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予選大会

大会の予選は、先刻の新聞記事のとおり、障害物走であり、各チームのメンバーによるリレー形式をとるらしい。

コースは、学園外にもあり、かなりの距離となっている。

アンカーは、学園内の広場までたどり着かなければならない。


スタートは、草原地帯を走る。第二走者は、湿地。第三走者は森の中を疾走する。

第四走者は、再び湿地帯を走り、最終走者が草原の後、都市内のゴールを目指す。


基本的には、即死級の攻撃以外は、妨害工作あり。

往復のコースになるので、罠を設置する事も認められている。

他のチームとの協力も可能。


魔導リング同士をタッチすると、バトンタッチとなる。

また、不足の事態を考慮して、位置情報も手軽にわかる。

その、魔導リングの発信をもとに、魔導映写装置が各疾走者を探知し、中継映像として放送する。


今日は、五回に分かれて競技を行う、その二番手までのチームが、第二予選へ進む事ができる。今日の三レース目に、俺たちの試合が行われる。


第一走者は、マルコメ君。第二走者はジュラ。第三走者は俺。第四走者はリンヴァーラ。最終走者はブリジット。


第一、第二レースは、既に終わり。絶鬼のチームと、槐のチームが残った。タズルとマラキールのチームは予選通過できなかった。


そして、第三レースが、今始まる。

スタートは、学園正門前。

マルコメ君が、緊張した面持ちでスタートラインに立っている。

スタートの信号とブザーが鳴り響き、選手が一斉にスタートする。

マルコメ君はというと、おもむろに体の横の袋から、ホットドックを取り出す。

ソーセージは、非常に赤く、掛かっているケチャップも非常に赤い色をしていた。


彼は、三口で食べきる。

食べきった後、彼は火を噴くように顔を真っ赤にして、そして走り出す。

到底通常の人間には、出すことができない速度で、疾走しだす。


第一レースは基本的に、直進能力の高い者が多い。

草原を疾走する上では、あくまで速さのみが、勝敗を決する。


何なんだよ。あのホットドック異常だろ。

マルコメ君すごい顔して、超高速で走ってるよ。

絶対食べたくないな……。


マルコメ君は、すでに三位となっている。

ゴールはすぐそこである。


次のジュラさんはと……

どこいるんだ!あいつはっ!

魔導リングの立体映像でも、ジュラらしい姿は見えないが、何かアメンボ型の魔導技工が居るんだけど。


マルコメ君がゴールを三位で抜けるそして、そのアメンボ型の魔導技工に向けて、魔導リングをかざす。


すると人間の腕が出てきて、その魔導リングの色が変色する。

バトンタッチしたようだ。


魔導技工にみえて、魔装だったのか。

そのアメンボ型の魔装は、物凄い速さで歩行する。

湿地帯に差し掛かったが、その速度は変わらない。


しかし、まだ三位のままだ。

他の先頭集団は、飛行により、その湿地を飛び去っていく。

ここまでは、各チーム自分たちの速さによる差が出ているだけだ、しかしそれだけでは障害物競争ではない。


突然、先頭を走るインテリジェンスの三年生を沼の主が襲う。

長い体躯で体当たりを仕掛けてくるそれは、『ボギーワーム』。

インテリジェンスは、三十メートルほど吹き飛ばされている。


『ボギーワーム』十体くらいがひしめく。

飛行能力の魔術では、なかなか巨体な体躯をすり抜けることができない。

二位も下からの攻撃で打ち上げられる。


「どうしようかな?」


ジュラが、呟く。

マナが体中を駆け巡る。

指をキーボードを操作するように動かす。

これが、ジュラの魔術的動作である。


【タイピング・魔導砲『焔』】


アメンボ型の魔装の関節部分が紅く輝く。

魔装の背中から砲身が現れる。


「いくよ」


魔法陣が先端に現れ。

マナの弾丸を撃ち放つ。


『ボギーワーム』への着弾と同時に、炎が燃え上がり。

衝撃波で、地面が波を作る。


凄い攻撃力だな。

しかも、速度を下げる事しない。


進路上のワームのみを始末したら、それ以外は無視してすすむ。

当然、無駄な戦闘を避けて前進する意味もあるが、後続のチームを妨害する為、わざと残しておくのも作戦の内だ。


そうこうしているうちに、俺の出番が回ってきた。

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