表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王女の独り言  作者: Spark
17/22

第17話 仮面を外してはダメ

 お姉様が体育会系で本当にラッキーだったわ。

それにしてもセバスチャン、あんたどうして馬車の中にいるのよ。お姉様の隣りに行きなさいよ。私はちょっと一眠りするから。

寝られたら困る?なぜ?殴りたくなる?それはあなたのさじ加減でどうにでもなるのではなくて?

もういいわよ、起きてるわよ。


わわわゎ!急に馬車が揺れだしたわ!きゃあ!!お姉様!一体何事なの?

砂利道だから仕方がないでしょうってそれもそうね。ってちょっと速度落とせばいいのに!

急いでいるのだからダメだ?遅刻はイヤなの!?誰もお姉様が遅刻したからといって冷ややかな目で見ないわよ!

それに少し遅れた方が皆様の注目を浴びるのではなくて?あっあの美しい女性は誰だ?みたいな。

セバスチャン!あんた顔を手で覆ってどうしたの?

ありえねぇ?あんた道路に蹴り飛ばすわよ?



あっほら見えてきたわ!あの豪華なお屋敷がパラリ家よ!

ああうちのお城がとても小さく感じてしまうほどよ。でもあのお城にはメイドが一人としていないのよね。ある意味感心するわ。


あら?ちょっと止まってお姉様!


メリリ!あなたどうしたの?なぜ歩いているの?

パーティに出すキノコを全て使ってしまったから、買いに行っていた?あなたが?

お父様は健康の為に歩いて行けと言った?お父様は一体あなたを何に育て上げようとしているの?


もう少しでパーティが始まるわよ?歩いていたら間に合わないわ。さぁ馬車に乗って。


セバスチャン!気ぃ効かせろや!降りな!


いいのよメリリあなたは何も気にしなくていいの。セバスチャンは歩いて行かせるから。だって今夜のパーティはあなたが主役でしょう?その主役が遅れたのではパーティに支障をきたすわ。さぁ乗って。


お姉様!全速力でお願い!セバスチャン!あんた走って来なさいよ!



本当に来てくれたのですねって、ええもちろんよ。だって約束したじゃない、あなたのお父上とお話をさせていただくわ。そしてあなたの気持ちをちゃんと伝えるのよ。大丈夫よ、私に任せて。


ってどらぁ!馬車がドリフトしたわ!お姉様!もうちょっと優しく運転してくださいな!



 

 思ったより早く着いたわ。さぁメリリ、お父様の所へご案内をしていただいてもよろしくて?

あっお姉様、ちょっとどこへ行くの?パーティ会場?ああそうね。それじゃあ先に行っていてくださるかしら?わたくしは私用で後から行きますから。ええそれじゃあ。あっ仮面をお召しになって。



さてメリリ、あら?メリリ?メリリ!?

いないわ、さっきまで隣りにいたのに。一体どこへ・・・。

あぁいたいた。あら隣りの殿方は?彼とお付き合いしている?あぁそうなんですの?


お初にお目にかかりますわ、わたくし、ランラン家の次女、マリリアント・クォリンガルル・ランランです。

・・・なぜ無言?

マリーとお呼びください。

あぁはじめましてって、絶対名前が長くて覚えられなかったのね。


あなた様は、パシカル・ソラル・ペリーゼ様?・・・ペリーゼ・・・!?

あなた、ペリーゼ家と親戚なんですの?

お父様同士がご兄弟・・・ではクァイル・ズンドル・ペリーゼをご存じですか?

あっ今すっごく嫌な顔を見せたわ。あの女、親戚にまで嫌われているのね。少し同情するわ。


そうなの、あなたがメリリと・・・。今日はすいませんって、いいのよ。私が勝手に言い出したのだから。


そういえば、あなた勝手にお見合いをさせられるって言っていたけれど、その方は今日ここに来られるのかしら?

来ます?そう、それじゃあメリリ。あなたはパシカル様から離れてはダメよ。私に任せて。

お願いしますって、任せてちょうだい。


そうそうパシカル様、言い忘れていたけれど、今日このパーティにクァイルも参加するはずよ。

仮面は絶対に外してはダメ、これだけは覚えておいて。


あら、パシカル様の手がおもくそ震えているわ。武者震いかしら?



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ