20! 勇者と隊長
ごまちゃんは静かに待った。すると、勇者キットがデミに対して大声で言った。
「お〜〜い、おばさん。逃げるつもりかい?おお、怖い怖い。通り魔かのぉ、下衆の極みだな。」
すると猛ダッシュでコトを持ち、キットに飛び蹴りしながらデミが戻って来た。後ろは階段だったので、キットは無様に転がり、うつ伏せで急ストップした。
「ざけんな女ったらしが!あんたこそ下衆の極みじゃねぇか!この浮気野郎!」
「ええっ?この人達、元夫婦!?」
ごまちゃんが鋭い突っ込みを入れた。
「やっ、野郎やりやがったなぁ。本当に通り魔だな。他人の彼氏を強奪しておいてゴメンも無しか…いくら仲間とはいえ、本気出して倒すぞ…。」
「フン、私とタイマンで勝った事無いくせしといて、よくほざくね…この子を私が訓練させたらアンタなんかイチコロよ!」
「いっ、言いやがったな!」
「2日分掛けて一瞬で終わらせるぐらい強くさせてみるわ!」
デミは大いに笑った。
「…ん、んじゃあ俺が勝ったらアンタよぉ…俺に裸を見せられぶんっ!!」
「それ以上言うなー!」
ごまちゃんが見事なボディブローをかました。赤面で話を聞いていた。キットはまた無様に転がった。今度は仰向けで止まった。
「んじゃあこちらからも言っとこうか…もしアンタが負けたらそれらの台詞二度と言うな!」
そう言い、大浴場にの中に入った。
「ごまちゃんとやら…今日は特別だ。いいパンチを見られた。一緒に入るか?」
「えっ、あぁ…はい。」
渋々とごまちゃんも中に入った。
同刻、クリスタ王達はまだ会議を行っていた。
「他にある者は?」
「あの…四大派閥が今、二つの派閥になってしまったという情報を今部下から連絡されました。」
「何!?どういうことだ…」
「シャル派がイヅナ派と、エアル派がレア派と統合したらしいそうで。」
「四日後、パルタンへ行く予定がある。急ぐ必要性は無い。他は?」
室内は暫く沈黙が続いた。
「ちょっとデミさん?」
「何だ?」
「コト君も女風呂に入れるつもりじゃあ…」
「あっ、忘れてた。おい番頭、こいつ入れさせて良いか?」
「ダメダメダメ、ダメーー!せめてあそこに座らせてやって!」
ごまちゃんは凄い勢いでデミを止めた。デミは仕方なく番頭の前にある椅子に座らせた。
「少し、煩いでっせ。嬢ちゃん。」
番頭がごまちゃんに笑みを浮かべながら言った。ごまちゃんは俯いた。しかし、コトは目覚めた。
「あっ、コト君。」
「ごまちゃ…」
コトはごまちゃんを呼ぼうとしたが、目の前にはデミがいた。
「へぇーコト君起きたんだ…まっ親愛の証として、混浴でもしようじゃねぇか。」
コトは少し戸惑った。ただ、デミはコトを脅すように言った。
「いいから!」
コトは黙って男性の方に行った。
「そんじゃっ、私達も行くか。」
「はい…」
ごまちゃんはびびった。
布で体を拭く。この風呂場では浴場が大きい。銭湯に近い存在だ。中は壁や天井で覆われている。
混浴の風呂場には誰もいなかった。その静けさを邪魔するかの様に、二人が入って来た。
「入っているか!?」
誰も入っていない。デミは走ってコトを捕まえ、混浴の浴槽にぶん投げた。
「けほっけほっ、何してくれるんだ!?いきなり男湯に入って捕まえて…」
「それはコッチが聞きたいわ。何で混浴に来ないのよ。もしかして初めて?魔族の癖に、その上王なのに、情けな!」
デミは笑いだした。コトは赤面していた。ごまちゃんも同様に。ただ全員布で体を隠しているのでマシな方だった。




