がるが

 中に入っている数は王城内の宝物庫より多かった。

 

 宝物庫へと続く扉の先には長い廊下があり、 

 その先にある、あまりに広い大広間

 その壁を沿うように作られた螺旋階段を降りるとある扉を開けると宝物庫に入れる。


 晨弥は今、その扉を開けてすぐの長い廊下を歩いていた。

 廊下のあちこちに死体が転がっている。

「、、、、、」

 その中には小さな子供の死体も少なくない数ある。

 遠くから戦闘音が聞こえてくる。

闘ってるのはシャルさんたちか。

 目線を子供の死体から廊下の先へと移す。

 しかし

 それでもなお、晨弥は歩きながら向かう。

 死体を一つ一つ確認するかの如く。

 たまに岩の剣を差し込みながら。


 長い廊下を歩ききり、大広間へと出る。

 と同時に

 岩の剣を連射する。

 これにより互いに距離をとる。

「すみません、遅くなった。」


「いえ、これまでの道に生き残りがいるほうが怖いので。本来なら私たちの仕事だというのに申し訳ございません。」


「あぁ、いいですよ別に。こっちもこっちで数が多くて大変そうですし。」

 シャル達が5人なのに対して敵は20人ほどが残っていた。

 シャルと晨弥の会話を聞いていた侵入者たちの指揮者と思しき者が話しかける。

「これはこれは纏晨弥殿ではないですか。このようなところでお会いできて光栄です。」

「そりゃどうも。」

「にしてもあなた。魔力の制御がお粗末ですね?ここに来るまで生き残っている私たちの同胞を殺しているは分かっていますよ?」

「さすが暗部。他国とはいえ優秀な人材がそろっていらっしゃる。そこの子供もどうなっているんだか。だいーぶ強くない?」

 敵国の暗部の子供を見ながら言う。

まぁ、うちの国のシャルさんの方が強いけど。

とはいえ、、シャルさんも、あの子供も、、その年齢で、、、、

って言いたいところだけど、長命種からしたら僕もシャルさんも変わらんのだろう。

「戦い辛いですか?そうでしょうとも。異世界人にはこれが効く。」

「良かったな。僕がそれが効く人間性をしていて。」

「そうですね。とはいえこの世界に来る日本人はこれが基本効きますから。まぁ、ここまで来る間に同胞を殺したことも驚きではあるのですがね。殺しにくかったですか?それで魔力制御がおろそかになった?どちらでもいいのですがね。死体撃ちしたんじゃありませんか?」


「仮にしていたとして、、この世界の倫理的には何ら問題なかったと記憶しているが。」

とはいえやっていないけど。

怒らせるか動揺させたいのかな?


「ご存じでしたか。」


「晨弥様、あの子供たちは我々にお任せください。」

 話を遮りシャルが進言する。

「ありがとう。じゃ、残りの大人は全部僕が引き受けるよ。」

「かしこまりました。」


 かなり昔の話にはなるが

 戦争中とある国が戦争相手の国から

 10にも満たない子供たちが

逃がされた

 と近くの領にたどり着いたことがあった。 

 いくら戦争中の国とは言え

 子供を保護しないのはいかがなものかということで

 保護したわけだが

 その子供たちが訓練された兵士であったため

 虚を突かれた領は瞬く間に陥落。

 これを一斉に複数箇所で行い

 王都周辺を確実に潰していった。

 結果

 子供を送った国が勝利した。

 という戦争があった。


 このことがきっかけで

 子供であろうとも戦時中に戦争相手の国に来た場合は処す。

 という決まりができてしまった。

 また、暗部に所属させて戦争前に子供を敵国へ配備する可能性もあったため 

 子供であろうとも国に危険を及ぼすと判断された場合

 殺害を認めるという世界共通の条約ができてしまった。

 ただ

 この条約ができてから子供の死亡率が減ったのは事実であったため

 おそらくこの条約がなくなることはないだろうと言われている。

 小国とはいえそれで国が一つ滅んでいることもあるが、、

 この戦争があってから通信の魔道具の開発が進んだりしたのもまた事実であった。


 話を戦闘に戻す

 初撃は晨弥が相手を動かすため岩の剣の連射

 これに乗じて王国暗部が子供たちを引きはがす。

よし。

 さらに魔法の速度を上げる。

 今度は動かすためではなく、息の根を止めるために。

 実際にこれで何人かを仕留めているわけだが。

話しかけてきたリーダーっぽい女、厄介だな。場慣れしている感じ。

それに持っているあの武器、、確かシュポーロでもおんなじやつ見たな。

「いいもん持ってるじゃん。」

「ええ。おかげさまで。あなたからも頂き物をしましたし。」


 その言葉を聞いても晨弥はピンとこなかったが

 次の瞬間理解する。晨弥を炎の結界が覆っていた。

「炎爪か。」

それも干渉魔法で作り出した。

「お気づきですか?九世様。これはあなたが提案したものです。」

ザン!

「そう。だからこの魔法を俺はよく知っている。」

 炎爪による結界を難なく破壊し、そう告げる。

「これを提案した時僕がこのことを想定していないと思っていたのか。」

そもそも俺が提案したのは俺が使う魔法の劣化版でしかない。

場慣れはしているのだろうけど、、底は見えたな。

制御偽装に関してはブラフの方向で考えていたけど、、違うっぽいな。

風切(かざきり)(まい)

 風切という指定した箇所を風で切るだけの魔法に

 切る箇所を指定せず風の斬撃の端を晨弥に固定することで

 球状になら自由に風の斬撃を操れるようにした魔法

 

 これを相手が間合いを詰めた瞬間に発動し

 一人を切り刻む。

 それに臆したのか数名が下がる。 

 それを今の晨弥が見逃すはずがない。

 簡単に処理される。

「少々、、いや、かなり意外でしたね。まさかそこまで冷徹にこなせるとは思っていませんでした。これでも場だけは踏んでいるのでわかりますよ?あなたのそれは殺すために感情を殺しているわけではなく、殺すことを何とも思っていない顔だ。」

「おとなしくしていれば、痛みを感じぬまま死ねますよ?」

 晨弥が言葉を発する前に

 処理が終わったシャルが話しかける。

「仕方ない、、私たちは帰らせていただきますね。」

 その瞬間

 晨弥には聞こえた

カチッ

 という何かが押された音が。

 シャル達も何かを察し、決して動こうとはしなかった。

「これでもつれませんか。後は、、よろしくお願いいたします。」

 そう言い残しながら闇の中へと消えていき

 その代わりという表現が正しいのかわからない

 なぜなら

 消えていった闇から出てきたのは

 先ほどの者たちとは明らかに格が違いすぎる怪物

 

 

あぁ、、知っている。知っているとも。この怪物の名前を。

万獣(キマイラ)、、、」

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