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ごまちゃんクエスト!  作者: コグマ
第3章 グラン編
22/90

21! それぞれの試練

風呂場に三人、ごまちゃんとコトの間にデミが堂々といた。

「おいごまちゃん、さっきアイツと夫婦であるとか言ったな。あれはデマだ。誰があんな奴と…それよりコッチの方が可愛いぜ。」

デミはコトの肩を寄せて頰を舐めた。

「止めてって!」

ごまちゃんがコトの腕を引っ張った。

「コト君は私の彼氏だもん!奪われたくないもん!」

ごまちゃんは力強くコトを引っ張った。それと同時にデミは体ごとコトを引き寄せた。

「おわぁ!」

「ごまちゃん、折角だから話そうか。コト君は昔私に人質にされてね。深く傷ついてんだよね。」

コトを抱きながらデミは話を続けた。

「だから、親愛の印としてこうやっているじゃない…

暫く預からせて貰うわ。」

「そしたら…私はどうすれば良いの?」

「付いてきても良いけど、それがアンタの為になるのかしら?2日間、剣術修業でもしたら?さて、私達は上がるわ。コト君、来て。」

「…ごまちゃん、玄関に来て。」

コトはごまちゃんを見た。ごまちゃんは黙ってしまった。デミはコトを連れて行った。

「…コト君…。」

そう呟き、ごまちゃんも風呂から上がった。


風呂上がり、ごまちゃんは一つ尋ねた。

「デミさんはいつも何やっているんですか?」

「親衛隊の隊長を務めている。今からその本領を発揮しようと、思ってな。約束もあるし。」

デミは着替えていた。その時、ごまちゃんは何か違和感を感じた。

「あれ…服が綺麗になっている。」

「おっ、それは儂が洗ってやぼぅっ!!」

「余計なお世話よ!あと覗くな!」

ごまちゃんは顔を青ざめ、近くの空の籠を番頭の顔に投げつけた。

漸く着替え終えたごまちゃん達。早速玄関へ行く。そこにはコトの姿があった。

「あっ、コト君…。」

「コト君がいるのは当たり前でしょ。」

コトはごまちゃんに近づいてきた。

「ごまちゃん、君は多分独りで寂しくなるかもしれない。ごめんね。また置いてけぼりにしといて…一応、セイぐらいは持っておいて。無事に帰ってくる…待っていてね。…愛して…るよ。」

コトは恥ずかしそうにごまちゃんの肩を叩いた。

「コト君、行くよ。」

「あぁ…。」

デミとコトは段差を降りていった。

「あ〜あぁ、やっちゃったよアイツ。どれ、ごまちゃんとやらは俺が預かるか!」

ごまちゃんの前にいたキットが突然、ごまちゃんに話しかけてきた。

「おい、嬢さん下町で戦いに行こうぜ。」

「何するつもりですか。身体を売るつもりは全くありませんよ。」

「違うって…だから戦いしに行くんだ!」

「…んじゃあ、行く?」

ごまちゃんはキットに付いて行くことにした。


その頃、町の裏側でコトとデミがいた。

「その前にね…」

「…えっ、なっ何するつもりですか!?」

デミはコトを抑えた。暫くしデミはコトを解放してくれた。

「…これで良し。」

両手首に手錠、右腕に水色の腕輪、首に鈴とロープ付きの首輪、そして頭に猫耳の帽子を被らされたコトを見て、デミは目を輝かせた。

「完璧。凄く可愛いわ。」

「これってあなたの趣味ですか?」

少し怒り気味でコトは尋ねた。

「…コトくぅん、私と付き合いたいなら毎回その服装でいてくれる?」

「付き合う気なんて更々ありませんし、こんな服装で…とても恥ずかしくて外に出歩けませんよ。」

「あら、お気に入り?君も中々変態臭いねぇ。」

( アンタが言うな! )

コトは顔を赤らめながらデミの方に眼を向けた。

「冗談、冗談。少し面白かったわ。」

「冗談じゃ無ければ俺は一体…。」

デミはコトから猫耳と手錠を外した。しかし腕輪、首輪は残された。

「あれ、首輪は…」

「後で使うから…楽しみにしといて。」

コトは終わったなと一瞬察した。

( 本当にヤバイ。路上で何晒すつもりだ? )

「…ておおぅ!」

コトはデミにロープで引っ張られ、転んだ。

「また転びたくなかったら、ちゃんと付いてきて。」

コトは仕方なく付いて行くことにした。


下町、荒ぶる戦士はここで自由奔放に戦いを続けて金を稼いでいる。ごまちゃん達の目の前にも急に敵が現れた。

「ごまちゃんも手伝える?いつかあいつの隣に立って闘いたいだろ。」

「…勿論!」

ごまちゃん達は戦いを挑んだ。


「ここは?」

コト達が向かった先は、ある雑木林の中だった。

「グランの圏外。良いところでやるつもりよ。」

歩いてみると広い場所に辿り着いた。

「…やっとね。」

「何をするのですか?」

「チェーンマッチよ。」

コトは驚きを隠せなかった。

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