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追放王女レイ

 俺は侍女達のよからぬ話を聞く上で、予想だにせぬことを聞いてしまった。

 侍女たちはこんなことを噂していた。

「それにしても先輩、ここだけの話なんですがあの王女様のことどう思います?」

「レイ王女のことかしら? まあ、正直しょうがないことだとは思うけど」

「ですよね。あんなことをしたら追放も当然ですよね」

 俺は、追放された王女レイがつまり自分たちの知るレイだと気がつくのに一瞬差があった。

 あのレイが追放される……? 正直言って信じられなかった。

 確かに不器用なところや、突拍子もないことをやったりもするがまさか彼女が俺と

同じ追放という罰を受けた身だとは知るよしもなかった。

 俺はなぜ彼女が追放されたのか? その訳が知りたかった。

 その時であった。

 ガチャリという音がした、ドアの開閉音だ。

 つまり誰かが入ってきた、そしてその人物は俺がよく知る人物であった。

 姉さんはそんな悪い人じゃないから。

 その声の主は、アマタであった。

 そうか、彼もこの王都に帰ってきて爺さんから精鋭部隊を貰いに来たというのは聞いていた。

 しかしこんなところで、「出くわす」という言い方が正しいかはわからないが、また相まみえることがあったとは。

 とりあえず、アマタのこの一言で侍女たちのレイに対する誹謗は一旦鳴り止んだ。

「このことはお爺様には報告しないでおくから。とにかく姉さんの悪口は言わないであげて」

「わ、わかりました」

 侍女たちは、アマタの一喝で鳴りをひそめてしまった。

 しかし、事情を知りたい俺からすればアマタの行動は正直ありがた迷惑であった。

 ──まあいい。一度侵入できさえすれば、また聞ける機会もあるだろう。

 そう考えて俺は今夜の宿探しをすることとした。



「偵察ご苦労様です」

 俺達は、女と男で別れて宿をとった。

 今は、偵察の報告をしに一度食堂に全員が集まっているところだ。

 俺は正直この偵察の結果を正直に二人に伝えようか迷った。

 正直得られたものはなかったし、あったとしてもそれはレイの恥となることだ。

 そうなれば、俺の考えは決まっていた。

「いや、何も得られるものなかったよ」

「そうですか……」

 二人は少しガッカリとした様子を浮かべていた。

 それもそのはずだ。結局王都に来て、何も情報を得られず仕舞いでしたではくたびれ損の骨折り儲けだ。

 俺は結局レイが追放された王女であることを二人には明かさなかった。

 それがレイのためでもあるし、何より本命はこれから行くギルド役場での報告だからだ。

 レイがなぜ王都に来たがらなかったのかは、俺の胸の中にとどめておけばいい話だ。

「ほら二人とも身支度しろ。今から行く方が本命なんだからな?」

 俺がそう念押しすると二人は「はーい」と言って、俺の後をついてきた。


 宿もとったことで、身軽になった俺達は悠々とギルド役場へとやってきた。

 ギルド役場の受付嬢に「ダンジョン探索の件できた」と伝えると、一番に通してくれた。

 どうやら彼女たちの、資料探索は終わっていたようであった。

「どうでしたか? 何かいい条件のダンジョンは見つかりましたか?」

 俺はせかせかと受付嬢に詰め寄る。

 その様子におののく受付嬢。

「そんなに焦らなくても大丈夫ですよ」と俺をたしなめた。

 つい成果を求めてしまい焦ってしまうのは、俺の悪い癖だ。

 それを反省しつつ、再び受付嬢に同じことを尋ねた。

 すると受付嬢はコホンと一度咳払いをした後こういい放った。

「お客様の条件に合致する、ミッションですが一件だけございました」

「本当ですか!?」

 どうやら王都まで来た甲斐があったようだ。俺達は、ひとまずそのことを喜んだ。

 しかし王都まで来たにも関わらず、一件しかダンジョン探索に関する依頼がないとは。

 そのことに少しだけ、不安を覚えつつもとりあえずは目の前のミッションに集中することとした。

「それで一体どんなミッションなんでしょうか?」

「えーとですね。お客様がご依頼されたミッションはですね……」

 俺達は硬唾を飲み込んで聞いた。

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