三話 広がる謎
初めまして。作者です。
今回、初めて小説を投稿します。
この物語は、十五年前に起きた未解決事件を、二人の女性刑事が再び追うミステリーです。
何気ない日常の中に散りばめられた小さな違和感が、少しずつ事件の真相へとつながっていきます。
ぜひ、登場人物たちと一緒に謎を推理しながら読んでみてください。
「雫、なんか昨日見つけた場所と、資料が置いてある場所が違うくない?」
「あー、それなら昨日私たちが帰った後に、他の人たちが倉庫に来て資料探してたらしいからそれでちょっと変わっちゃったんじゃない?」
そうなのかと私は納得して、資料を見始めた。現場ではまず18歳の男性高橋直斗が何者かに刃物を刺され亡くなっていた。それは1箇所だけでなく、複数箇所を何度も刺すという明らかに何か因縁があるような感じだったと書かれている。
「こんなに刺されるなんて、高橋くんは相当恨みを買ってたんだろうね」
「そうだね雫、場所はどこって書かれてる?」「ええっと、大阪市の路地裏だったらしい」路地裏となると監視カメラはほとんどないだろう。「雫、いったん周辺に監視カメラがどのくらいありそうか調べてほしい」
「おっけー、まかせて」そう言うと雫は慣れた手つきでパソコンを操作する。そういえば雫は機械に強いんだったと、久しぶりに思い出す。
「どう、何個くらいある?」
「んー、周囲にはざっと4個だね」やはり予想していた通りの返答だ。
「お店も周りにはぜんぜんないっぽい」
しかも犯行時刻は死亡解剖の結果から、2時45分とされている。「こんな夜中だと目撃情報も全然なさそうだね」
雫の言うとおりだ。
「とりあえず、容疑者についての情報を見てみよ」
「そうだね奏、その資料とってくるよ」
そう言ってまた分厚い資料を雫は持ってきた。初めに載っていたのは当時20歳の相川という人物だった。
「私はその時間は家で寝ていました一人暮らしなので証明をする人はいません」と書かれている。なぜ容疑者に名が上がったのかと思い動機のところを見てみた。
「高橋直斗とこの人付き合ってたらしいよ」
「けど関係が悪化して破局ってことね」
「しかも奏これ見て、何度も家に行ってもう一度交際を要求してたらしいよ、めちゃくちゃ動機があるねこの人」
雫の言う通り疑う余地は十二分にある容疑者だ。「しかもこれ、事件当日の一週間前に刃物を買う姿が監視カメラで映ってるって。」初っ端から怪しさ満点だ。
ただしこの刃物は普通に家の包丁を変えるために購入したらしい。
「見て、これがその購入した包丁らしい」そう言いながら雫は写真を見せてくれた。
「一応いつでも見返せるように私写真撮っとくよ」こういうのは念には念をだ。
証拠に前日元から使っていた包丁を捨てていた事が確認されている。ただし不可解な点として元々買った包丁は次の日に不良品だったらしく、捨てたと書かれていた。明らかに証拠隠蔽を図ったように感じてしまう
「奏この人が1番怪しいと思うんだけど」雫は言う。
「まだわかんないでしょ。すぐに犯人って決めつけるのは冤罪を生む原因よ。」冤罪を生むのだけは避けなければならない。
もっと読み進めてみると彼女が犯人とならなかった理由は、単純に決定的な証拠が不足していたようだ。たしかに逮捕までは持ち込めない情報量ではある。
「この人監視カメラに映ってなかったのかな?」「ここに書いてないってことはきっとそうゆうことだろうね。これじゃあ犯人とは絞れないね」
また女性が成人男性をそう簡単に殺せるのか、という疑問も残った。
次に載っていたのはあの殺されてしまった永山だ。
「雫、事情聴取ではなんて言ったって書いてる?」
「えーっと永山は『俺が殺したが殺してない』」
「え?」
私たち二人とも咄嗟に声が出てしまった。
「ねえ雫はこれどういう意味だと思う」
「正直言って全くわかんない。けどもしほんとに犯人だったときにこんなこと言うかな?」
雫の言う通りわざわざ犯人でこんな発言をするのには違和感がある。なにか裏があるのは間違いなさそうだ。
「ちなみにどうして永山は容疑者として挙がったのかな?」たしかにと私も思い見てみた。
「監視カメラに映ってたらしいね」
「ジュースを買いに行ってたって永山は述べてたのか。こんな時間にジュースって怪しいね」
しかし私はここでふと疑問に感じた。「この付近って店がちょっとしかないって雫言ったよね?」「そうだね」
「ならコンビニに行ってるところを撮られたからってなんで容疑者になってるの?」
この付近にコンビニはない。ならそれだけで普通容疑者にはならない気がした。
「たしかに、それは奏の言う通りだね、もうちょっと詳しく見てみよ」
するとそれに関して納得できることが書かれていた。
「永山くんは、コンビニにジュースを買うついでに付近を散歩してたのか」
「わざわざ付近を散歩してたとなると怪しく見えてくるね」もちろんその姿が数少ない監視カメラに映り込んでいたようだ。それが大きな証拠として働いたらしい。
「けどここに書いてるけど永山くんには高橋くんを殺す動機がないよね」
「そうだね、さすがに何もなしに人を殺すようなことは永山はしないよ」
それに関しては私も同感であった。
「ひとまず永山くんについての情報はこんなもんかな、一応私たちでも監視カメラの映像を見ておこうよ」
「そうしよっか!何か新しいことに気づけるかもだし」
私たちは当時の監視カメラの映像のUSBをパソコンに入れ、その映像を流す。




