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散文駄文まとめ  作者: 甲斐利右衛門
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27/70

スクリーン

ゆのぼせる


帰省の時に実家近くの露天風呂に入った


あいにくと今日の天気は曇りらしい


曇った空はとても暗く

夜空にカーテンが降りたかのようだった。


ずっと見ていても変わらない一面の黒


熱いはずの湯に浸かっていることさえ忘れるほど

その黒は熱さすら飲み込んでしまいそうだった


普段の夜空も好きだ

星が見える夜も好きだし

月が浮かぶ夜も好きだ


けれどたまにはこういう夜空も嫌いじゃない


この空の向こうには

無限の星々があるのだろう


けれど今俺の目に映るのはこのスクリーンだけだ


何も映さない真っ黒なスクリーン


なんて贅沢な映画なんだろう


そう思いながら俺はゆっくりと湯を楽しんだ



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