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私は精霊ではありませんよ   作者: lassh-leyline
第三章  小さな大賢者(小賢者)
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第六話   養生(新たな僕たち)

第六話   養生(新たな僕たち)


 気がつくとナナと同じベットで寝ていました。包帯を換えるとき以外はずっと抱いて寝ていたそうです。

 手伝いに来た人たちは殆ど役にたたなかったそうです。


 学園の救護係はそれなりの訓練や治療に関しての知識でいろんな意味で優秀ですが経験が明らかにたりません。

 実際に重症患者に接することが無いため心がついて行ってません。恐怖心に負けて何も出来ないでいます。


 特にナナの外見、次に重傷度の高いアスカに至っては近寄るのも嫌って殺気立っています。

 感情を抑えられるエミリーがいてくれなかったら逃げ去っていたでしょう。

 見かねたアンジェリカ導師が従軍経験のある教授に指導を求めなんとか形だけでも整いました。


 それでも限界近く、あわやというところで私が目覚めました。 

 そんなに長かったのですか?

 五日?・・・道理で私もおしめです。食事の方はアスカとエミリーがナナと一緒にしてくれたそうです。

 細かいことは三人が魔法で何とかしてきたみたいで以前より腕が上がってますね。


 さっそく貯まった洗濯物をと思って立とうとしたら転んでしまいました。世界が斜め上を向いています。

 目が覚めましたが体はまだ寝ているようですね。

 

 む、あなた誰ですか何ナナさんに触ってるんですか?ナナさんには私が着いていれば良いんです。・・・どうして体に力が・・・


 必死にナナさんの包帯と格闘している看護係の下っ端その一。私の殺意の視線も気付いてないっぽいです。ち、ぐずが!

 どうせ押しつけられたんでしょうが、何でそこから巻くんですか?すでに別の所はまともにできていたでしょうに。


「ちょっとあなた、そこでは無くて腰の方から巻くんです。そう、であと三回巻いたら折り返して左は十センチだけ残して左から五回巻いて、そっちの下っ端二!消毒液の量が濃すぎます、かぶれの原因になりますから正確に計りなさい!そこで突っ立ってるNo.3そこのカーテン開けて、部屋が暗すぎです。エミリーちょっとアスカのほうをって、なににやついてるの?どうせ他の人には無理でしょう?

そちらの委員長とその隣の人、シーツで囲ってついたてにして早く。で、そっちの半獣の子、一緒に手伝ったげて。替えのおむつと服持って中に。ほら落ち着いてやれば出来るじゃ無い。アスカのつぎはエミリーをお願い。」


『ありがとう。こっちは良いからシンディ-の方をお願いします。過労による発熱とストレスから来る躁状態だ。みなも少しうるさいかもしれないが辛抱してやってくれ。シンデイー、ここはいつもの診療所じゃ無いんだから落ち着きなさい。彼女らも看護師では無いのだから優しく接するように。。』

「はい、先生・・じゃなかった。ごめんなさいナナ。みなさん余計な口をきいて申し訳ありません。」

(「全くだ田舎者と獣が何指図してるの?こっちはお情けで見てやってるのに。」「ふん。」)こそこそ言うな。

気に入らないならとっとと、どっかいっちゃえ。


 不平分子ににらみをきかしてから委員長(たぶん)が聞いてくる。

「貴方、結構手慣れているのね。もしかして看護の勉強とかしたことがあるの?」

 なんだか面倒事臭がしますここはごまかして・・・

『この子は村で開設した産科を兼ねた施療院で私の補佐をしてもらってたんだけどね。』

 ちょと何ばらしてるの!ナナさん。みなさんの目は輝いてきましたよ?

 おむつ替えのついでに体を拭いていた下一の子の顔つきが変わってますよ。

「ちょっとナナあんまり言いふらさないでよ。」

『そうか?すでに三十人以上自分で取り上げてるんだから十分誇れるぞ。』

「でもそれはナナさんが急患や手術で手が離せなかったからじゃ無いですか。それに殆どみなさん自力で分娩できましたし。」

 すでに爆弾はおちています。否定派は逆に嘘っぽく聞こえてしまったかも。ただし肯定派はかぶり付きでした。

 理論だけのにわか看護師にプロとして生きた知識をとこわれ仕方なしにQ&Aコーナーとなりました。

 おかげで確信を持って受け入れられることに・・・・ついでに保健委員会の名誉会員という肩書きまでいただきました。

 あとがめんどくさそう。ついでにナナさんも医療顧問と言うことに。今度はエミリーとアスカが引き気味に。

 別に隠してなかったと思うんだけどな・・・




 保健委員ズが引き上げたあとでアンジェリカ導師がやってきました。

「みんなすまん!」

 開口一番、私達に頭を下げる。

「何があったんですか?」

「実は他の導師連中が実物を見んことには納得できないって、魔道師認定を却下されちゃった。さらに座学にも来ない奴には単位をやらんて、・・・」

「つまりは座学にちゃんとでて実技もこなせって言うこと?」

「せめて教授と同門の者とぐらいには挨拶をしろと。」

『私達が授業に出ると授業妨害になるが、それでも良いと?』

 悔しそうな顔で、

「お前たちを晒し者にして意思を挫くのが目的だと思う。賢者になれなかった者も多い。あわよくばここを追い出す気だろう。」



 ・・・・今朝賢者の説明を受けました。


 この学園では一般常識以上の知識と一定以上の実力を持った魔法使いを魔道師として認定しています。


 そのうえで呪文の暗記では無く魔道理論を元に独自の魔法を組み行使できる者を賢者として認定されている。


 そして賢者に課せられたいくつかの規制。


 その一つが理論の流出の防止。ただの魔法使いでも理論が理解できただけで賢者と同等の魔法を行使できるようになる。

 目の前にサンプルがいます。魔法使いどころか一般人同然でした。

 現状の魔法使いの需要と供給を崩すだけで無く、要は魔法という強力な武器を持つ人を大量生産するということでもある。その危険性も学習すること無く・・・


 二つめ、志を持つこと、何か一つ以上目標を持って行動すること。全ての発展の原動力であり賢者と呼ばれる者たちの最優先事項である。これにはなんの制約も規制も無く本人が思い決めたことなら何でもいい。たとえそれが全ての人間を滅ぼすことであっても・・・


 三つめ、心の支えを二つ以上持つこと。命より大切と思えることを持つことにより冷静に判断が要求される場面で有効であり、危険な一線を見極める決め手となる。


 そして実際私達はアンジェリカさんの前でさらけ出してしまった。一言、ごちそうさま、だそうです。


 なので資格は十分。



 あとは一般常識の方だけなんだけどこればっかりはこの短時間だけでは判断できないからと、もうしばらくは学園暮らしになるそうだ。



 次にいくつかの特典があり、この学園にある迷宮図書館、この世界の全てあるといわれる次元を超えたところにある図書館。ここの閲覧権利。

 私の最も欲しかったもの。

 学園内での諸費用の免除。食費や寮費、学費、教材費もなく、滞在に掛かる全ての費用が補填される。

 こっちはエミリーが気にしていたらよかったかも。


 私とナナそれにエミリーは村のひいてはナナさんのお金で暮らしています。全て必要経費です。それ以外のはあとで使用者に請求です。せいぜい無駄使いすると良いです。





 少なくとも特典に関してはきちんと授業を受けていれば有効ですが次の認定試験(年度末)での結果でうまくいけば賢者認定をもらえるが思わしくなければ留年もあり得るそうです。




 とりあえず私が元気になるまで猶予がもらえました。

新たな親衛隊誕生か?


彼女たちは協力者集団となってくれるでしょう

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