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作戦会議

 俺とテリアが城に帰り着くと、すでにユウナたちが戻ってきた後だった。どうやら二人で回った俺たちのほうが遅かったらしい。今回は比較的スムーズに選べたと思うんだが。


「遅いわよ、二人なのになんで私たちよりも遅いわけ? どうせ、センヤがまたどれにするか決めれなかったんでしょ」


 こういう決めつけはひどいな。今回の俺は今までの反省を生かしてほとんど選ぶのをテリアに任せてたんだぞ。それよりもテリアの暴走をよく止めたって褒めてほしいくらいだ。


「センヤさんの防具は私が選びましたよ。今日はそんなに迷ってないと思うんですけど、ユウナたちが早すぎませんか?」


 そうだ、ユウナたちが早すぎるんだ。どうして三人で俺たちよりも早いんだよ。


「私は何事もテキパキこなすのよ。この程度のことに時間をかけてなんていられないわ」


「もういいでしょ、ユウナ。こんなことで言い争うなんてばからしいよ」


「そうだね、明日の作戦会議でもしようよ」


 この場はルリとモエナがユウナを止めてくれたおかげで何とか納まった。ほんと俺たちのパーティまとまりないな。まあ、明日は個人戦だから関係ないか。




 その後、モエナの部屋に全員で集まって作戦会議をすることになった。


「まずは…………ユウナとセンヤさんは絶対に私たちから一番離れてるところを引き当ててください。途中でつぶしあうのはできるかぢり避けたいので」


「トーナメントの対戦表はくじ引きで決めるのか? 相当な人数が参加するはずだよな、それだと時間がかかりすぎるだろ」


「どうだっかなぁ、運営が勝手に決めるってことはないはずだから、たぶんくじ引きをするんじゃないかな」


 一体どんな規模のくじ引きをするつもりなんだ? くじ引きでテリアと初戦で当たるようなことになったら目も当てられないしな。俺のくじ運が火を噴く時が来たか。


「そんなの私じゃなくてあんたたちが当たらないようにしなさいよ」


「まあ、正直これは作戦でもなんでもないので神頼みです。それよりも厄介なことにルリと私は自己強化の回数が決まってるんですよ。うまく使わないと勝ち抜けません」


 うーん、ルリは素でそこそこ強いけど、テリアに関しては強化魔法を使わないと話にならないし何とか頑張るしかないだろ。あれ? そういえばテリアは相手の強さがわかるんじゃなかったっけ?


「テリアは相手の強さがわかるんだろ? それなら使い時も簡単にわかるじゃないか」


「は!? そうでした。最近は全く使う機会がなかったのですっかり忘れてしまってました。それではこの問題は解決ですね。ルリは毎回私に対戦相手を教えてください」


「ありがとう、これで少しは望みが増えるね」


 案外すらすら解決していくもんだな。くじはどうにもならないけど。


「ほかには何かありますか?」


「会場って私が魔法をバンバン使っても耐えられるのかしら? 耐えられないのならどの程度までは耐えられるのか知りたいわ」


 悪いけど、ユウナの魔法に会場が耐えられるとは思えないな。魔法とかで観客席とかは防御してるんだろうけどそれでもユウナクラスの魔法使いで結界を張れるやつとかいるのか? 俺は絶対にいないと思うな。


「それは明日戦いながら確かめるしかないよ。今日確かめに行って会場を壊したりしちゃったら大惨事になるから」


「かなりの腕の魔法使いが複数人で結界を張ってるらしいよ。前に見に行った時にパパが教えてくれたんだ」


 モエナの情報でかなり強力な結界が張られていることはわかったが、それでもユウナの魔法となると安心してぶっ放すわけにはいかないということになり、明日様子を見ながら威力を上げていくことになった。


「はい、はーい」


 モエナが急に手を上げ何かを言いたそうにしている。手なんか上げずにそのままいえばいいのに。


「なんですか、モエナ」


「私が負けそうな相手と当たったときにはテリアに強化魔法をかけてほしいな。そうしたらきっと勝てると思うから」


 そんなのありなのか? 反則になるんじゃ。


「どうなんでしょうか? 余裕があれば私は別にいいんですけど、ルール的には大丈夫ですか?」


「そんなもん、ばれなきゃいいのよ。誰も気が付くはずないわ」


「いや駄目だろ、いきなり強くなってたら誰でもおかしいと思うわ!!」


 思わず突っ込んでしまった。まさか本気で言ってるわけないよな?


「それは流石に反則になるんじゃないかな。個人戦で他人の力を借りてる時点でかなり怪しいよ」


「そうだろうな。あきらめて自分の実力で勝負しろってことだよ」


「やっぱり無理だよね。私負けたくないなぁ」


 負けたくないのは全員一緒だろ。反則負けのほうが普通に負けるよりもよっぽど恥ずかしいわ。


「こんなもんですか? ほかにないならこれで終わりますよ」


「俺は特にないぞ、前日に何かしたところでたかが知れてるからな」


 俺に続き、ほかの三人ももう何もないようだ。


「それではこれで終わります。今日は戦闘なんかはしないでくださいよ、明日に響くので」


 これで今日の作戦会議は終了した。後は明日に備えて飯食って風呂入って寝るだけだな。


「ちょっとセンヤは話があるから残っててね」


「へ?」


 なぜか俺はモエナに呼び止められ、モエナの部屋に残されるのだった。

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