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いきなりでびっくり

 まだ昼間だというのにみんな疲れたといって、クエストにも行こうとしない。一人だけピンピンしている俺は暇でしょうがない。もう一人でクエストに行ってくるか。


「俺、ちょっとクエスト行ってくるわ。このままここでぐーたらするのは暇すぎてつらいから」


「わかったわ、がっつり稼いで来なさいよ」


 ユウナに続き二人からもオッケーが出たので、俺は一人でギルドへと向かった。


 なんだかんだこうやって一人で行動するのは久しぶりだ。この世界に来てすぐにテリアに会ったからな。それ以降は常に一緒に行動してたし、そう考えるとこの世界ではほとんど初めてだ。


 ギルドへは数分でついた。一人で歩いているので、誰かにペースを合わせるということもなく、いつもよりも早く着いたと思う。


 中へ入ると、先ほどまでのこともあり、ほとんど人がいなかった。


「まあ、あんなモンスターが出現した後にクエストに行くのもおかしいのか? 俺には関係ないか」


 あまり気にすることもなく、クエストボードへと足を運んだ。

 どれに行こうか?…………あ、俺が一人でクエストを決めれるのか? いや、無理だろ。こんな弱気じゃだめだ。俺は今日ここで自分の限界を超えるんだ。そうだ、俺ならできる!!


 数十分後――――駄目だ、どうしても決めれない。難易度とか報酬とかいろいろなことを気にしすぎて、もう何が何だかわからない。あーーどうして俺はこうなんだ…………。


 その後も後から来た人はすぐにクエストを決めどんどん去っていく中俺だけはいまだにクエストボードの前に仁王立ちしていた。


「ああーーーー!! センヤさんこんなところにいたんですか!!」


 いきなり大きな声で名前を呼ばれ、ビクッとなってしまった。

 びっくりしたぁ、誰だ?


 俺が振り向くと、受付のお姉さんがこっちに走ってきていた。今までいろんなところを走りまわっていたのがすぐにわかるほど髪もぼさぼさで、息も切れていた。


「はあ……センヤさん探しましたよ、本当に。……まさかあの後にギルドにいるなんて思いもしませんでした」


「どうしたんですか? またモンスターですか?」


 俺がそう聞き返すとお姉さんは少し息を整えてから話始めた。


「今日のことをギルドの本部へ報告したところ、色々あってセンヤさんが国王から直接報酬をもらうことになったんです」


 真剣な表情で伝えてくるのだが、渾身の演技で嘘をついているとしか思えない。俺たちが国王から報酬だって? いやいや、あのモンスターくらいでそれはないだろう。あれくらいのモンスターでこんなことになるんだったらユウナは毎日国王に会えるんじゃないか?


「なんですか? わざわざ俺にそんなウソをつく意味があるんですか? あ、まさか報酬が払えないからってごまかしてません?」


「なにいってるんですか? そんなこと言ってる場合じゃありませんから。早くパーティの皆さんと王都へ向かってください。このフォーリスはランジニアの四大都市のひとつですよ。そんな街を救ったんです、チームセンヤの皆さんは。国王から直々に報酬って言っても全然おかしくないんです」


 そういえば今日来た時にこの街が滅ぶとかどうとか言ってたな。確かに、そう考えるとあながち嘘でもないのかも。


「でも、その王都へはどうやって行けばいいんですか? と言うよりどこにあるか知りません」


「なんでそんなことも知らないんですか?  王都ですよ!! 王都。まあ、いいです。センヤさんが知らなくてもほかの三人が知ってるでしょう」


 王都を知らないというのは流石におかしかったのか、お姉さんもかなりびっくりしていた。でも本当に知らないんだからしょうがないよな。


「とりあえず王都に行けばいいんですよね? でも着いたらそのまま城にでも行けばいいんですか?」


「それなのですが、最初にギルド本部へ向かってください。そうしたら、ギルドマスターから国王へと報告が行き謁見の日付が決まるはずです」


 ギルドの本部って王都にあるんだ。あー、だから国王にも今日の話がいってるんだな。


「わかりました。できるだけ早く、王都につくよう頑張ります。明日にでも出発します」


 俺がそういうと、お姉さんがグイっと顔を近づけてきた。気迫がすごいんですけど…………。


「駄目です。今日出発してください。相手は国王ですよ、なにのんきに明日とか言ってるんですか」


「は、はい。わかりました。かえって三人に伝えて、すぐに出発します」


 俺は急いで宿へと帰った。




「おい、お前ら王都行くぞ」


 部屋に帰るや否や俺はそう叫んだ。


「は? なんでよ。いやに決まってるじゃない。今日はもう疲れたから部屋から出ないの、それが部屋どころかこの街から出るなんてありえないわ」


「私もです」


「理由を教えてほしいかな、さすがにいきなりどんなこと言われてもね」


 三人に普通に拒否された。まあ、わかりきっていたことだが…………はあ、じゃあ理由を説明しますか。


 俺はお姉さんから聞いた話をそのまま三人に伝えた。


「国王だかなんだか知らないけどなんで私がわざわざ行かないといけないの? 自分が来なさいよ」


「ユウナ、よく考えてください。国王から報酬ですよ、生半可な額じゃないはずです。これは行くしかありませんよ」


「いや、金額とかそんなの関係なくいかなくちゃ駄目だよ。国王だよ。なんでユウナはそんなこと言ってるの?」


 理由を伝えると、賛成二人、反対一人と状況が変わった。


「そうだぞユウナ。これは流石にいかないとまずだろ。国王の命令無視とか何されるかわかったもんじゃなしな。それに俺が行く時点でお前が行くのは確定してるだろ。神罰食らいたいのか?」


 神罰の話をすると、ユウナの顔色が真っ青になった。


「それは嫌!! 何が起きるのか全く予想できない…………」


「神罰ってなんだか知らないけど、国王の命令無視のほうがよっぽどやばいよ」


 ルリは神罰について知らないのでなんでユウナがそんなに気にしてるのかわからないみたいだ。実際どんなことが起きるのかは俺も知らないけどな。できれば食らいたくない。


「仕方ないわね、移動中はしっかりおんぶするのよ。それなら、ついていってあげる」


「だそうだ、ルリ」


「え、私なの? うん、わかったよ。行かないよりはおんぶのほうが絶対にいいからね」


「私もおんぶしてくださいよ、センヤさん」


 なんでこいつらは自分で歩こうとしないんだ。てか歩いていくのか? 馬とかは? 


 とりあえず全員行くという意見で一致したので、身支度を済ませ、俺たちは宿を後にした。

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