ver.4.2-0.2 ミステリートレイン
ちょっと今回、考えていることがあってサブタイトルが少々変更できておりません
ご了承をお願いいたします
シュウ~~~、ボッボッボッボ…シュ~
蒸気の音を立てて、目の前で停車している列車は、今回僕らが乗る予定のミステリートレイン。
電気機関車とかではなく、昔ながらの蒸気機関車が採用されているようで、こうやって目の前で見ると停車しているだけでも力強さがあるだろう。
「番号を見るとC62型…客車が大体10両か」
「結構レトロだけど、ミステリートレインらしいといえばそうかも」
なお、某銀河鉄道のようなものはないらしいが、この車両自体見た目こそ蒸気機関車の編成に見えて、中身は結構最新のものになっているらしい。
蒸気は演出用に仕掛けられており、中身としては電気機関車のようなものらしい。それでもここまでの再現度の高さは感嘆に値するだろう。
乗車してみると、こちらも普通の客車っぽい内装だが…
「…うわぉ、すっごいふかふかなんだけど」
「これ、人を駄目にするクッションに近いかも…」
硬めの椅子になっているのかと思えば、滅茶苦茶沈み込むというか包まれるというか、座り心地が良すぎる。
ふんわりとする感触で、長時間座り続けても問題なさそうに思えてくる。
「しかも、この車両の椅子部分だけでも一般販売されているようだね」
「納得するけど、お値段もそこそこするよ」
なお、客車の編成としては4両目が食堂車、6両目が娯楽施設を詰め込んだ娯楽車、9両目にお風呂かあって、最後尾が寝台車で、それ以外が普通の客車風のようなものになっているらしい。
食堂車や寝台車はまだわかるけど、娯楽施設を詰め込んでいるとかお風呂とか…見た目は全部同じような客車なのに、どうなっているのだろうか。
ついでにいうのであれば、僕ら以外にも他のミステリートレインに乗車するお客はいるようで、発車までの間にあちこち探索している様子。
ああいうのもありだけど、僕らはもうちょっと座って落ち着いていたい。
「むしろ、ダメにするクッションのような椅子から離れにくい」
「これは確かに居心地は良いんだけど、離れにくくなるのが大問題なのでは…」
そのせいで発車時刻になるまで、僕もミーちゃんもその魔性の感触に囚われてしまい、動けないのであった…
【…思ったよりも、早く反応がありましたネ】
蒸気を上げて出発した揺れで、どうにかこうにか春たちが椅子から立ち上がって車内の探索を楽しもうとしていたそのころ。
まだ昼間にもかかわらず、薄暗い室内にてロロは確認していた。
【上2、地上3、地下4ですか…ハッキング技術からも怪しんでましたが、ただの相手ではなさそうデス】
春には分からない、いつの間にか増設された地下室の天井に示される、周辺一帯の状況を表したレーダーの結果を見てそうつぶやく。
運営が社本社への、データ抜き取りのハッキング。
幸いなことにコピー程度なために情報を失うことはなかったようだが、抜き取られたデータが問題しかない。
何しろ、重要なシステム情報とかではなく、神系スキルの持ち主に関しての情報であり、その詳細を記録したデータが狙われていたのだ。
ロロ自身も詳しくは知らないが、一部には何か秘密があるらしく、その部分に関しての情報が盗られており…その中に、黒き女神に関してのデータもあったのだ。
近日中に行動される可能性が示唆されていたが、予想通り相手は動いてきたようだ。
単独の犯人ではなく、複数…いや、おそらくは何か別の組織がバックについているとみておかしくはないだろう。
オンライン会社も、流石に市場独占ではなく、中には完全に敵対を示すとこともあるのだから。
【その中でも、技術・行動面で動き出せるのは限られますが…こうやって直接来るとは、単純すぎますネ。大体、主様は今は旅行中なので出会うこともないでしょうが…いや、もしや…】
何かを試みるために、接近してきているのは理解できる。
ただ、本日は春が外出しており、接触する機会はないと思っていたが…それにしても、タイミングが良すぎるだろう。
不在なのを前もって、探って狙っていた?違う、それをするにしても情報収集からの時間が短い。
でも、こうやって都合よく不在な時にとは…このことを予想して、あえてツアーを利用したのではないか?
最初から、こうなることが分かっていて、本人たちも知らない間に動かすなどとできる人は…可能性としては色々とありえてしまうので、何とも言えないところがある。
【なんにしても、留守を任されましたが…外出先で行動される可能性もありますし、保険を少々かけているので問題はないでしょう】
今はただ、この平穏な時を邪魔しようとする奴がいるならば排除するのみである。
そう思い、空陸地下すべてに対抗するために、仕掛けを作動させていくのであった…
迫りくるのはなんだろうか
相手が何を目的にしているのかは不明だが、ろくでもないことは確か
一方が楽しむ中で、もう一方では地獄の蓋が開かれようとしているのであった…
次回に続く!!
…地下もしっかり開発済み




