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異空間王子と妖精少女は王子様のスパイ  作者: 幻想桃瑠
◆◆◆――第四章 ザーフィア王子の予言を回避せよ!――◆◆◆
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第四十六話 月湯君のトップシークレット

 私の心配をよそに、月湯君はあっけらかんとして笑った。


「別に? 逃げようと思ったら逃げれたよ。でも、我が主が妙に面白い人でね」

「そう。だから、あっさりと捕まってくれたというわけだよ」


 二人は良い主従関係という雰囲気だ。仲良しこよしだ。

 私はほっと胸を撫で下ろした。


「な、なんだ~。安心した!」

『本当だね~。俺も罪悪感があったからホッとしたよ~』


 偽王子君も、安堵したようで声が脱力していた。


「月湯のお蔭で、予言の競い合いでは負け知らずだからな」


 ザーフィア王子は月湯君の働きぶりに満足げだ。


「そうなんですか~」

「我が主のお役にたてて光栄ですよ」


 予言とは作られたものかもしれない。

 けれど、月湯君も幸せそうなので、ひとまず安心だ。


「月湯」


 ザーフィア王子が月湯君を促した。


「はい、我が主」


 月湯君は返事をした後、私の方を向いてニヤリと笑った。

 サプライズが好きそうな月湯君らしい笑みだ。

 な、なんだろ……? アヤシイ……。


「蜜柑さん、偽王子君、僕が調べたことで面白いことを教えてあげようか?」

「えっ、面白い事?」

『面白い事なら知りたいなぁ!』


 偽王子君は興味津々なご様子だ。

 私も、得になることなら知りたいけれど……。


「実はねぇ――」


 もったいぶるように、月湯君は間を溜めた。

 そして、ヒソヒソ声で話し始めた。


「ここだけの話、アレクシス王子は、妃殿下のご子息ではないんだ」

「え……」

『ええっ!?』


 偽王子君は驚いているが、私は妙にしっくりきていた。

 ライラック王妃のあのアレクシス王子への冷たい態度は、このせいだったんだ。

 さらに月湯君は続けた。


「アレクシス王子は、平民の子だよ」


 私は、脳天に雷が落ちたように衝撃を受けた。

 内容にショックを受けたからではない。

 分からない単語があるからだ……!


「偽王子君、偽王子君……!」

『何かな、蜜柑ちゃん?』


 私は半トリップしたまま、異空間の偽王子君にコソコソと尋ねた。


「平民ってどういう意味?」

『一般人ってことだよ』


「つ、つまり――。アレクシス様のお母様は一般人ってこと――?」

『そういうことになるよね』


「ちょっと待って? 何か変だよ……?」

『アレクシス様が平民ってことは、父親は国王様じゃないってことじゃないかな』

「偽王子君って流石~!」

『いやぁ~。照れるな~』


 ああ、偽王子君ってかわいいなぁ。

 いや、焦点はそこじゃない……!

 私はあまりの事実に、愕然となった。


「じゃあ、アレクシス王子は、王子様じゃなくて一般人!? しかも、国王様ともライラック王妃様とも血の繋がりがない!?」


「そういうことだよ。僕のトップシークレットなんだけどね?」と、月湯君。

「な、なんだって~!? トップシークレットって――!?」

『蜜柑ちゃん、トップシークレットっていうのはね』


 偽王子君が懇切丁寧に説明しているのを私は聴いてなかった。


 そ、そんな秘密を、ひとに教えるな~!


 私は心の中で本音を絶叫していた。

 月湯君とザーフィア王子は、絶句している私を面白そうに眺めて、したり顔で微笑んでいた。


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