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第十二話

「なるほどねー。話は分かったわー。あなた達が倒した山賊達は最近北の渓谷に住み着き始めたみたいだったのー。北からくる冒険者達を数の力で倒して、身ぐるみを剥いでから殺していたみたいー。迷宮都市にくるのは将来有望でそこそこ実力も、金もある冒険者達だから、カモにしていたのねー。ここに来る前もロクなことをしていなかったみたいだけどー。………実は少し前から北から来る冒険者が少なくなったっていうので調べてたのよー。最初襲っていたのは徒歩でやって来た冒険者ばかり。馬車は素通りさせていたから情報が伝わるのが遅かったのねー。………そして大岩を利用することで今度は馬車を襲う計画を建てた。そこを、あなた達が返り討ちにしたって訳ねー。さすがに馬車が来なくなったら私達も調査隊か討伐隊を送っただろうけど、そのころには逃げちゃってたでしょうねー。だからあなた達には感謝してるわー。ありがとうー」

「いえ、俺達は襲われたところを返り討ちにしただけですから。………用はこれだけですか?」

「まさかー。本題はこれからよー。クウヤ君、君………〈異世界人〉でしょー」

「まさか。俺はただの〈異世界人〉の子孫ですよ」

「ただの〈異世界人〉の子孫にしては君、強すぎるのよねー。それに、君だけならまだしもエレミアちゃんも凄まじい力を持っている。〈異世界人の信愛〉って称号があると、倍くらいに強くなるのよねー」

「エレミアに才能があったというだけでは?エルフは魔法が得意らしいですし」

「それにしたって限度があるわー」

「そもそも、俺の〈ステータスカード〉には〈異世界人〉の称号はありませんよ」

「〈ステータスカード〉は〈隠蔽〉とか〈偽装〉スキルでごまかせるのよねー。それに、あんまり嘘ばっかり吐いてると〈嘘吐き〉って称号がついちゃうわよー?」

「えっ?」


慌てて〈鑑定〉を自分にするが、そんな称号はついていなかった。


「あはははは、うそうそー。本当にあるのは悪意のある嘘を重ねるとつく〈詐欺者〉って称号よー。なかなかいないけどねー。ちなみに嘘をつくと〈嘘吐き〉の称号がつくぞって脅すのは、この世界で子どもを躾る時の常套句なのー。たいていの人は知ってることよー。………君は知らなかったみたいだけどねー」

「うぐっ」

「さっき自分の腕を見たわねー?多分だけど、自分を〈鑑定〉したんじゃないかしらー?」

「うぐぐっ」

「………さすがの〈異世界人〉も交渉事はまだまだねー」

「………はあ、俺が〈異世界人〉だとして、どうするつもりなんです?」

「別にどうもしないわよー?」

「へ?」

「ここは迷宮都市。一応は冒険者ギルドが元締めだけど、腕っぷしがものを言う世界よー。もともと外の〈迷宮〉を攻略できるだけの実力がある人間ばかりだから、生活の糧には困らないのよー。必然的に犯罪も少ないってわけ。起きてもその辺を歩いてる腕利きがすぐに制圧しちゃうしねー。だから犯罪行為はよしといたほうがいいわよー………って話が脱線したわねー。ようするに、ここには出自とか立場を気にする人はいないってことー。〈異世界人〉だからって厄介ごとに巻き込まれることはないわー。〈異世界人〉は強い人が多いから一目は置かれるだろうけどー」

「はあ、そうなんですか。」

「だから、正直に話してくれると助かるかなー?この世界に来たばっかりの君には後ろ盾が必要だと思うけどー?」

「………わかりましたよ。正直に話します。」


俺はこの世界に来てからのことをかいつまんで説明した。しかし、〈スキルコピー〉のことはぼかして伝えた。


「そうだったのー。この世界に来てから2週間も経たないうちに〈武神〉を習得するなんて、クウヤ君のユニークスキルはよっぽど強力なのねー。」

「〈武神〉がどんな職業か知っているんですか?」

「神の名が付いた職業は特別だってことは知ってるわねー?それは、その職業に就くために特別な条件が必要だからなのー。〈武神〉の条件は分からないけど、転職の儀の時に、物理系の職業が〈武神〉しかなかったんじゃないかしらー」

「はい、そうですけど………。じゃあ、俺はこれ以上新しい物理系の職業に就けないってことですか?」

「いいえ、そうじゃなくて、神の名が付いた職業に転職する人は必ずといっていいほど最初の転職の儀で転職するか、生まれつきその職業に就いているかしているのよー。まるで本当に〈神〉に選ばれたかのようにねー。神の名が付いた職業に就いた後に新しい職業に就く場合は、また新しい可能性が増えるらしいから、クウヤ君も新しい物理系の職業に就けるんじゃないかしらー?」

「〈神〉に選ばれたか………。なにか厄介ごとに巻き込まれそうなかんじですね。」

「〈神〉に選ばれたと言っても、所詮はただの職業だわー。そういう称号でもつかないかぎり、そうそう厄介ごとになんて巻き込まれないわよー」

「そうですか。安心しましたよ。これで話は終わりですか?」

「ええ、もうすぐ査定の結果がでると思うから、それまで待っててねー」


すると少しして部屋をノックする音が聞こえた。


「失礼します。査定が終わりましたので、ご報告に参りました。」

「はい、ごくろうさまー。それで、いくらになったのー?」

「はい、全部で朱金貨10枚、10億円ですね。」

「「「「「「じゅ、10億円~!?」」」」」」

「そう。ま、妥当なところでしょうねー。はい、認可しますっと」


ナターシャさんは差し出された書類にサインした。


「それじゃ、クウヤ君、朱金貨10枚ー」

「はい、ありがとうございます。………おい、ナイン」

「お、おう、なんだ兄ちゃん」

「ほい、朱金貨1枚」

「おう。ってええええぇ!」

「なんだ、そんなに嬉しいのか?」

「いやいやいや、報酬はいらねえって言ったじゃねえか、兄ちゃん。こんな大金受け取れねえよ」

「いいから受け取れ。それは口止め料だ。………それにミリィのこともある。お前たちで引き取ることにしたんだろ?」

「お、おう。まあそうだけどよ」

「だったらなにかと物入りだろう。養育費の足しにでもしてくれ」

「兄ちゃん………。養育費には多すぎるぜ」

「いーじゃない、細かいことは!ねえねえあたしギルド前にあったお店でケーキ食べたい!」

「いえいえ、このお金は計画的に使うべきでしょう。まずは拠点を手に入れるべきかと」

「わ、私もケーキ食べたいです」

「新しい刀が買えるでござるな」

「ケーキもいいけど、新しい服も欲しいわね」

「お、おまえらなあ!」

「アハハハハ、まあいいんじゃないー?運も実力の内よー。迷宮都市には冒険者学校もあるから、そこにミリィちゃんを通わせるのもいいんじゃないー?」

「!冒険者学校!?そこでなら冒険者になれるの?」

「お、おいミリィ?」

「ええ、もちろんー。ちゃんと卒業出来ればねー」

「わたし行きたい!冒険者になって、お姉ちゃん達のお役に立つの!」

「う………。ダメだこりゃ、あんときのチーナとおんなじ目をしてやがる」

「な、なによそれー」

「僕達が置いていこうとしても、勝手に着いてきましたしね」

「わ、私の警戒網も抜けてきたですー」

「拙者の威圧にも耐えたでござる」

「ほんと、下手な魔物より厄介だったわー」

「なによ、もう昔の話でしょ!」

「はあ、もう仕方ねえか。学校に行きゃあ友達だって出来るだろうしな。ただな、ミリィ。冒険者は遊びじゃねえんだ。なるからには覚悟を持つんだぞ」

「うん!」

「………決まりだな。それじゃあこれで俺達はお暇します。みんな、俺が〈異世界人〉だってことはだまっててくれよな。」

「おう、それは構わねえが、ホントにこの金もらっていいのか?」

「くどい。俺がいいって言ってるんだからそれでいいんだよ」

「兄ちゃん………いやクウヤ。この恩は必ず返すぜ」

「冒険者ギルドは〈迷宮〉を攻略する全ての冒険者の味方よー。いつでも相談に来てちょうだいー」

「わかりました」


俺達はナイン達と別れ、冒険者ギルドを後にした。


「さて、もう遅いし、宿屋を探すか」

「はい、ご主人様」



俺達は宿屋で1泊すると、金の使い道を相談する事にした。


「それで、金の使い道だが………家を買おうと思う」

「家を買うのですか?借りるのではなく?」

「ああ。ラビリンスの攻略には10年20年単位の時間がかかるだろうからな。借りるよりも安上がりで済むだろう」

「そうですね。私からは、女性の奴隷を買うといいと思います」

「女性の奴隷ってエレミア………。それって」

「はい、女性なら〈異世界人の信愛〉を得られるかもしれませんし、奴隷なら裏切られることはありません」

「エレミアはそれでいいのか?それって俺が他の女性を抱くってことだぞ。」

「ご主人様………。私はご主人様を独占出来るとは思っていません。ご主人様は優しすぎます。私を救ってくれたばかりか、ナインさん達に援助までしてしまって。私は………不安なんです。その優しさのせいでまたよからぬ事が起きるんじゃないかって………。だから、いざというときにご主人様をお守り出来る人が必要だと思ったんです」

「エレミア………」

「ご主人様。ご主人様は凄い方だと思います。関わった人を幸せにしてくれる………そんな力を持った人だと。どうか、私以外の人達も幸せにしてあげてください。それがご主人様の幸せにつながるはずです」

「わかったよ、エレミア。でも仲間にするなら〈永久奴隷〉にしよう」

「えっ?」

「独善的かもしれないけど、一緒に闘うなら同じ目的を持っていた方がいいだろ?もちろん、エレミアが一番なのは変わらないと思うけどな」

「ご主人様………ありがとうございます。」

「さあ、早速家から買いに行こう!」

「はい!」



俺達はギルドで教えてもらった不動産屋に来ていた。


「いらっしゃいませ!どのような物件をお探しですか?」

「家を買いたい。間取りは、部屋数は少なくていいから、広い部屋がいいな。風呂も広いとありがたい」

「少々お待ちください。………条件に合うような物件が1つだけ見つかりました。これから見学されますか?」

「ああ、お願いする」

「わかりました。少し遠いので、乗り合い馬車で行きましょう」



俺達は住宅街のある西区の外れに来ていた。


「ここが例の物件です」

「ここは立地条件はどうなんだ?」

「ここは西区でも外れにありますから〈迷宮〉へは遠いですね。しかし、商店街のある南区にほど近いので買い物には便利ですよ。さっそく中を案内しましょう」


家の中は、玄関に2階につながる階段があり、右手に広々としたリビング・ルームとダイニング・ルームがつながっていた。キッチンは全て魔道具製なのか、かなりスッキリとしている。左手は壁だ。


「こちらがお風呂場になります」


リビング・ルームについていた扉をくぐると、そこは脱衣所になっていて、洗面台とお風呂場に続く扉があった。

お風呂場に入ると、これまた広々とした浴槽があった。10人くらい入れそうだ。


「ほう、これは広いな。この浴槽を魔道具だけで満たすのか?」

「いえ、迷宮都市の風呂は全て温泉になっています。近くに火山帯があるのでそこから湯を引いています」

「温泉!効能は?」

「肩こり、腰痛、リュウマチなどに効果があり、美肌効果もあるそうですよ。ただし、飲用には適さないので、水は魔道具か魔法で用意してください。2階をご案内しましょう」


2階には部屋が2つあり、左手の部屋の方が大きかった。


「こちらの大きい部屋のほうが寝室になります。見ての通りかなり大きいので、生活空間としてもご利用出来ると思いますよ。右手の部屋でも十分なスペースがあるので、お好きな方をお使いいただければと」

「寝室からはテラスに出れるんだな」

「はい、そこは主に洗濯物を干すための場所となっております」

「いい物件じゃないか?エレミアはどう思う?」

「はい。私もいいと思います。」

「よし、この物件はいくらだ?」

「5000万円になります」

「よし、買った!」

「ありがとうございます。では契約などがありますので私どもの店に戻りましょうか」



店に戻った俺達は即金で代金を支払い、家を手に入れた。それからすぐに家具を買って回った。ベッドはもちろんキングサイズだ。あの寝室ならこれくらいが相応しいだろう。俺達はさっそく家に帰り、家具を取り付けて温泉が出るという風呂に入ってみることにした。


「は~極楽極楽。気持ちいいな。エレミア」

「はい。お肌がスベスベになりそうです!」

「………明日には奴隷を買ってくることになる。この家で2人っきりなのも最初で最後か………」

「ご主人様………?」

「エレミア、ちょっとこっちきてくれ」


俺はエレミアを自分の膝の上に座らせた。そしてエレミアのCカップに成長したおっぱいを揉みしだく。


「あっ、ご、ご主人様ぁ」

「エレミア………夜はまだまだ長いぜ。」


そうして夜は更けていった………。

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