百八十四話 神殿を護る守護者(ガーディアン)
「はーっ!!」
アリスの剣とゲルムの剣がぶつかり合う。何度も混じりしながらも少しばかりゲルムが優勢という感じか。
「どうした?あの時より弱く感じるぞ!」
「うるさい!」
そう言いながらも何度もアリスは攻撃を仕掛けるその剣には焦りのようなものが見え、早く勝負を決めようと無造作に振っているような感じだった。
「そんな焦って戦っても勝てないぞ?そんなに杖が取られるのが嫌か?」
「うるさい!」
「あいつらに協力して本当に使わせてもらえると思ってるのか?そんなのあいつらにメリットすらないじゃないか」
「それは...」
その言葉にアリス何も言えなくなる。頭の中がテティをあの杖で復活させるという事ばかりが頭に渦巻いていてそれ以上のことは何も考えていないのだろう。
「ふん!この程度なら時間稼ぎどころかお前を倒してしまうかもな!」
「あなた程度なら!」
そう言って剣を振る。それを見てゲルムは少し嬉しそうな顔をした。
「なんじゃこりゃあ!」
一方、大きな石像と対峙していたネネ達はその大きさに圧倒されていた。腕は4本あり2本を動かし残りの2本は胸でクロスさせている。
「ここの場所を守る 守護者ってところかしら?」
「どうしますか?」
「どうにか相手をせず突破したいところたが...あ!」
イズがそう叫び向こうを指差すとヘントールが奥に続く道へと進もうとしている。
「私たちも追わないと!」
「いや、少し様子を見よう」
ヘントールが進もうとすると行く手を塞ぐように拳を振り下ろした。ヘントールは「ひっ!?」と言いながら危なっかしく避ける。
「あいつに気を取られてる隙に行くぞ!!」
「はい!」
イズの号令で走り出す。すると胸のとことでクロスさせていた腕を動かしネネ達の進行を妨害して進む事ができなくなってしまった。
近くにあった岩陰に隠れると動いが止まり、どうやらあの石像をはこちらの動きを感知して動いているようだった。
「どうやらあいつを撹乱させる必要があるようだな。その隙に行くしかない」
「どうするの?あの魔物のこともあるし...」
「では私とイズ隊長はあの石像を倒すのであなた方姉妹は魔物の頼みます」
その提案に「待ってください!」と言ったのはミミだった。
「私達があいつをどうにかします」
「ちょっとミミ!」
「よろしいのですか?」
「はい、お姉ちゃんやろうよ!」
「あーもうわかったわよ!
そう言ってネネは頭を掻く。そして姉妹揃って勢いよく石像の方へと動いた。
「行くよミミ!」
「うんお姉ちゃん!!」
ミミが魔物を複数呼び出しその腕では扱いきれないぐらいの数で攻撃を仕掛ける。石像も負けないぐらい攻撃を仕掛ける。だがその硬さではビクともしない。
「おい!あいつ!」
「ええ」
石像が完全にネネ達に向いているからか隙をついてヘントールが奥に行くのが見える。それに気づいたイズ達は急いで後を追った。
「はーっ!!」
「おりやぁ!!」
何度も攻撃を仕掛けるが石像というだけあって硬さはかなりのもので傷ひとつつけることすらできない。周りを動き回るミミの魔物を全て振り払い、石像の拳がネネに向かう。
「危ない!」
そう言ってネネは攻撃を防いだ。だがその攻撃を凌ぎきれず床にヒビが入るほどの拳が襲い掛かった。
「お姉ちゃん!!」
「大丈夫...!」
かなりの深手を負ったがまだ動けるという感じだ。このままでは埒があかないと判断し秘策を使うことにした。
「行くよお姉ちゃん!!」
「うん」
ネネとミミは持っている武器を捨て新たにかなり大きな剣を取り出す。その剣は何十倍に巨大化して合わさり、1つの剣となる。
「これは2つで1つの剣となる武器!!」
「波長のあった者達だけが扱える剣!」
「私たち姉妹なら扱える!!」
2人が各々の持ち手を持って勢いよくその剣を振り下ろした。石像は全ての腕を顔の前でクロスさせガードしようとするが、その一撃を防ぎきれず粉々に粉砕された。
「やった!」
「見た?私たちのコンビネーション!!」
「お姉ちゃん早くみんなを追って...!」
「そうはさせない」
そこに現れたのはアリスとユオだ。ということはゲルム達はやられてしまったということだろう。
「アリスさんいいんですか!?絶対あいつはアリスさんの思うようにはいかないですよ!」
「ええ!絶対利用するだけして独り占めにでもするわ!!」
その言葉にアリスが何も言わなかった。それでもテティのために後戻りはできないのだろう。
「アリス!!聞いてんの!?」
「ユオあなたに彼女らは任せるわ」
「ああ」
ユオはそれだけを言うとネネ達に襲いかかる。そしてその隙にアリスは奥に進もうとする。
「ちょっとアリス!」
「お前の相手はこっちだ!」
そう言って襲いかかってくるユオを仕方なく相手するネネ達だった。
「あーもう!あんなやつとっとと片付けて先行くわよ!ミミ!」
「うん!お姉ちゃん!」
「おいあそこか?」
「ええ、間違いないです」
マックスヒーローズの3人、マブ、アル、ホーはそう言いながらアリスが入って行った入口をみた。
「あいつが行くんだきっとお宝があるに違いない!!」
「いいんですか?リーダー?」
「ああ、あいつらのものはおれのもんだ!!」
「さすがリーダーだねぇ」
「リーダー見てください!!」
そう言いながらアルが指差す。そこには何やら人型のモノがいた。おそらく人間では無いことは確かだ。奇妙奇天烈な化け物の姿で何かの名前を呟きながら歩いている。
「おいなんだありゃ?」
「わかりません。でももう少し様子を見てたほうがいいですよ」
「さんせーい」
「ああそうだな...」
そう言いながら3人はその奇妙な姿の化け物がアリスの後を追って中に入っていくのを見ていた。




