表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
通りすがりの陰陽師2  作者: チャーハン・神代
40/109

四十、忘れた感覚

「何が…何がどうなってるんだよぉぉぉお!!!」


 僕はみっともなく泣き叫びながら、時折後ろを振り返り、今起きていることが夢であればいいと願いつつ、山道を駆け下りていた。

 どどどと迫りくる恐怖の足音から、必死に逃げる。


「っ…どうすればいいんだ!一体どうすれば…!」


『知ってる…筈だよ。』


「…えっ!?」


 その時、自分をこの状況へと巻き込んだ火の玉が再び目の前に現れた。それどころか、その火の玉が、自分に話しかけている気がする。


『君は…どうすれば良いか知ってる。ただ…忘れてるだけ…。』


「ええっ!?もう嫌だ!頼むから話しかけないで!!!」


『…来る。』


「えっ…?」


 後ろを振り向くと、火の玉に気を取られている隙に、鼠が後6メートルくらいのところまで近づいていた。


『言霊を…乗せて…。』


「へっ…ちょっ…!」


 青白く光る火の玉が、急に僕の身体の中に入り込んでいく。その刹那、頭の中で何かが弾けた。どこか懐かしい、遠い日の記憶を思い出したような気がした。

 突然立ち止まり、まるでずっと昔から行ってきたことのように、自然と体が動く。

 勢いよく鼠の方を振り向き、腕を構えて言葉を叫んだ。


「祓え給い、清め給え!」


 掌の前に、五芒星の描かれた円が浮かび上がる。現れた五芒星がぐるぐると回転し、服が下から紺色の狩衣へと変わっていく。


「神ながら護り給い、幸え給え!!!」


 五芒星の印が光り、手の中に鼠色の勾玉が現れた。


「六根清浄、急急如律令!!!」


 ドッという大きな衝撃と共に、目の前の印が手元から離れる。印は突進してくる鼠に、勢いよく命中した。


『…ギャァァァァァォァァ!!!』


 青白い光に包まれた青い目の化け鼠は、断末魔の様な叫び声を上げ、空中に霧散した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ