第三十一話 妖力草のありか
私は、半トリップを止めて、姉の部屋に引っ込んだ。
「アレクシス様はいろいろ手を尽くしてくれたから、今度は私が頑張らなきゃ!」
『蜜柑ちゃんも俺の為にありがとう……!』
「いいんだよ~! 私と偽王子君の仲じゃないか~!」
『蜜柑ちゃん……!』
偽王子君との友情を深めたところで、私は異空間に手を翳した。
「じゃあ、魔霧ノ森に移動~!」
魔霧ノ森は、湿気た薄暗い森だった。しかも、霧がかかっていて、一寸先も見えない。
サワサワと言う音と、不気味な甲高い鳥の鳴き声が聞こえてくる。
でも、私は姉の部屋からそれを眺めているので平気だ。
『わぁ、薄暗いジャングルって感じだね~』
「だね~」
念じてどんどんと異空間の画面の風景を進ませていく。
「偽王子君。これって地図とか画面に出ないのかな?」
『地図ならたしか、王立図書館で借りた本に載ってたよ』
私は地図のページを開いた。
「あった。偽王子君ありがとう~! お姉ちゃんって方位磁石持ってたかなぁ?」
『でもね、磁場が狂っているから、どっちが北か分からないよ』
「ええっ? だったら、この地図って使い物にならないってこと?」
『う、うん……そうかも……』
「仕方ない。自力で探そう!」
私はやみくもに、地面の雑草を見て回った。
でも、ない! みごとにない!
流石、どこにもないと言われるわけだ。
「妖力草はどこにあるのかなぁ……? 霧がかっているから全くわからないなぁ……」
『思ったんだけどね、蜜柑ちゃん……』
「ん~?」
『最初から蜜柑ちゃんが妖力草の自生している場所に飛べばいいんじゃないかなぁ?』
「あっ……そ、そっか~! 偽王子君って頭良い!」
というか、私が鈍いだけなのかもしれんが。
「では、早速!」
私は、異空間に向かって念じた。すると、スミレのようで黄色の花が咲いた草が一面に自生していた。異世界の本に載っている妖力草の絵のとおりだ。
「あっ、これだよ! これこれ! たくさん生えているよ~!」
『危険かもしれないから、異空間から手だけを出して摘み取った方が良いかもね!』
私は、画面から手を出して沢山摘み取っていった。すぐに姉の部屋に合った花かごがいっぱいになる。
『おお~! いっぱい取れたね!』
「アレクシス様にご報告しにいこう!」
私は、すぐに異空間の画面をアレクシス王子の部屋に切り替えた。




