1 原初の記憶
初めての投稿ってかなり緊張しますね…。
──────遠い過去。
生命が誕生するよりも、ずっと以前の事。
どれほど昔のことか、理解できぬほどに、遠い遠い昔の出来事。
其処には、何も無かった。
何も見えないほどの闇が、唯其処に広がっていた。
その虚無の空間で、其れは唐突に生まれた。
今でこそ宇宙と言われる其れが、ある時、何の前触れもなく誕生したのだ。
其れは光を超えた速度で、瞬く間に広がっていく。
唐突に生まれた闇が、闇を侵食するように広がっていく。
闇と闇を区別する間もなく、どんどんどんどん広がっていく。
既にどれほどの規模かも知覚できぬほどに拡大し続けていたその時、唐突に闇が白く染まった。
何の前触れもなく発生した白く眩い閃光は、音も無く、衝撃も無く、無数の光点として、闇のあらゆる場所に収束した。
それぞれ異なる性質を持つ球体として…。
こうして闇の空間に、数多の光の点が生まれた。
原初の宇宙が誕生した、遠い昔の奇跡の出来事──────
虚無より始まったこの一連の出来事を知る者はいない。
これから綴られる物語は、そうして誕生した原初の宇宙において、初めて生命体が出現した惑星での物語。
原初の宇宙の原初の惑星に誕生した、原初の覇王を中心に巻き起こる数々の出来事を、此処に記そう。
最初なので短いですが、読んでくれてありがとうございます。
※用語解説:原初の宇宙
無数に存在する宇宙の基であり、全ての起源となる最も古い宇宙。
原初の宇宙に在って他の宇宙に無いものは数多くあるが、他の宇宙に在って原初の宇宙に無いものは存在しない。