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私は精霊ではありませんよ   作者: lassh-leyline
第三章  小さな大賢者(小賢者)
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第二話   日常(地獄の日々)

まずは最初の一週目


第二話   日常(地獄の日々)


 最初のうちはまさに地獄でした。

 動けないナナの介抱。正気を取り戻してしまったナナは時折恐怖とストレスによる発作を起こしそのたびに暴れるので傷口が開き沢山の血や膿、その他諸々・・・これ以上は・・・

 あの綺麗でかわいかった口も今は見る影も無く。唇も歯も無くてあごも砕けて爛れた赤黒い穴(口の中)にちぎれて無くなった舌の跡が見えるだけ。回復魔法で傷口を塞ぐだけしか出来ないのを逆手に好き勝手なことをされたのでしょう。

 口だけでもこんな状態ですから他の部分は・・・もう世界が変わってしまいました。人間て生き物が信じられなくなりました。

 同郷の子たちも一目見て悲鳴を上げたり逃げ出したり、中には気絶した子も。

 そのあとも手伝いを申し出る子も居たけど、その怯え方を見ただけでこれ以上関わるのは精神的にやばそうなので丁寧にお断りしました。

 せめて買い出しや必要な物の調達だけでもと言うので調達係をお願いしました。

 ・・・私一人で何とか出来るとは最初から思っていませんでしたが。

 すぐにナナのお金を勝手に使い出したのは分かりました。

 知らないふりをして他の人に変わってもらおうかと言えば慌てて取り繕います。所詮人間なんてこんな物。

 おかげで結構無茶な注文も聞いてくれるようになりました。

 この落とし前は改めて着けさせてもらいます。




 幸いだったのは担任の魔道師、アンジェリカさんがハンスさんの知り合いで、事情を聞いて同室の四人とも自室での自習の許可を出してもらえたことです。

 本来なら午前の授業の座学と午後の実技の魔法実習を受けなければいけないのですが、週末に口答と実技の試験をすることで免除となりました。

 ただしある程度以上の成果が出ないときは取りやめて正規の形にするそうで、それでも両立できなければ放校処分もあり得るそうです。

 一度様子を見に来られたときは毅然としていらっしゃったのに、お帰りの時は同情と正視に耐えられ無い状況に酷く打ちのめされていました。

 週末に部屋の訪れるときも少し怯えて居るみたいでした。


 同室の二人も動けるだけでまだ何か出来る様子ではありません。二人ともおなかに関してはナナと同レベルの傷をおっています。

 とりあえず動ける私が教科書片手にみんなのお世話をします。

 そのうち翼人のアスカが座学部分の教科を担当、獣人のエミリーが魔法実技の担当で重点的に調べて教え合うことになりました。

 私はナナの通訳と資料の運搬係です。まず最初に肉体強化系の魔法を習得しました運搬速度が上がりました。



 ナナとは体の一部を動かすことでコミュニケーションが取れるようになりました。以前短音での意思疎通の方法を教わったのが役に立ちました。

 本当を言うとまだ動かせるところがあったのが驚きです。あ、発作の時は動いていたっけ。


 ナナの食事は私がかみ砕いて口移しで少しづつ注いでいきます。飲み込む力も弱っていますので時間を掛けて・・・


 二人が不思議そうに私達を見ています。

「いくら同郷でなかがよかったとしてもここまでは出来ないよ?」とエミリー。

「ですわね。まるで恋人か親子みたいな感じですわ。」ちょっとおっとり気味なアスカ。


「この方は、天使様なんです。美しくて優しくて聡明で素晴らしい方なのです。私にとって天使様なのです。何故かこの方は否定していましたが。こんな姿になってしまわれたのはきっとたとえ攫った人でも殺したくなかったからなんです。そうに違いありません!」


 改めてナナと私に同情のまなざしが注がれる。本当にかわいそうな物を見るように・・・ん?何で私にも?




「わたしたちには、あなたの方が天使様に見えますわ。」

「そうだそうだまるで精霊様みたいだ。」

 アスカさんが何故かエミリーさんに不満げな視線を向ける。


「そろそろ換えますからね、こちらにお願いします。」

 恥ずかしそうにこちらに来てスカートを下ろす二人。




 三人分のおむつを替えすぐに厠に洗いに行く。


 ナナはともかく二人とも未だにすごく痛いはずなのに、多分私に心配掛けないように我慢してるんだろう。

 そこまでされると逆に心配になっちゃう。

 二人ももはや勝手にでちゃってまともにトイレに行けない。アスカさんに至っては催したことすら気づけないらしい。



 そんなこんなで一週間初めての試験ーーー


 ナナの発作が減ってきたとはいえ、いつおきるか分からずほぼ徹夜が続いています。

 この頃は二人がナナの食事を手伝ってくれるようになりました。


 最初エミリーは顔だった物を直視できずためらいがちでしたが。なれてくると頭を撫でながらとか優しく接してくれるようになりました。

 アスカは迷い無く与えています。前に経験があったようですね。なれた物です。



 四人で一緒に食事をしているところに、アンジェリカ導師がやってきました。

 献身的な三人を見て目を細めていました。

 試験自体は拍子抜けするほど簡単でした。まあ一週間程度ではそれほどすすんでなかったので以前の知識の範囲内でした。

 エミリーは少し読みが怪しかったけどこの一週間で普通にできるようになりました。

 ちゃんと教えてもらったことが無いと言ってましたが、勉強が出来て嬉しいともいってましたよ。もちろん試験はクリアです。

 

 ナナに関しては○×形式での質疑となりましたがナナは質問が出来ないのがもどかしそうです。


 次に魔法の実技、やっちゃいました。大失敗です。いえ、ある意味大成功だったんですが・・・














実技で何がおきるのか待て次話!



二人が魔法が使えるようになったのはこの週に入ってからです。それまでは絵に描いた餅状態でした。


獣人娘は外見全身毛皮おなかのとこが産毛胸と股間は無毛で耳は普通で顔も人と変わりません。じつは・・・・何も考えてません。この先何か考えて付け足します。

翼人はあの村の生き残りです。だから精霊様=なおお母様:生きのこった子供は全て引き取りました。人数も多くはありませんでしたし・・・・

まともなナナは見てないので今は気付いてないです。

彼女たちも再会できると良いですが・・・

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