50 Side.アリス 3
テレスをティータイムに誘おうと、玉座の間へと訪れる。
何時も通りならこの時間帯はここにいるはずだけれど…。
「テレス?いるかしら」
そうやって扉越しに声を投げかけると──。
「お姉さま?ちょっと待っててねー」
そういった返事が聞こえてくる。
私は言われた通り扉の前で待つ…。
すると数秒足らずで扉が開き──
「お姉さまもおいでー」
「えっちょっ」
そういってテレスに強引に部屋に引きずり込まれる…。
部屋に入ってみれば、テレスの他にも何時もの顔触れが一部を除いて揃っていた…。
どうやらここで皆で茶を飲むようだ…。
普段はないはずの机と椅子のセットが玉座の間中央に設置されている…。
「いらっしゃ~い、アリス~」
「…珍しい…、ね…」
「引きずり込まれただけよ…」
「淫乱ピンクがいなければお姉さまもダイジョブでしょ」
『あいつは暫く…、仕事にかかりっきりになるからな…』
グーロを膝に乗せたまま、クレスが玉座で紅茶を啜っている…。
しかしまぁ、エクスタシスがいないなら落ち着いて飲めるでしょう…。
「それで、一体なんの用なの? クレス」
『一ヶ月後に次の仕事だ…。 アグニルとフィロンの三人で…、現地まで行ってもらう…』
アグニルとフィロンの三人でとは…。
つまりそれは──
「厄介事があるってわけね…」
『話が早くて助かるよ…』
あの二人と一緒で仕事に赴いて、厄介事が無かったことはない…。
まぁ面倒なだけであって、大変な仕事だったことはないのだけれど…。
「お姉さまと一緒じゃないのって久しぶりな気がするなー」
「以前は~、大陸一つを根絶やしにする面倒な作業だったね~」
「手間ばかりかかる作業だったわね…、アレは…」
『……』
何やらクレスが言い辛そうな雰囲気だ…。
つまり以前の奴よりも更に面倒な仕事だということか…。
全く…、心配性なのは変わらないわね…。
「まぁ何時も通りやるだけよ…」
『すまない…』
「謝罪禁止! 私達全員、あんたに好きで付いて行くって決めてるんだから一々気にしないの!」
「そーそー」
「…何処までも…、付いて行く…」
「造物主様に造られた身としては~、使い捨てにしていただいても構わないんだけどね~」
『それはしない…、できない…。 感情を殆ど失っているとは言っても…、全くない訳じゃない…。 お前達を見捨てるような真似はできない…』
普段より感情が表に出ている感じがする…。
つまりさっきまでもう一人のクレスと会話していたのか…。
「安心して、クレス。 例え何を敵に回したとしても…、私達は貴方と共に行くと決めてるんだから…」




