戦闘和歌解説 「走垂龍激」の編
71話目に登場する戦闘和歌は、万葉集に収められた志貴皇子の代表作
石走る 垂水の上の さ蕨の 萌え出づる春に なりにけるかな
現代語訳
岩の上をほとばしる滝のほとりの、さわらびが芽を出す春になったのだなあ
の、本歌取り(有名な古歌を踏まえて作歌する技法)の手法を用いています。
★水系大魔法「走垂龍激」の解説
水走る 垂水の落つる 龍口の 激しき飛沫 彼が袖濡らす
現代語訳
激しく流れ落ちる滝の飛沫。その激しき飛沫が、彼の服を濡らす。
呪術的解説
「水走る」は、垂水にかかる枕詞で、水が岩の上を激しく流れ落ちる様子を表します。
「垂水」は滝の古語です。
「龍口」は、死した五頭龍が変化したとされる地名「龍口山」と、滝の注ぎ口をかけ合わせた、掛詞です。
もちろん、大魔方陣から現れた五頭龍の巨大な顎も指しています。
ちなみに「掛詞」とは、ぶっちゃけ駄洒落に近いですね。
なので、ピンクは駄洒落好きキャラです。
作法としては[落つる]が[垂水]、[激しき]が[水走る]と、意味が重複している構成ですが、これは攻撃力を増幅させるための「重ね掛け」として選びました。
結びの「彼が袖濡らす」で、標的をロックオンした呪術的な意味合いを持たせました。
★おまけ
ちなみに、情景を普通に詠むと、こうなります。
水走る 垂水の落つる 龍口の さやけき飛沫 我が袖濡らす
現代語訳
激しく流れ落ちる龍口の滝の飛沫。その澄み切った清らかな飛沫が、私の服を濡らす
「さやけき」は、清らかで、澄み切った水の様子。
「袖濡らす」は、古くは涙を拭う仕草から、悲しみの表現としてよく使われたものですが、ここでは「服を濡らすほど、飛沫の勢いがいい」、という意味で使用してます。
これはちょっと、教科書通りの一首で、寓意もなく、意外性もないので、作者としては物足りなく感じています。
…自分で作っておいて、なんですが…
ちなみに、試しにAIに投げて「この和歌どう思う?」と尋ねたら、「教科書に載せていいほど、美しく整った歌」との、絶賛回答でした。
…うん、AIって大抵、褒めちぎるよね。
当てになりゃしない。
ただ、こうした和歌も、戦闘用として変えてみると、意外な寓意が込もった、魔法っぽい感じになるのだから、面白いものですね。
以上、水系大魔法「走垂龍激」の解説でした。
あ、ちなみに鎌倉の龍口山には、滝はありません。
別の地域にある、龍口の滝の情景ですね。
エヘ♡
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新江の島縁起
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