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私は精霊ではありませんよ   作者: lassh-leyline
第三章  小さな大賢者(小賢者)
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第十三話  奇跡の代償(心に残る物)

第十三話  奇跡の代償(心に残る物)


 とりあえず二人とも気絶しています。

 扉は仮止めして覗けないようにしておきました。さっきまた筋肉男を蹴り出しておきました。


 今のうちにナナさんの服を用意してきます。

 お金は迷宮に入る前にシンディーさんに頂いていたのですが、数日前からはシンディーさんの友達って方からもっと沢山頂いてます。

 なんでも商売に成功してその分お返しだそうです。二人には内緒だって言ってました。黙ってお金を借りたのでお詫びだとか・・・結局その方の洋服店ですべてそろえました。サイズもちょうどいいのがありました。あとでみんなのドレスを持ってお詫びに来るそうです。

 このお店とてもかわいくておいてある服も個性的な物から基本的な物大人から子供、種族も超えて対応しているすごいところです。

 ただナナさんの服だと言ったのに小さめの少女っぽい服ばかり持ってきたのは何故でしょう?ナナさんて素敵な大人の女性ですよね。

 彼女たちも首をかしげつつ指定したサイズの服を出してもらいました。


 ついでにみんなのもと思いましたが好みが分からないので今回はこれだけで。・・・帰ろうとしたら呼び止められました。


 道中知り合いの子が皆呼び止めます中には知らないおばさんや危なそうなおじさんも・・・まあ宣伝用に着せられた服はかわいくて自分じゃ無いくらい素敵に見えます。

 ついでに渡されたバンダナ風の頭飾りのおかげで角がめだたなくなってそっちの心配は無くなりましたが、うう、目を引きすぎです。

 いつのまにか一つ上のクラスの男子の保健委員数名が荷物持ちをしてくれていました。まあ護衛もかねてならいいでしょう。


 途中であったシルビーさんはなんか酷く落ち込んでいて私が挨拶しても寂しそうに返しただけで、通り過ぎていきました。何時もならかわいいかわいいとほおずりしてくるはずなのに・・・心配事が増えました。


 部屋に帰ってくるとちょうどナナさんが目覚めたようでシーツを頭から被ってぼそぼそと二人に話しかけていました。


「シンディーのことだから体調が戻り次第二人にもあの魔法を掛けようとするだろうけど、覚悟が無いならやめておいた方がいい。」

「え?」「そういうことですか。」「何?どういうこと?元に戻れるんだよ?」

「私はちょっと怒っています、いきなりでしたし、シンディーにかなり無理をさせてしまったこともですが、私の体には幾つか仕掛けがしてあって、成長を止める物、髪や体質を変える物、毒や病気を防ぐ物そして命を継ぎ止める物などがあったのですがすべて無くなってしまいました。」


 それじゃあ、あんな大けがでも生きていたのはその仕掛けのおかげ?

「それに心の平穏や気がおかしくならないようにする為の働きがあったのよ。おかげで今は自分の姿を見るのも怖くてこんな格好で震えているわけ。まだ前の方がよかったくらい。ぐす、ううう・・・」


なんだか大人の女性ってイメージが崩れていきます。


「つまり、もしこの傷が治ったとしたら自分を保てなくなるってことですね。」

「・・・ええ、ずぅ・・・あなたたちは、心にも大きな傷が残っているはず、ぐす・・体の傷が治っても心の傷によってもっと辛い状態になり得ます。こほっ・・・」

「え、どういうことボクにも分かるように言ってよ!」

「あなたの場合いま火の扱いについては無敵よね?」

「うんそれだけは自身あるよ!」

「でもそれは炎によって体に刻み込まれたその傷のおかげでもあるの。」

「あ、・・・」

「つまり、その傷が無くなっちゃったら、魔法はおろかみんな一緒に居たいと思っていた気持ちまで消えちゃうかもしれないってこと。」

「もともと私達は同じ境遇だから身を寄せ合っていたわけだけどもうその必要すら無くなってしまう。それでもシンディーはあなたたちに普通の体になって欲しいと思っている。自分の力で生きていけるようになって欲しいと思ってる。たとえそのために自分がどんな代償を払おうとも。」


「巫女様がそれを望むなら私はそのために協力します。たとえ一緒に居られなくても皆さん巫女様の友達ですよね。」

「「「もちろん、ユークを含めてね。」だよ。」です。」

「ありがとうございます。そのためにはまずナナさん出てきて服を着てください。今は目覚めるのを待ちましょう。その上で巫女様を交えて話し合いましょう。」

「うん・・・」

 おそるおそるという感じで顔をのぞかせるナナ、買ってきた服を見て、

「村の方の作った服ですね。フフ、これも私がみんなに教えてあげたんですよ。かわいい。うわ、こんなとこまで作り込んであるの?いやすごいすごいかわいいー。」

 歓声を上げながらいろいろ見ながらいろいろ試していた。まるで少女のような表情。か、かわいい。なんか人が変わってる?

 アスカさんがちょっと引き気味でぼそっと零す。

「ナナさん感情に振り回されてるみたい。」

 なるほど今は箍が外れている状態なんですね。落ち着くまでもうしばらくかかりそうですね。


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