47話 放課後ロマンス
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地球帰還編→学園生活編
そのあと、誰も相手をしてくれずに、授業は終わった。そして放課後。会話するのを楽しみにしていたソウタは、教室で話しかけられるのを待っていた。しかし、徐々にクラスメイト達が帰っていくのを見て帰ることにした。
グラウンドを通りかかった時、争う声が聞こえた。
「俺様の言うことが聞けねぇってのか?」
「ええ、貴方に従う意味がわかりません」
ナタリーが上級生らしき者と争っていた。上級生はナタリーよりも強い。ソウタはこれはまずい!と思い、駆け出す。
「ああん?このAランク冒険者のゴンゾ様の言うことが聞けねぇだとお!?ゆるせねえ!!土魔法!武器創造!!」
ゴンゾがナタリーに斬りかかる。が、ナタリーは反応出来ていない。それをソウタが人差し指で受け止めた。
「な、なあ!?な、なななんで指一本で剣が止められるんだよ!」
「武器に魔力を通したりしないんですか?先輩」
ゴンゾは武器に魔力を込める。武器に魔力を込めるなどという発想は無かったのである。
「おお!魔力を込められたぞ!これでって、なんでお前はそれでも止められるんだよ!!!」
「魔力を敵と接しているところに強めに込めてみたらどうですか?それとも、先輩の魔力操作のレベルじゃ出来ませんか?」
「て、てめぇえええええええ!!!」
ソウタはゴンゾの武器を叩き折り、土魔法と木魔法を使った。
「合体魔法。愚者の牢獄」
土が盛り上がり、ゴンゾを檻に閉じ込める。すぐに木が生え、檻に絡まる。そして、牢獄を完成させる。
「アーチボルトさん!逃げよう!!」
ナタリーを抱える。要は、お姫様抱っこである。
学園から出て、駆け抜ける。生命感知を発動すると、ゴンゾは檻から抜け出して追いかけている。
「壊れやすく作ったとはいえ、すぐに出てくるとなんてね。それにしても俺が隠密使っても、アーチボルトさんの魔力が感じられるか。仕方ない。久しぶりに使う聖魔領域」
聖魔領域に入ると、ナタリーは驚きを隠せずにいた。
「しばらくはここにいようか。静かなところだよ」
ソウタは木魔法でベンチを作り、ナタリーを座らせ、自分も座る。
「この魔法、何属性の魔法なの?それにさっきの合体魔法?だったかしら?あんな大魔法を魔法陣なしでやったの?そして何よこの空間、あなたいったい、何者なの?」
「あはは、さっきのは木魔法で、あの合体魔法は大魔法なんてもんじゃなくてさっき思いついた魔法だよ。この空間は俺のスキル。そして俺は君のクラスメイトだよ」
「木魔法?聞いたこともない。さっき思いついた?スキル?クラスメイト?ああ、もう、一体何なの!?」
二人が話をしていると、近くにたくさんの巨大な反応が現れた。
「!?な、何なの!?この気配と魔力は!?!?」
「主よ。お待ちしておりました」
そこに現れたのはソウタの配下達であった。バルを先頭に全員が頭を垂れている。
「!?!?一番手前のは龍族!?主!?!?あなたいったい、」
「あ!そうだ!今度異世界に行こうか!?このスキルの試運転みたいな感じで。よし!入り口を解放!」
この時、こちらの世界とあちらの世界の時間の流れは完全に同期した。
こちらの世界に新がいなかった一年の間にあちらの世界では百年が経ったわけではない。
新がいた、百年後の世界に呼ばれただけで、本当は世界のはやさは全く違うのである。
「バル。そして、スレイ。あちらの世界を調べてきてくれ。探索をするならお前らが一番いいだろう」
「了解」
「御意」
「じゃあそろそろ帰ろうか、女子寮まで送るよ。また今度、異世界に連れていくよ」
その後、ナタリーを女子寮に送り、別れた。
あ、あれ?ロマンスの予定が、あれ?




