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15_イベントプランニング




 さて。僕と水樹と光海さんは。

 『ウィル・ベルジュ』という喫茶店でアルバイトをしている。

 それで、店長の橋本さんは僕らや別の店員にも。とある特権をくれている。

 それは。


 モーニングメニューはタダで食べられる、という。

 とてもありがたい特権だったりする。

 まあ、その分の経費は僕らの働きと時給の兼ね合いでちゃんと取っていて。赤字にはならないから安心しろと、橋本さんは言ってくれるから安心して利用できるけどね。


 と言うワケで、朝の10時ちょうど。

 夏休み中はその時間に、僕らは三人で店に集まる事にしている。


 特に何という、席を外さなければならない理由が無ければ、の話だけど。


「水樹は何やってんだろ? おっそいなぁ……」


 たっぷりサイズのアイスコーヒー。ガムシロップとコーヒーフレッシュ入り。

 僕はそれを飲み切ってしまって、それでも。まだ朝の集まりに来ていない水樹は電話もしてこないし、メールも送ってこないで。

 一体何やってるんだろう。そう、僕が呟くと。


「そうね……。珍しいわね、こういうのは」


 このあっつい7月下旬なのに、光海さんはコーンスープを飲んでいる。なんかいろいろ、癖があるなこの人の好みは。とか思ったりもする。


「……光海さん、席で待っててください。僕ちょっと、店の前に出て。電話してきますから」


 僕がそう言うと、光海さんは無言でコクッと頷いた。


   * * *


「……なんで出ないんだよ? 水樹。何やってんだろあの子?」


 水樹のスマホは、通話コールを10回受けたところで。自動的に通話呼び出しを切る設定にしている。それで、通話ができる前に切れてしまった。

 仕方がないので、僕は店内にいる光海さんの所に戻ろうと踵を返したら。


「あ、正時! 迎えに出てきてくれてたの? ありがと!!」


 僕の背中に、やっと来た水樹が抱き着いてきた。


「あ、水樹。よかった。ずっと待ってたんだぞ? 僕と光海さんは」

「ごめんごめん。ちょっと用事があったものだから。っていうか、人と会ってた」

「ん? だれと? 部活動の友達とか?」

「んー。ちょっと違うけど。でもまあ、大切な人よ!」

「ふ~ん。まあ、いいや」

「うん! 私の事情だから、あんまり気にしないでおいてね」


 とか言う感じに、言葉を交わすと。

 僕と水樹は店の中に入った。


   * * *


「う~ん。それで、8月頭に持ってくるのね? 海水浴は」


 光海さんがタブレットを開いて、予定を表示と入力できるアプリを立ち上げて。

 僕と水樹に確認を取る。


「そうですね。アルバイトで結構稼がせていただいたので。お金は相当自由に使えるし……」


 僕がそう言うと、隣の席にいる水樹も。

 メロンソーダを飲みながら頷く。


「バカンス水着も買わないとね。ビーチサンダルも必要だし……。砂浜沿いの旅館か民宿に泊まる方が楽しくないかな?」


 親指を顎に当てて考え込む水樹。


「それはいいけど……。親御さんの許可や同意は取れるの? 蔵山さん?」


 うん。高校1年生の水樹や僕。それに、幾ら大人顔負けの知恵があるとはいえ、光海さんも高2だ。保護者の同意や同伴なしで、外泊が出来るわけないし。その点、旅館やら民宿での外泊は諦めるしか無いとか思ってたんだけど……。


「取ってきますけど。ウチの親、経験は大切なモノだって。若い頃の経験はまた更に重要だっていう考え方を持っていますから」


 カラッとそう言う、水樹。

 それに対して、眼鏡をクイッと上げてから。

 頷く光海さん。


「そう。私も親に同意書を書いてもらうわ。正時、あなたの所は同意得られそう?」


 う~ん。聞いてみようかな。ウチの親も、そんなに堅物偏屈でもないし。


「わかりました。僕も親の許可や同意を得てみますよ。バカンスイベントの資金はあるんだし、お金を出してもらうわけで無し。たぶん許可を取れると思います!」


 そう答える僕に、水樹と光海さんがサムズアップを見せて。


「おっけ~!!」


 って言ってきたので、僕もサムズアップして。


「楽しみたいですね、今年の夏!!」


 っていって、三人で笑った。


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