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BACK WILD  作者: miku
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No drama!

No drama!

意味:気にすんな・オールオッケー

                某カラオケ店


「はあ・・・・成る程な」


カラスは羽黒と跳馬を交互に見てため息をついた。

ずっと気になってはいたが、羽黒の鼻にティッシュが詰め込まれているのは、自業自得の結果らしい。

まさか、自分が少し買い物に行っている間に、こんな事が起きてるとは思いもしなかった。

読めない奴だが、羽黒は本当に何するか分からない。


「おい、羽黒、跳馬に謝らなくていいのか?」


「えぇ?なんで」


心底しんそこ不思議そうな顔をする羽黒。

どうやら、謝る気はないようだ。


「俺が謝る理由がどこにあるの」


「ッ!テメーはどこまで―!」


「跳馬・・・やめろ」


怒気がこもったカラスの声に、跳馬の温度が下がる。

跳馬に対し、羽黒は勝ち誇ったように笑った。


「やーい怒られてやんの!」


がしっ


「へ?」


がんっ!


「「「!!!」」」


全員が息をのんだ、カラスが羽黒の頭を鷲掴わしづかみ、テーブルにたたき付けたのだ。

カラスは羽黒の頭を押さえつけたまま、跳馬に頭を下げる。


「俺がいなかったとはいえ、悪いことをした、本当にすまない・・・・・」


カラスが頭を下げると、少年達は跳馬に次々と頭を下げ謝り始めた。


「止めなくてごめん」「ごめんなさい」「すみません」「リーダーが馬鹿でごめん」「マジすんません」


「今、失礼な事言った奴いなかった!?いだだだだだ」


「お前も謝れ、羽黒」


「だーかーらーなんっいたい!頭つぶれる!ごめんなさい!すみません!!」


やっと、羽黒が謝り、全員が頭を上げる。

だが、跳馬はまだ納得できていなかった。


「テメーらが謝っても、俺は化け物のままなんだぞ」


「心配することないよー」


真っ赤になった、ひたいをさすりながら、羽黒は言った。


「ここにいるみーんな、君の言う『化け物』だからさー」


いぶかしげに羽黒を見ると、羽黒はまた、割れたグラスで手を切った。

血を指先からしたたらせ「よく見てて」と言った。

跳馬は「だからなんだ」と言おうとしたが、言葉を飲み込んだ。

流れていた血が止まり、音を立てて固まり始める。


ビキッ ビキキキィッピキッッッ


形状をつくりながら、生き物の様に羽黒の腕をい上がっていく血。

やがて、いびつ装飾そうしょくを浮かび上がらせ、ひじのあたりで血は動くのをやめた。


「これ、武器になるんだよ!」


鋭く尖った、指を誇らしげに跳馬に見せる。

そこで、跳馬はやっと分かった、なぜいきなり、羽黒は手を切ったのか、なぜ腹に手が刺さることが可能だったのか。


「わたしは、これができるよ!」「俺は!」「僕・・・」


ここにいた全員が自分の能力を見せていく。

空を飛べたり、衝撃波とか、アニメみたいな能力から、物の色を変えるとかショボイ能力まで、十人十色だった。


「な、跳馬、お前だけじゃねーよ『化け物』は」


カラスの言葉がひどく頼もしく聞こえた。


























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