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散文駄文まとめ  作者: 甲斐利右衛門
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21/21

切る

チョキチョキ


日本語には「切る」という漢字がある。


文字通り物を両断すること、それ以外にもいくつもの意味を持つ多義語として使われている。


けれどどの意味で使ったとしても、その先にあるものはよく似ている。


一度分かれてしまえば元に戻すことはできない。


だが日本人は「切る」という言葉を少し簡単に使いすぎているのではないだろうか。


縁を切る。絶縁する。関係を切る。袂を分かつ。


どれも少しずつ違う言葉なのに、その根本にはやはり「切る」というものがある。


まるで人と人との間にあるものは、鋏を入れてしまえば簡単になくせるもののように。


けれど本当は切ったからといって、そこにあったものまで消えるわけではない。


切れたのは繋がりだけで繋がっていたという事実までは切ることができない。


だからこそと私は思う。


何もかも切ってしまったところで、本当の意味で人と人が繋がることなど最初からできないのではないだろうかと。

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