5話 種族進化
今回は受付嬢のステータスを公開します。
ふむ………どうしようか………いや、目の前の俺に問いかけてきた女の人もそうなんだが、レベルが20になった時にアナウンスが聞こえたんだ。
『種族進化を行えます』
『進化先』
『スノーウルフ』
『サンドウルフ』
『ウェアウルフ』
って出たんだよ………この人の前で進化しても大丈夫かどうか今迷ってるところなんだよね。でも、男は度胸って言うしね。進化してみるか。ん?何に進化するか?それは進化してからのお楽しみ。
『種族進化を開始します』
その瞬間眩い光にその場が包まれた。彼の頭の中にアナウンスが流れた。
『雪魔法を取得しました』
『極寒耐性を取得しました』
そのアナウンスのあと、光は弱まっていき、光が消えた頃に現れたのは、真っ白な狼であった。この世界のスノーウルフの毛は完全な白ではない。多少なりとも茶色がかっている。だがしかし、彼は希少種。種族進化をしても、希少種の称号を持っているために進化先でも希少種となるのだ。
「…………え……?」
じゃじゃーん!スノーウルフに進化!どう?かっこいい?べ、別にかっこいいから選んだ訳じゃないしぃ!?こ、これから北に行く予定なんだ(大嘘)
それはともかく。ゴブリンを倒しまくってた時に変な称号が手に入ったんだ。なんかゴブリンブレイカーって言う称号がね。最初はゴブリンキラーだったんだけど、ゴブリンハンター、ゴブリンスレイヤー、ゴブリンバスター、ゴブリンブレイカー、ってなっていったんだ。その説明がこちら。
『ゴブリンブレイカー』
ゴブリン種を百匹以上倒した者に与えられる称号。ゴブリン特効EXを取得。
『ゴブリン特効EX』
ゴブリン種に対して通常の五倍のダメージを与える。常時発動。
このゴブリン特効EXっていうのと、諍いの爪を合わせてゴブリンキングにぶつけたら………一瞬だったよ……。
という現状確認も終わったところで、目の前の女の人に対してなんて返そうかな。ん?どうやって喋るか?そんなの思念伝達ですよ〜!一回も使ったことないからね。でもその前にこの人のステータスを確認しよう!鑑定!
『ステータス』
名前:エレン・トート
種族:人種人族
年齢:23歳
職業:ギルド職員
Lv:30/50
生命力:85
魔力:105
物攻:46
物防:52
魔攻:78
魔防:82
知力:50
俊敏:30
器用:50
幸運:50
称号:解析者、ギルド受付嬢、元B級冒険者
ノーマルスキル:解析Lv5、火魔法Lv5、土魔法Lv3
エクストラスキル:状態異常耐性
おお……意外とすごいぞ?知らないスキルを調べてみるか。
『解析』
調べたいものの名前や種族などを知ることができる。スキルを知ることができるが、ステータスは見れない。
『状態異常耐性』
状態異常に耐性を持つ。無効にすることはできない。
なるほどなるほど。使えるスキルだな。と、見終わったところでそろそろ喋りかけてみるか!
『人間よ。我はスノーウルフだ』
………かっこよく行ってみたかったんだよ………
「!!!な、なにこれ……」
『思念伝達も知らんのか。貴様こそ何者だ』
「こ、これが思念伝達………」
『解析したのなら我が持っているスキルは把握しておろう』
「な!!なぜ解析のことを……?」
『そのようなことはどうでもよい。貴様こそ何者だ』
そのあと、目の前の女性───受付嬢のエレン・トートは、自分の名前とこれまでの経緯を話した。そして、これから町に帰らなくてはならないと。町の名前はデュオン。通称、シュバルツ王国最前線の町。魔の大森林の前につくられたシュバルツ王国の町はそう呼ばれている。
『ほう………ならば、我が町まで護衛してやろう』
「……は?」
『ダメか?』
「来てくれるなら……助かりますけど」
『ならば決まりだ。ゆくぞ』
狼は歩みはじめた。まだ見ぬ町へと。
展開を急ぎ過ぎてしまいました。