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異空間王子と妖精少女は王子様のスパイ  作者: 幻想桃瑠
◆◆◆――最終章 偽王子を取り戻して幸せな結末を確保せよ!――◆◆◆
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第六十六話 希望の光

「偽王子君!」


 異空間に向かって叫ぶと、偽王子君がケホッと煙を吐いた。


『蜜柑ちゃん~! 俺は無事だよ~!』

「よ、よかった、偽王子君!」


 直後、姉は封印が解けたように復活して姿を現した。そして、グラナート王子の記憶も戻ったので、余弦城は幸せな空気に包まれていた。


 昨日は姉の結婚式に出席したところだ。

 グラナート王子と姉の結婚をみんなが祝っていた。


『いや~、檸檬さん綺麗だったね~!』

「だったね~!」


 私はブーケを貰って、偽王子君とご満悦だ。


 いつも通りにコンビニから帰ろうとしたとき、質屋が目に入った。腕にはザーフィア王子から貰った腕輪がはまっていた。


 この際だから、売ってしまおうと考えた。両親に楽をさせてあげようと考えたのだ。

 自動ドアをくぐって入ると、「いらっしゃいませ」と店員さんが出迎えてくれた。

 質屋の中はブランド品と宝石であふれていた。


「これ、売りたいんですが……」


 私は、腕輪を外して店員さんに見せた。店員さんはルーペを使って鑑定をし始める。


「……ええと、1000円くらいですかね」


 私は質屋の店員さんの言葉に耳を疑った。


「ど、どうしてですか、そんなはずは!?」

「これは宝石というよりただの石ですし、無名の職人が作ったものですから、そんなに高く買い取れないんですよ」


 私は、泣きそうになっていた。異世界の宝石でもこちらではただの石。そして、無名の職人。そんな落とし穴があるなんて。


 段々と腹が立ってきた。


「じゃあ、売りません!」


 私は店員さんから腕輪をひったくって、姉のアパートまで帰って来た。

 両親を楽させてあげられない。

 両親は働いてばかりで、顔もろくに合わせられない。

 姉は異世界で新婚旅行に行ったので会えない。


「でも、偽王子君が居るから、まあ良いか~!」

『どうしたの? 蜜柑ちゃん?』

「ううん。何でもないよ~!」


 そうして、幸せな月日が流れていった。


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