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六話~感謝~

三人は村の中心部にある集会所の中に入った。


そこには苦しそうに咳き込む人や、痛みで泣いている人などが数十人といた。


ダ「ここが集会所です。そしてここにいる人達が疫病にかかってしまった人達です・・」


ダルトは悔しそうに言った。


キ「リリ!!!!」


キリが急に声をあげ、奥の方にいる少女の元に駆け寄って行った。


キ「リリ!大丈夫?具合は悪くない?」


リ「・・ねぇちゃん・・大丈夫だよ。心配しなぃ・・ゴホッ、ゴホッ」


キ「しっかり!!ねぇちゃんが病気を治す薬持ってきたから、これで助かるよ。」


リ「・・ホント?・・じゃぁ・・みんな助かるんだね」


リリは苦しいのを我慢し、精一杯の笑顔を見せた。


しかし、キリは暗い表情になり、


キ「リリ・・ごめん・・薬が一つしか無くてあんたしか助けられないの・」


リリの顔から笑顔が消えた。


リ「そんな・・私1人助かるなんて出来ないよ」


リリは布団の中に潜っていった。


キ「じゃあどうするってのよ!!あんたが私のたった1人の家族なのよ!お父さんもお母さんも魔物に殺されて・・あんたまで失いたくないの・・」


キリは涙を堪えながら言ったが、リリは布団から出てこようとはしない。


ゼ「・・ちょっといいか?」


後ろから急に声がしたので、驚いて飛び上がった。


キ「ゼノアさん!!・・急にビックリさせないでくださいよ。・・ホント私ってダメなお姉ちゃんですよね。」


キリは無理矢理笑顔を作り、ゼノアの方を向いた。


ゼ「・・お前はあんな場所まで村の皆や妹を助けるために命草を採りに行ったんだ。ダメではない。」


そう言ってゼノアはリリの布団を無理矢理とった。


突然の事でビックリしたリリはゼノアを見ながら固まっていた。


リ「お、お兄さん誰・・?」


リリは震える声でゼノアに尋ねた。


ゼ「・・ゼノアだ。ちょっとすまんな」


ゼノアは手をリリの額に当てた。


リ「ひゃあ!!」


突然手を当てられたのでリリはみっともない声をあけた。


キ「ゼノアさん!!感染しちゃいますよ!?」


ゼノアは無言でリリの額に置いた手に力を入れた。


ゼ「・・・闇吸収(ダークエナジー)


そう呟くとゼノアの手の周りが黒く光り出した。


キ「ちょ!!?ゼノアさん何やってるんですか!!」


キリが大声で叫んだので、ダルトや他の村人と達も集まってきた。


ダ「これは魔法・・??リリをどうするおつもりで!!」


見たこともない魔法と、禍々しい黒い光が恐怖心をそそぎ、危険な魔法とダルトは思った。

ダルトが怒鳴ると同時に村人達もダルトと気持ちは同じで色々怒号をあげ始めた。


ゼ「・・少し黙れ・・」


しかし、ゼノアのこの一言に圧倒され、ダルトは腰を抜かし、村人達は無言で震え始めた。


キ「・・ゼノアさん・・?」


キリも震えながらゼノアに話しかけた。


ゼ「・・すまんな。だがもう終わった」


キ「えっ??」


キリはなんの事だかさっぱり分からなかったが、


リ「ねぇちゃん??」


さっきまでぐったりして、声にも精気が無かったリリが、目をぱちくり開けてキリの方を見ていた。


キ「リリ!?・・」


リ「ねぇちゃん!!なんだか元気が出てきたよ♪さっきまでのが嘘みたい!」


満面の笑みでキリに向かいニッコリと笑った。


キ「リリ!!!!」


キリは力強くリリを抱き締めた。


リ「ね、ねぇちゃん。苦しいよ。」


キ「あっ!ごめんごめん。・・えへへ」


リ「変なねぇちゃん♪」


二人は何年ぶりかに笑いあった。


村人達は数秒ボーッとしていたが、状況が飲み込めてきて、歓喜の叫びをあげた。


村A「良かったな!リリちゃんキリちゃん!」


B「奇跡だ・・奇跡がおきたぞぉ!!」


C「こんなことが・・グスッ・・良かったね二人とも」


村人達はキリとリリを囲み喜びあっていた。


ダ「これは・・奇跡だ・・ゼノアさん。あなた一体なにを」


ダルトもリリみたいに目をぱちくり開けてゼノアに尋ねた。


ゼ「・・闇の引力を使いウィルスを全て吸収しただけだ」


ダ「闇?ってことは闇魔法?・・それは確か光魔法などと同じで世界に数人しか使えない魔法のはずでは・・」


ゼ「・・これは魔法なんかではない。」


ゼノアは闇の神でもあるので、闇魔法とは比にならないくらいの力を持っているのは当然だった。


ダ「あなたは神ですか・・?」


ゼノアは一瞬ためらったが、


ゼ「・・俺は人間だ。」


ダ「そうですか・・リリを救って頂き感謝します」


ダルトは涙を流しながらゼノアにお礼を言った。


ゼ「・・この村に来たのも何かの縁だ。」


ダ「えっ・・?」


ゼ「・・・闇吸収(ダークエナジー)


ゼノアは先ほどより力を込め、疫病にかかった人達みんなのもとに黒い光を送った。


黒い光につつまれた疫病患者達は、一瞬怯えたが、すぐに幸せそうな顔になった。


病A「なんだこれ・・き、きもちいい」


B「こんな気分になるのは初めてだ・・」


そして数秒で疫病患者のもとから黒の光が消えた。


病A「・・体が軽い・・治った。治ったぞぉ!!」


B「こんな日が来るなんて・・病気に負けないで良かった・・」


集会所の中で、家族が疫病から治り抱き合ったり、友達同士で笑いあったり、嬉し泣きをしたりと、さっきまでとは一変してみんな笑顔になっていた。


ゼノアはその光景を眺めていると、キリとリリが手を繋ぎながら駆け寄ってきた。


リ「ゼノアさん。あのっ、あ、ありがとうございました」


リリは慣れない素振りでお辞儀をした。


キ「ほんとに感謝しています・・お礼を言ってもいい足りません・・」


キリもリリと共に頭を下げた。


ゼ「・・いいから頭をあげろ」


キリとリリが頭をあげたと同時に、村人達が一斉に駆け寄ってきた。


ゼ「なっ・・・!」


村A「ほんとにありがとうございました!!なんとお礼を言えばいいか」


B「おかげで家族と笑って抱き合えました。ほんとに感謝します」


C「あなたは神だ・・・息子を救って頂きありがとうございました」


村人と達から一気に感謝のお礼を言われて、ますますゼノアは戸惑ってしまった。


するとそこにダルトが来て、


ダ「ゼノアさん・・みんなホントに感謝しています。ありがとうしか言えなくてごめんなさい。村人達を代表して改めて言います。ありがとうございました」


ゼノアはまた不思議な気持ちになっていた。


今までこんなたくさん感謝なんてされたことはないから当然だ。


ゼ(・・だがこういうのも悪くないな。なんか温かいものを感じる)


ゼノアは心の中で、新しく芽生えた自分の気持ちに少し喜んでいた。


そして今日は、村人みんなが集会所に集まり、大宴会となった。





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