エピローグ 哀しみの少年王ソリシア
「父上、リュース公ヴェントレ、君のお陰で…有難う」
涙ぐみ、震える少年の手で父親アジェンダ王の切り落とされた首を抱き締めるソリシア王子、いや、王
「我が弟でもあるフェルナンドに頼み、ようやく取り戻しました」リュース公ヴェントレ
「投石機で投げ返されたけど、綺麗な形だ、丁寧に包んでくれたらしい」
「身体もどうにか取りした」
「父アジェンダ王は、あの戦で…身体を地面から岩の槍に貫かれ、首を白の宗主フェルナンドに落とされた…僕の目の前で、退却するしかなかった」
「サリューンも谷底に、行方不明だ」
「サリューンをお嫁さんに下さいって言ったら、父上は笑っていたよ」
「綺麗で、口は悪いけど料理上手なサリューン」
「優しいアジェンダお父様」
「父上も母上も、サリューンも居ない」
「ソリシア様」
「あの宝石のような赤い火焔の瞳の持ち主は二人とも居ない」
「予言では、次に出現するのは、数百年後だ」
「…葬送の儀式、葬送の儀の準備をしなくては
戴冠式が済んだら、今度は白の宗主フェルナンドとの戦いだ」静かに哀しみの中で少年の王は呟く。
絶え間なく続く戦乱
この後、数百年続く、戦乱の時代
最後の赤い瞳の黒の王アーシュランと黒の王女ティンタル姫の犠牲まで…続く戦乱の時代
最後の白の宗主リアンとリュース女公アルティシア姫の時代
最後の白の宗主となるリアンが
黒の王アーシュランと白の姫エイルの子供を養子として
二つの王国を一つに、安寧の時代まで
それまではまだは遠い…。
◇ ◇ ◇
裏で戦乱を引き起こし、数千年生きる者
白の宗主シューツオンを狂わして
アジェンダ王の母、水の女王エルテアと
前の白の宗主ウィリアムを暗殺した者は笑う
fin




