パート1:ヒナを交えた練習
スタジオのドアが、そっとノックされる。
ヒナが2つのギターケースを背負い、緊張した面持ちで入ってくる。
制服のスカートが少し乱れ、額に汗が光る。
「あの…遅れて、すみませんでした…。」
ヒナの声は小さく、敬語が硬い。
カノンがギターを手に、明るく手を振る。
「ヒナちゃん! 学校お疲れ様!
さあ、ハードロックでぶちかますよ!」
アオイが冷静に、しかし柔らかい目でヒナを見る。
「ヒナ、緊張しなくていい。
今日は『永遠の風』を詰めるよ。
カノンとヒナのツインギター、頼りにしてる。」
ヒナがギターケースから、奏からもらったGibsonのエレキギターと自分のアコースティックギターをとりだし答える。
「はい…あの、ちゃんとできるか、わかりませんが…
頑張ります…。」
リンがドラムセットから立ち上がり、ヒナの肩をポンと叩く。
「ヒナ、めっちゃいいよ! 絶対できるから!
ほら、まずはリラックス!」
ヒナが小さな笑顔で。
「リンさん…ありがとう、ございます…。」
ミヅキがベースを構え、ニヤリと笑う。
「ヒナめっちゃかわいい~!
でも、ギターはガツンとやってよね!」
ユイがキーボードの前で優しく微笑む。
「ヒナちゃん、焦らなくていいよ。
私たち、一緒に音を鳴らすんだから。」
カノンがアンプにシールドを差し込み、ディストーションの効いた音を鳴らす。
「よし、ヒナ! 『永遠の風』のイントロ、
あの重いアルペジオ、やってみて!」
ヒナがギターを構え、震える指で弦を弾く。
「永遠の風」の硬質なアルペジオがスタジオに響くが、
リズムが少し遅れ、音が途切れる。
ヒナが慌てて顔を上げる。
「ご、ごめんなさい…! 間違えました…。」
カノンが真剣な目でヒナを見つめる。
「ヒナ、ミスはいいよ。
でもさ、もっと心からぶつかって!
『永遠の風』は、ヒナの情熱がないと響かないんだ!」 ヒナが目を丸くする。
「私の…情熱、ですか…?」
カノンがギターを弾きながら続ける。
「そう! この曲は、どんな嵐でも突き進む力強さなんだ。
ヒナの音、もっと強く、もっと熱く鳴らして!」
ヒナが小さく頷き、深呼吸して再挑戦。
今度はアルペジオが力強く響き、カノンの攻撃的なリードギターと絡む。
ハードロックの骨太なサウンドがスタジオを揺らす。
カノンが叫ぶ。
「そう! それそれ! ヒナ、めっちゃカッコいい!」 リンがドラムを叩きながら目を細める。
「ヒナ、すっごい頑張ってる…。
なんか、めっちゃ守ってあげたい。」
ユイがキーボードのメロディを重ねながら呟く。
「ヒナちゃん、必死な姿…ほんと、愛おしいね。」
ミヅキがベースラインを刻みつつ、ニヤリ。
「ヒナ、こんな頑張り屋だと、
私たちの母性、ガンガン火ついちゃうよ~。」
ヒナが汗を拭いながら、コード進行を何度も繰り返す。
カノンが再び厳しく、でも愛情を込めて言う。
「ヒナ、もっとだよ! 君の音、もっと聴きたい!
『永遠の風』は、ヒナの心が叫ぶ曲なんだから!」
ヒナが目を潤ませ、ギターを握り直す。
「はい…カノンさん、ありがとう、ございます…。
もう一度、やってみます…!」
ヒナのアルペジオが、今度は力強く、情感たっぷりに響く。
カノンのハーモナイズドリードが重なり、
「永遠の風」のハードロックの魂がスタジオを満たす。 アオイが静かに頷く。
「これだ。ヒナの音、NectarVowの新しい力だよ。」
練習後、ヒナが息を切らして椅子に座る。
リンがそっと水のペットボトルとタオルを渡す。
「ヒナ、めっちゃ頑張ったね。
疲れたでしょ? ゆっくり休んで、いいよ。」
ヒナが敬語で、でも小さな笑顔で。
「リンさん…ありがとう、ございます。
皆さん、優しくて…私、嬉しいです…。」
ユイがヒナの隣に座り、そっと手を握る。
「ヒナちゃん、頑張ってる姿、ほんと素敵だよ。」 ミヅキがニヤリとからかう。
「ヒナ、こんな一生懸命だと、
私、ほんとメロメロになっちゃうよ~!」
カノンがギターを置いて、ヒナにウィンク。
「ヒナ、今日の音、めっちゃよかった。
でも、次はもっと魂ぶつけるよ! 約束な!」
ヒナが小さく、でも力強く頷く。
「はい…カノンさん、皆さん…
絶対、ついていきます…!」
スタジオに、メンバーたちの笑い声と結束が芽生えた。




