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#21 新しい友達 ☆

今回も新キャラ出ます。

自己紹介も終わり、先生からの学校についての簡単な案内が行われたところで、今日の学校での行事は終了となる。

壁にかけられた時計は、11時頃を差していた。


「それでは、明日からも宜しくお願いしますね」

先生は、教室から去っていった。


「ねぇねぇ、ゆきあくん」

「ひゃい!?」

そんな中で2人のクラスメイトがぼくに声をかけて、歩み寄って来た。

しかも、なんと女子生徒である。


「って、ごめんね。急に下の名前で呼ばれてびっくりしたわよね。あたしは桃川冬華よ。ふゆかって呼んでね!」

そう話しかけてくれたのは、ピンクのサイドテールの女の子で、皆を引っ張っていきそうな感じだ。


「あ、あの…。わたしは夏川夏希っていうの…。わたしのこともなつきでいいよ、ゆきあくん…」

後ろに隠れている子はオレンジ髪のミディアムヘアーの女の子だ。


「そ、それで何のよう…?」

ぼくは自然と一歩ずつ後ろに下がってしまっている。


「ゆきあくん、どうして逃げるの?」

「ふぇ!? そ、そんなんじゃ…」

「ふふっ、逃がさないよー! つかまえたー!」

「ひゃー!?」

「もう、どうして逃げようとしたの?」

「ごめん、ぼく女性が苦手で、初対面の女性と話すのが怖くて…」

ぼくは2人に正直に打ち明けた。


「そうなんだね。事情は分かったよ」

「わたしたちは気にしてないから安心してね」

2人とも、優しくそう言ってくれた。


「う、うん、分かったよ…。ふゆかさん、なつきさん…」

「そんなに緊張しなくて大丈夫よ」

「実はわたしたち、ゆきあくんに聞きたいことがあるの…」

なつきさんがそう言った。


「ゆきあくんって、あの水瀬香織さんの弟よね?」

ふゆかさんがそう聞いてきた。


「うん、そうだけど…」

「やっぱり! わたしの思った通りよ! 名字も同じだし、見た目も似てるからそうなんじゃないかと思ったのよ。いいなぁ、ゆきあくん。あんなに素敵なお姉さんがいて…」

ふゆかさんが嬉々とした表情で、そう言った。


「…ごめんね、ゆきあくん。ふゆかちゃん、ずっと前から水瀬香織さんの…、その、ファン的なものになっちゃってさ。だから、弟のゆきあくんからも色々話が聞きたいんだって。」

「ちょっとなつき!? そういうのは内緒にしてよ!」

「…!? ご、ごめんなさい…」

「あー、なつき大丈夫? 怒鳴っちゃってごめんね」

どうやら2人は香織姉について聞きたいみたいだ。

何だろう…。

2人とも、香織姉のことが好きみたいで、ぼくもそれを聞いて嬉しいんだけど…。

何でこんなにもやっとするんだろう?

でもせっかく尋ねてくれたのに、何も答えないわけにはいかないので、ぼくは香織姉についていろいろ話した。


「香織さんって、やっぱり勉強も運動もできるのね!」

「…本当にすごい人だよね~」

2人は凄い感心している。


「うん、ただちょっと…、というか割と天然なんだよね…」

「えっ、そうなの?」

ふゆかさんが意外そうに聞いてきた。


「この前も、何故か着れなくなった自分の服を着てたことがあって、ぼくに指摘されるまで気付いてなかったみたい」

「そんなことあったんだね~。ちょっと意外だね」

「ゆきあくんも凄い人だね」

「…えっ!?」

それを聞いて分かった。

2人は香織姉のことで褒めてるけど、ぼくは香織姉よりも全然優れていないからそれについてもやっとしちゃってたんだ…。

だけど、2人はぼくのことを凄いって言ったけど、ぼくは思わず大きな声で反論してしまった。


「そ、そんなことないよ!」

『きゃっ!?』

ぼくが突然大声出したことに2人ともびっくりしている。


「ゆ、ゆきあくん?」

「ぼくなんか気弱だし、勉強もそこまで出来ないし、人見知りで友達も全然いないから…香織姉と違って全然凄くなんてないよ…」

ぼくはそういって弁解しようとしたけど…。

あれ、なんか自分で言ってて泣けてきた…。


「だ、大丈夫だよ、ゆきあくん!」

すると、なつきさんがぼくに抱きついてきた。


「えっ!? なつきさん!?」

「ゆきあくんは自分のことを下に見すぎだよ! ゆきあくんは香織さんみたいに凄い人じゃないのかもしれないけど、とても優しくていい子だとわたしは思うよ…」

なつきさんは優しくそう言ってくれた。


「あっ、ごめんなさい…。急に抱きついちゃって…」

なつきさんは慌てて離れた。


「ううん、気にしてないから大丈夫だよ」

「本当? 良かったー…」


「なつきがあたし以外に積極したの珍しいわね。でも、あたしもそう思うわよ。あたしも普段お姉さんらしくしようとしても上手くいかないから、誰にでも苦手の一つや二つあっても問題ないわよ!」

「ふゆかさん…」

2人にそう言われてぼくは、思わず泣いてしまった。


「もうゆきあくんってば泣いちゃってる~。あたしもぎゅってしてあげようか?」

「あ、いやもう大丈夫だから…」

「遠慮しなくていいわよ! いつでもあたしを頼っていいからね!」

「じゃ、じゃあお願い…」

「ありがとうゆきあくん!」

ふゆかさんもぼくのことを優しくぎゅっとしてくれた。


「それに友達なら、あたしたちがいるわよ!」

「えっ?」

「わたしたち、ゆきあくんのこと、もっと知りたいから、その…。友達になってくれませんか?」

どうやら2人ともぼくの友達になってくれるみたい。

それを聞いてぼくはまた泣きそうになってしまったけど、堪えなきゃ…。


「こ、こちらこそよろしくお願いしましゅ!」

…。

また、やっちゃったー!


「あははっ! ゆきあくんってば、また嚙んじゃってるわよ!」

「ふふっ、ごめんねゆきあくん。笑っちゃって」

「うぅ~恥ずかしいよ~(泣)」

ぼくは、また辱しめを受けてしまった。


「そういえば、2人は仲良いけど、幼馴染なの?」

「え~、あたしとなつきは幼稚園からの幼馴染なの。なつきはいつも臆病だけど、優しい子だからね!」

「そうなんだね、ふふっ…」


「あっ、ゆきあくん少し笑った」

「あっ、ごめん笑っちゃって…」

「ううん、ゆきあくんが笑ってくれて安心したから大丈夫だよ」


「なつき、ゆきあくんと平気で話せてるね」

「うん、ゆきあくんとなら大丈夫みたい。ゆきあくん、これからよろしくね…」

「うん、こちらこそ…」

ぼくは、2人のガールフレンドが出来たのだった。




読んでいただきありがとうございます。


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