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輝け! 女体研究同好会  作者: 鮎太郎
第一章 ようこそ! 女体研究同好会へ
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勇敢なる行動の結果

 健吾がグラビアの前で悩む事三十分。グラビア写真集を手に取る事を決めた健吾だったが、一つだけ気がかりがある。それは、兄弟の存在である。

 健吾がこういった写真集を持っていないのには理由があった。姉と妹は自分の部屋に勝手に忍び込み、こういった類の本を探す事が好きなのだ。その為、友人から借りた写真集が何度も机の上に置かれ、恥ずかしい思いをしたものだ。


 意を決した健吾はとりあえず、中身を確認しようと、しゃがみ込んで写真集を手に取る。

 間近で見るグラビアは、遠くから見たのとではまるで煌びやかさが違う。少女の顔は可愛く整っており、まるで人形のような可愛さがある。それに関わらず、人間味溢れる表情は作り物というイメージは、一切感じない。

 近くで見る胸の谷間も、いい塩梅でボリュームは十分にあるが大きすぎず、掌に収まりそうなサイズはポイントが高い。無駄に大きな胸にあまり興味は無い。大きければいいという人もいるそうだが、自分は適度なサイズが好みだった。


 健吾はこの少女の後姿が写ったグラビアは無いかと、写真集を捲り始める。

 だが、残念な事に複数の少女によるグラビア集だったらしく、この少女が写っているのは、見開きの一ページのみであった。


 しかも、その他のグラビアは質が悪く、本屋に並んでいても買うことは無いだろう。それだけにあの至高の一枚は非常に勿体無い。

 健吾はその一枚の為にグラビア写真集を拾うと、屈んだまま鞄の中に突っ込む。そして、誰も見ていなかったかを確認するために、周囲を見回す。


 すると、今まで立っていたので気付かなかったが、目の前にある植え込みからカメラのレンズのような物が覗いている事に気付いた。

 瞬間、健吾の背筋に寒いものが走る。


 落ち着け、こういう時こそ、落ち着くんだ。昔の偉い人が言っていた、素数は孤独な数字、自分に勇気にを与えてくれる。

 一……?

 一って、素数だったか? 二からじゃなかったか? アレ? どうだったかなぁ……。


 健吾が首をかしげていると、植え込みの向こうから小柄な少年が姿を現す。その少年は何故か頭をさすっている。何処かにぶつけたりしたのだろうか?


「おや、これは偶然ですね。ここで写真撮影をしていたら、落ちていたグラビア写真集を鞄に入れる人出会うなんて、『事実は小説より奇なり』とでもいうのでしょうか」


 妙に芝居がかった喋りをする少年に、健吾はカチンと来た。

 だが、少年が身に着けているブレザーは、学校指定のもので首からかかっているネクタイの色は赤。制服のネクタイの色は学年によって異なっており、緑が一年生、赤が二年生、青が三年生と色で識別できる。自分より幾分も背の低い少年はどうやら先輩のようで、迂闊に手を出す事は躊躇われた。


 丸い大きなメガネをかけており、男とは思えない可愛い顔をしていた。その顔に似合った結構高めの声をしていた為、男物のブレザーを着ていなかったら、少女と間違えていたかもしれない。


「一体何の話をしてるんだ? 先輩。オレはずっとここにいたけど、そんな奴には出会わなかったぜ」


 認めてしまうのも癪だったので、精一杯抵抗してみる。まぁ、無理だとは思うが、気が弱そうだし凄んでやれば引っ込むだろう。


「おや、おかしいですね。その人物は私の目の前にいるというのに、知らないという。これは実に奇怪なことですね」


 先輩は優しく微笑むと、脅すように手に持っていたデジカメを、健吾に見やすいように持ち上げる。

 本当に性質が悪い。脅すつもりなら、最初から用件を口にすればいいものをわざとこちらから言わせようとしている。


 自分の顔を厳ついと自覚しているので、精一杯相手を睨みつけて凄んでみる。以前、不良に絡まれた時にこれで相手を退けた事があった。

 だが、そんな不良より穏やかな少年は一歩も退こうとしない。

 健吾は心の中で舌打ちをすると、口を閉ざしたまま相手の出方を窺う。

 少年も口を開く事もなく、デジカメを弄っていた。お互いに無言の時間が続いたが、不意に少年の方から口を開いた。


「見て下さい。これ、よく撮れているでしょう?」


 少年がデジカメを差し出してきたので、顔を上げるとその画面にはグラビア写真集を手に持ち、えらくいい顔になった自分の姿が写っていた。正面から撮られていたので、どんなページを見ているか分からないが、表紙はバッチリ写っている。


 これでも、クラスで顔は厳ついけど、気さくで頼りになる好青年を目指している。それなのに、こんな写真がバラまれたら、エロ男爵もしくは、グラビア男爵という不名誉な爵位を貰う日が訪れる事だろう。


 しかも、表紙を飾る少女はとても残念な顔つき、体つきであった。

 これではまるで、自分の趣味が悪いみたいで、非常に屈辱的だった。せめて、凝視しているページが写っているなら、全校の男子生徒の理解は得られたかもしれない。


「何が望みだ?」


 心を折られ、抵抗する事も出来なくなって、顔を俯けながら少年に訊ねる。

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