53話 学園祭準備①
「えー、再来週が学園祭だから、今日から来週いっぱい学園祭の準備をしてもらう。どんな店がやりたい?」
突然担任がそんなことを言ってきた。誰もが混乱する中、赤髪の不良の様な少年が手をあげた。
「はい、バーニック君」
「スシ屋がいいと思います」
「……なぜ?」
「ヒヅメ君がいるので、みんなにスシの良さを知ってほしいなと思いました」
「なるほど。反対意見はありますか?」
ソウタが唖然としていると、反対意見も出ずに決まってしまった。
「ということで頼んだぜ!ヒヅメ!」
『ステータス』
名前:バーニック・ボルト
種族:人種人族
年齢:16歳
職業:錬金術師
Lv:65/100
生命力:845
魔力:450
物攻:1150
物防:650
魔攻:1540
魔防:1420
知力:100
俊敏:750
器用:1750
幸運:30
称号:錬金術師
ユニークスキル:錬金術
ノーマルスキル:気配察知Lv4、魔力察知Lv3、魔力操作Lv7
最初に驚いたのは彼がスキルレベル7に到達していた事だ。基本的に人間の中ではスキルレベルは5が最大というのが普通なのだ。その中でスキルレベル7を持っているということは、彼は相当な修行を積んだことになる。
「まずは材料を集めないとな。米の方は」
「それなら俺が用意できる!」
「なら魚だな。取りに行こう」
「あん?店に売ってるのじゃダメなのかよ?」
「取りに行った方が学園祭っていう気がするからな。要は気分の問題だ」
「なるほどな……そういうの嫌いじゃないぜ!」
今日はそれで解散して、続きは来週からとなった。ソウタはナタリーと調査をするために屋敷に向かっていた。が、途中で止まり、ナタリーに話しかける。
「ナタリー。後ろに人が付いてきてるね」
「え?そうなの?」
「うん、俺たちの知っている人だよ」
ソウタはステータスの力を使って二人を尾行している人の後ろに移動した。
「やあ!ボルト君!こんなところで何をしているんだい??」
ソウタはわざとらしくバーニックに問いかけた。バーニックはバツが悪そうな顔をしてから正直に答えた。
「お前ら二人がここ二、三日仲良く帰っていくのを見てたから何してるか気になってたんだよ。そして、その、俺もそれに加えてほしくて………何やってるかは知らないけどな」
「ふむ、うーん、君の実力なら……問題ないだろうね」
「ホントに彼で大丈夫なの?彼はCランク冒険者よ?」
「そうなんだ?でも、ボルト君はナタリーより強いみたいだよ?」
「ちょっと、ソウタ!何言ってるのよ!私より強いですって!?私だってこの間より強くなったのよ!?」
「それでも彼には届かないよ」
何か言い返そうとするもナタリーはソウタの顔を見て真実だと悟り、沈黙した。
「まあ!元気だせよ。アーチボルト」
「ナタリーよりも強いと言っても、二人の差はギリギリだ。二人ともまだ弱い。まずは魔力操作と気配察知と魔力察知を極めよう」
「極めるとどうなるの?」
「魔力操作を極めると魔力支配というスキルに進化する。気配察知と魔力察知をそれぞれ極めると生命感知というスキルになるんだ」
「でも、極めるのは簡単じゃないわ…」
「魔力操作は戦闘をたくさんするしかない。けど気配察知と魔力察知は違う」
「どうするの?」
「常に発動するんだ」
「え!?」
二人に発動させたまま屋敷に着いた。二人にそこで昨日のバルを呼びその報告を聞かせた。
「サタンっていうのは誰なの?」
「主が少しの間だけ仕えていた魔王と同じ名の男じゃ」
「え!?ソウタって魔王の手下だったの!?」
「潜入してただけだよ」
「人間のあなたがよく潜入出来たわね」
「む?知らんのか?主は―――」
「バル」
「む、すまぬ、おしゃべりが過ぎた様じゃ」
しばらく沈黙するが、ソウタが口を開いた。
「この二人が戦える様な魔物が来たら捕らえておいてくれないか?」
「うむ。それにしてもその剣はどうしたのじゃ?魔力を主から吸い取っておるようじゃが……破壊するかの?」
「いや、これは俺の専用武器だ」
「なるほどの」
それで今日は拠点を出て寮に帰る。ナタリーを女子寮まで送り、バーニックとソウタだけになった。
「お、おい!ヒヅメ」
「ソウタでいいよ。俺もバーニックって呼ぶから」
「お、おう!そ、それじゃソウタ!お前って……アーチボルトと仲いいよな」
「ん?そうだね」
「つ、つつつ付き合ってんのか?」
「付き合ってないよ?」
「そ、そそそそっか!べ、別に気になっただけだから!それじゃ俺こっちだから!じゃーな!」
「?おう」
「あ!それと俺のことはバー二でいいぞ!」
バー二は心無しか顔が赤いように見えたが、ソウタは夕日のせいだろうと考えた。というか、バー二は寮生ではなかったのかなどと考えながら帰路に着いた。




