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番外編 ソラ 中編

前編後編のつもりが、予想外の量に……。


では、翼が誘拐されたあとの家族の行動。


では、どうぞ!






 俺はすぐに家へと戻り、翼が誘拐されたことを告げた。


 すると父さんは固まって動かなくなった。弟は混乱して泣きそうになりながらおろそろしている。


 そんななか、意外なことに一番冷静に動いたのは母さんだった。

 母さんはすぐに警察へ電話をし、俺から犯人の特徴や車の車種をうまく聞き出した。


 それを警察へ伝えた後、母さんは泣きそうな大地を落ちつかせに行った。



 その間も、父さんは固まったまま。



 「父さん、どうしたんだよ。翼がさらわれたんだぞ?なんで固まってんだよ!」


 しかし、父さんは固まったまま動かない。


 「父さん!」


 「空也」


 大地を落ちつかせた母さんが戻ってきて俺を止めた。


 「だって、こんな父さん……」


 「父さんはね。今力をためてるの」


 「え?」


 「どんな目的で、翼ちゃんを誘拐したのか、まだ分からないわ。だから、もし分かった時、瞬時に最高の行動ができるように力をためているの。今騒いでもエネルギーを無駄に使うだけよ」


 「でも、それでも……」


 「昔ね、空也。お母さんも誘拐されたことがあるのよ」


 「えぇっ!?」

 


 驚く俺に、母さんは茶目っ気たっぷりにウインクした。

 

 「ほら、父さん元時代劇俳優でしょ?現役のころはイケメン俳優としてそれはもうすごい人気だったのよ!」




 この辺はいつもの惚気なので割愛。




 「――それでね、お父さんを盗られて許せないっ!って勘違いした馬鹿ど……女性たちがね、お母さんを誘拐して懲らしめようとしたの」



 今馬鹿どもって聞こえたような……。まぁ、先を聞こう。



 「そしたらね、お父さんが助けに来てくれて、それはもう、気持ちいいほどバッサバッサと敵を切り……倒して、私を救ってくれたの!あの時のお父さん、すごくかっこよかったなぁー。今もかっこいいけどっ!」




 公にできないような物騒な単語が聞こえたようなきがしたが、要するに、何がいいたいのだろう?




 「つまり、心配しなくても、翼ちゃんはお父さんが助けてくれるわ。その実力も、十分にもってる」



 確かに、父さん以上に強い人を俺は知らない。



 「俺が、父さんみたいに強かったら……翼は……」


 「……ね、空也。前にお母さんが言ったこと、覚えてる?」


 「?」


 「翼のこと、守ってねって」



 覚えている。だから俺は強くなろうとしたのに……。



 「守ることは、翼ちゃんの前に出て体を張ることだけ?」


 言葉の意味がわからず、母さんを見上げると、母さんは優しく微笑み、頭を撫でた。


 「頭のいい空也。空があるから、安心して飛べるの。その意味を、よく考えて?」


 母さんの言っていることは相変わらず謎に満ちている。小説家のさがなのか、例えが多くて難しい。



 でも、さっきより心が落ち着いたのだ自分でもわかった。


 「さて、道場のお弟子さんたちに今日は臨時で休みの連絡しないと」



 その時、ハッと思い出した。



 「そうだ、携帯!翼、俺の携帯を持ってる!GPS!」


 「そうね!でも、馬鹿な人じゃないかぎり、携帯を手元に残さないと思うけど……」


 「そうじゃない!携帯普通一つだけ持ってると思うでしょ?だから、俺のを捨てても、翼のなら……」


 「あっ!、確認してみるわ!」



 母さんは携帯を取り出し、いくつか操作をする。すると……。



 「見つけた!ここは……○○町○番地、確か工事中止になったビルがあるところよ!勝正さん!」



 母さんが叫ぶと、父さんはものすごい勢いで走り出した。慌てて後を追うと、ちょうど道場から出てくるところで、腰にはいつも飾ってある真剣が差してあった。


 その顔は、鬼のような形相で思わずひるむと、あっという間に見えなくなってしまった。


 「あっ……」


 「空也!」


 母さんに肩を掴まれ、家に引き戻される。

 

 「でも、母さん」


 「待ってましょう。きっと父さんがつれて帰ってくれるわ」


 俺は母さんの信じきっている瞳を見て、小さく頷いた。


 「それにしても、本当に空也は頭がいいわね。お手柄よ!」


 「……まだ、無事だって分かった訳じゃない」


 「ふふっ、照れてる照れてる」


 ニヤニヤとからかう母さんからの視線を逃れようと顔を背けたら、玄関からこっちを見る弟がニヤニヤしていた。


 顔が真っ赤になるのが分かり、俺はまた何か言われちゃたまらないと、声を上げた。


 「あぁもう!母さん、警察の人に翼の場所、教えなくていいの!?」


 「あら、それもそうね。今連絡するわ」


 母さんはニコニコ笑いながら家の中へと戻って行った。


 俺は息を吐くと星の見える空を見上げた。


 九月がもうすぐ終わろうとしている。





 俺は、なんだかんだ言いながら、信じてたんだ。





 翼が、無事に帰ることを。











最後がシリアスに……。


次回も前半シリアス。


今日中に更新したいと……思います。はい。



翼のマイペースさは母と父を足してさらにひどいことになりました。

前世の記憶もあるので、動じません。

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