決闘
「それでは決闘を行うぞ。二人とも準備はいいか?」
「俺はいつでもいいですよ」
さっさとこいつをぶん殴ってやりたいしな。それにこんな可愛い子から頼まれたら勝つしかないだろ。
「センヤ君は冒険者ランクは何なんだい? それによってはハンデを上げないと勝負にならないからね」
「何を言ってるんだ? お前の役目はこいつを倒すことだぞ」
国王様ちょっと本音が漏れてますよ。俺をなめてやがるな。ま、ハンデをくれるんならもらっておくとするか。
「どうだろうな、なんせまだ冒険者になって一か月もたってないから一番下なんじゃないか?」
「よく私と決闘する気になったもんだね。自殺行為でしかないよ、かわいそうに。そうだね……最初に私を攻撃していいよ。魔法でもなんでも好きにするといい。それでわかるはずさ、私と君の格の違いがね」
上からで非常にうざいが攻撃してもいいといってるんだ、渾身のやつをお見舞いしてやるよ。
「本当にいいのか? 本気で行くぞ?」
「ああ、きたまえ。できるだけ早めに降参したほうが怪我が少なくて済むはずだから、無理だと思ったらすぐ降参するんだよ。私は無意味に弱者をいじめるのは好きではないんだ」
ほんとにどこからこの自信が出ているんだ? 一回頭の中を覗かせてほしいもんだ。
「センヤ、あいつの言う通り無理だと思ったらすぐ降参するんだよ。今回ばかりは相手が悪いから」
「心配するなよ、ルリ。お前も気楽にあいつらと一緒に応援してくれればいいからさ」
そんなに心配することないのにな。俺だってかなり強いはずだろ? それにあいつは先に攻撃していいといってるんだぞ。もうそこで決めてやるよ。でも本気でいってあいつは死なないか? Sランク冒険者だし大丈夫かな? でも俺の身体能力もやばいもんなぁ……。初めは半分くらいの力で行こうかな。殺しちゃったら流石にまずいし。
「それじゃあ、行かせてもらうけどいいか?」
「いつでもどうぞ」
その涼し気な顔にパンチをくらわしてやるよ。半分くらいの力でな。
「ハッ!!」
俺は地面をけり、一気に加速しジェラの顔面へとそこそこ本気のパンチを打ち込んだ。
バンッ!!
「グヘッ」
俺のこぶしは見事に奴の間抜けな顔にぶち当たり、すごい勢いで吹き飛ばした。
ドカンッ!!!!
そのままジェラは耐えることもできずにその勢いのまま壁に激突した。
「は? おい!! ジェラ。ふざけてないで早く起きてこい。お前が絶対勝てるから安心しろって言ったからこの決闘を行ったんだぞ」
「…………ふぅっ、ははっ……これからですよ…………」
バタッ
何とか意識を保っていたジェラはそういい残した後、倒れこみ意識を失ってしまった。
あれ? Sランク冒険者なんだよな? あいつ。俺からワンパンされるってどうなの?
「やったーー!! やるじゃないセンヤ。これで私も冒険者になれるわ」
「相手が雑魚でよかったわね。あれだけの前振りでこのざまとかほんとにあれはSランク冒険者なの?」
「そんなことはどうでもいいですよ、ユウナ。私は最初に見たときからセンヤさんには到底及ばないとわかってたんで安心して見てられましたけど」
「嘘? ほんとに倒しちゃったの?」
みんな喜んでいるみたいでよかった。そういえばテリアは見た奴の強さが大体わかるんだったな。言ってくれたらもう少し手加減して殴ったのにな。そうすればもう少し決闘らしくなったはずだ。
「俺は認めんぞ、こんなのは向こうだ。俺は初めって言ってなかったろうが!!」
「見苦しいですよ、パパ。約束してくれたじゃない。この決闘で勝ったらそのパーティに私を入れるよう言ってくれるって」
かっこ悪すぎる。この人はほんとに国王なのか? こんな駄々こねてていいのかよ。
「絶対に嫌だ!! 私の可愛い娘を冒険者なんていう危ないことをさせるのは!!」
「約束も守らないような人は嫌いです!!」
あ、国王が泣いてる。よっぽど今の嫌いが刺さったのか? ほんとにみっともないな……こんなのが国王で大丈夫なのか?
「ぐうっ、仕方ない。絶対に危険なことをするんじゃないぞ。後、困ったことがあったらパパに言いなさい。仕事をほっぽり出しても助けに行ってやるから」
もうだめだ、この国は。
「君たちチームセンヤもこの子に危険が及ばないように全力で守るんだぞ。それとセンヤ、貴様俺の娘に変なことしたりしたら、殺すからな」
目がガチだ、これガチなやつだ。どんだけ娘大好きなんだこの国王は…………。
「任せてください、娘さんは俺たちのパーティが責任をもって守りますから」
「そんなことより早く報酬をよこしなさい。一体私がどれだけ待ったと思ってるのよ」
「ああ、すまない。娘のことで完全にそっちは忘れていた。そうだな娘の冒険者になった祝いと合わせてこの国の金庫の中身全部でいいか」
あほだ、やっぱりこの国王もうだめだ。絶対娘の祝いのほうが大半だろそれ? しかもそんなのもらったりしたら国民からどんなことをされるか…………流石に受け取るわけにはいかないな。
「少し少ないけど、いいわそれで」
「よくないから、そんなことしたら俺たちは今後どういう目に合うかわかったもんじゃないだろ」
俺がついガチで突っ込んでしまうと、ユウナと国王は冗談だろ何本気になってんだこいつは見たいな目で見てきた。いや、さっきまでは絶対本気だったろ!!
「まあ、冗談はこのあたりにしておいて……そうだな二千万Rでどうだ?」
おお、二千万だって!! 夢のマイホームも手に入るんじゃないか?
「ありがとうございます。ありがたく受け取らせていただきます」
その後、国王から報酬を受け取り城を一時後にした。姫様のほうはほんとは一切行かせる気がなったみたいで準備がまだらしい。また明日城へ迎えに行くことになった。それとジェラは放置しておくのもかわいそうなので一応病院へ連れて行った。




