海底ダンジョン
受付嬢からダンジョン探索の内容が告げられた。
「お客様におすすめできるダンジョンはこちらしかございませんでした」
俺に見せられたダンジョン探索の内容とは、なんと深海に沈んだ古代都市のダンジョン探索であった。
当然ながら攻略難易度は最高である。
その理由としては、当然ながら移動手段のなさである。
移動魔法を使おうにも、海底という場所の関係上どこに存在するかは確かではない。
そうなると、素潜りでもして探索をしなければ海底ダンジョンには辿り着くことはできない。
つまりは船でも買って、少しずつ位置を把握してダンジョン探索を行うしかない。
だが当然ながら、俺達に船を買うだけの財力はない。
これはできることならば後回しにしたいダンジョンだ。
「このダンジョンに現在挑んでいる人物とかっているんでしょうか?」
俺は一応にはなるが、この難関ミッションに挑もうとしている猛者がいないのか聞いてみた。
もしかすればその猛者の船に同乗させて貰えるかもしれないからだ。
「えーと、わかりました。探してみます」
そう言って、受付嬢は他にダンジョン探索を行っている人物がいないかを探してくれた。
俺は流石にこの難関ミッションに挑もうとする無謀な挑戦者はいないであろうと高をくくっていた。
しかし、受付嬢から告げられた事実は想像以上に辛いものであった。
「あ、一パーティだけ挑戦している方達がいらっしゃいます。パーティリーダーはアマタという人です」
「なんだって!?」
俺は思わず叫び声をあげてしまった。
この難関ミッションを挑んでいるのが他の人ならば、まだ同乗させて貰える希望もあった。
しかし、それがアマタならば別だ。
俺に憐れみを持って同乗させてくれるかもしれないが、鍵はきっと渡さないだろう。
というよりも、移動手段が最大の難関になるダンジョンにおいて、その移動手段を用意したのはアマタだ。
アマタをが鍵を手に入れるというのは自然な流れだろう。
そうなるとどうだろう? 俺達は鍵を一個、彼は三個で過半数の四個まであともう一個という状況となる。
そうなれば、今まで以上に急がなければ彼に追いつくことはきっとできない。
「他にダンジョン探索の依頼は来ていないでしょうか?」
「すみません、我々一同探してみましたがこれだけでした。お力になれずすみません」
それを聞いて俺は、辺りが真っ暗になりそうなほど打ちしがれた。
しかし、それでも諦めるわけにはいかない。
「わかりました。ありがとうございます! さっそくダンジョン探索に向かってみます」
俺達はダンジョン探索に向かうため、ギルド役場を出た。
「ちょっと不味いことになりましたね。ナユタさんさっきダンジョン探索に向かうと言っていましたが何かいい考えでもあるんですか?」
「いや正直言ってない」
ルリが尋ねてきたが俺は、キッパリと否定した。
正直言ってここは嘘でもいいからあると言いたかったが、ここで虚勢を張ってもしょうがない。
「そうですか……」
ガッカリとした様子のルリに申し訳なさを覚える。
だが打ちし枯れている暇はない。
俺にはパーティリーダーとして、果たすべき責務がある。
それはダンジョンをクリアし、皆が散り散りになることがないようにパーティを維持するということだ。
そのために俺達は立ち止まるわけにはいかないのだ。
とにかく何かいい案がないか考えることとした。
しかし、いい案とはなかなかに浮かばないものである。
俺達がとりあえずレイを一人にさせておくのも心配だからという理由で、マジックアイテムを使おうとしたときであった。
閃光のような考えが一つだけ浮かんだ。
「この方法ならば、もしかしたらアマタを出し抜けるかもしれない」
そう言って俺はニヤリと笑みを浮かべた。
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