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43 鬼塚
43 鬼塚
鬼の首は、村はずれの寂しい場所に埋められた。その怨念を鎮めるため、村人たちは小さな塚を築いた。
いつしかそれは鬼塚と呼ばれるようになった。
鬼ヶ島の鬼共は改心したらしく、もう二度と村を襲うことはなかった。村には平和が戻り、やがて、桃太郎と花江の間には元気な赤ん坊が生まれた。お爺さんとお婆さんは孫の顔を見てから数年後、相前後して天寿を全うした。
桃太郎の子孫は代々、村の有力者として続いた。
幾星霜を経て、桃太郎の鬼退治の話は伝承と化した。
長い歳月の間に、世の中も目まぐるしく移り変わった。やがて、鬼塚を祀る人も途絶え、もはやそれは世間から忘れ去られた存在になってしまった。しかし、今でもその地面の下には、鬼の頭蓋骨が朽ち果てずに残っているはずだった。その頭蓋骨には二本の大きな角が生えていて、桃太郎がつけた刀傷が刻まれているはずだった。<完>




