第二十二話 最大の問題……!?
「そうか! ついに、黒幕が見つかったのだな!」
アレクシス王子は、お手柄だと大喜びしてくれた。
これで、王子様の身辺もしばらくは平和になるだろう。
ローズ第三王妃が黒っぽいことを口にしていたから、まだまだアレクシス王子の気苦労が絶えない日々が続くかもしれないが――。
「アレクシス殿下……!?」
この時間帯はアレクシス王子しかいないはずだった。その部屋から、違う声色が聞こえてきたので、私の口から心臓が飛び出しそうになった。
「あっ、見つかった~!?」
と思ったら、パトリック執事だった。アレクシス王子が唯一信頼している執事だったので、私はひと安心した。でも、下手をするとアレクシス王子に警戒感が集まりそうだから、やはりこの宝玉城で私の存在がバレてはまずいと勝手に想っている。
案の定、アレクシス王子が唯一信頼が置けるというパトリック執事も、私の存在にぶったまげたようで、あんぐりと口を開けて固まっている。
現在、異空間でこちらの異世界に半トリップしている状態だ。そのため、私の上半身が浮いているように見えるのだろう。だから、無理もないことだ。
「パトリックは信用が置けるので、打ち明けてもいいと思ったんだ。なんと言っても、蜜柑のお墨付きだからな」
アレクシス王子が良いと言うんなら良いか……。
「ど、どうも~。妖精の蜜柑です……」
私は、緊張しきって挨拶した。
すると、パトリック執事は警戒感が解けたように頬を綻ばせた。
「これはこれは、可愛らしい……! 妖精とは、アレクシス殿下に素晴らしい味方ができて、私めも嬉しいです……!」
アレクシス王子の味方には私では身分不相応だと思った。素晴らしい味方だというなら、知的な偽王子君の方がふさわしいのに……。
「本当は、異空間に閉じ込められている偽王子君もいるんだけど……異世界側からじゃ、偽王子君は声も出せないから……」
「偽王子か……」
「実は、偽王子君は悩みを抱えているんだけど、私じゃ力になれないし……」
「そのお友達にもお礼を言いたいのだがな……ふーむ?」
アレクシス王子はそのまま考え込んでしまった。
困らせてしまったか。えーと……。
「アレクシス様が喜んだのなら、偽王子君も喜ぶに違いないですよ! 私から伝えておきます!」
「また、蜜柑も遊びに来ると良いぞ?」
「はい! 近いうちにまた参ります!」
そうして、私はアレクシス王子と別れた。
「そういうわけでね、事件は見事解決だよ~! 偽王子君のお蔭だね!」
『いやいや、蜜柑ちゃんが頑張ったからだよ!』
「ご謙遜を~、偽王子君のお蔭だよ~」
『いやぁ~』
偽王子君は照れまくっているようだ。なんだか可愛い異空間だなぁ。
「あのね、偽王子君! アレクシス様のお土産のお料理を頂いてきたから、今夜はごちそうだよ~!」
私はもらってきた包みを開けて、料理を広げた。フランス料理のような異国の料理のオンパレードだ。
『わ~、すごいね~!』
「滅茶苦茶美味しそうだよね~!」
アレクシス王子いわく、料理人フェリックスがお祝いのごちそうを作ってくれたそうだ。そして、今回は毒もなく本当においしかったそうだ。料理人フェリックスも嬉しそうだったそうだ。
「ちゃんと、偽王子君にも食べさせてあげるからね!」
『蜜柑ちゃん……!』
偽王子君と、談笑しながら楽しい食事をした。
他愛のない話で、部屋の中が温かくなった。
事件を解決したことで、気分が高揚している。
「偽王子君が居てくれてよかった!」
『俺も、蜜柑ちゃんが居てくれてよかったって思うよ』
「私も! 私がそのうちに偽王子君の悩み事も解決してあげるからね!」
『蜜柑ちゃん、ありがとう……!』
「へへへ、カンパイ!」
私は、炭酸飲料の入ったグラスを異空間にくっつけて乾杯した。




