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第1話:はじまり

あ、きた…。

暗い暗い闇の中で、ひとりぼっち。

なにかが、せまってくる…。


手が汗ばんでくる。

心臓が、太鼓みたいにドンドンおっきな音を立てて響いてくる。

あたしは、目を閉じて布団にもぐって、ぎゅっと丸くなる。


…。


しばらくして、布団から顔を出す。

嵐が去ったからだ。



「寝よ…。」


何とも言えないこの感覚の後の虚脱感の中で、あたしは眠りについた。



「もーそろそろ起きなさいよー!」


お母さんの声が1階から響いてくる。


朝だ…。

はぁ、だるいなぁ…。


トントントンって1階におりてく。


「ほらー、ダラダラしてたら、遅刻するよー。早く用意しなさい。」


「わかってるって…。」うるさぃなぁ。



時計を見ると、8時ちょっと前。


お母さんが1人、台所で洗いものをしている。


お父さんは、いつも、7時前に仕事に出かけていく。


バタバタバター!

後ろから、勢いよくドアが開いた。


「きゃー!時間ないよー。もぉすぐ、潤が迎えにきちゃうのにぃー!」


妹の亜紀だ。

あたしより、4コ下の中学1年だ。

姉から見ても、お世辞なしでかわいい。


「朝ごはんは?」


「いらなーい!それより、マスカラがなくなったぁ、楓ちゃんの貸してー!」


「洗面所に置いてあるから、使っていいよ。」


「ありがと!」


亜紀は、そう言っていそいそ洗面所へ行った。

ちょっと前まで小学生だったのに、化粧をする年頃になってしまったのか…。


「もぅ…、朝ごはん、せっかく作ったのに…」


お母さんの小言を聞き流しながら、あたしはテレビをつける。味噌汁をすすりながら、今日の占いをチェックする。


「あらっ!お母さん、今日1位やん!楓ちゃんは、まぁまぁやねぇ」


まぁまぁねぇ…。

まぁ、いいんだけど…。


ピンポーン。


「楓ちゃん、出てー!」

亜紀の声。


…あたしは、パジャマなんですけど。

まぁ、いっか。


ドアを開けると、まだあどけない感じのかわいい男の子が立っている。

潤くんだ。

亜紀の彼氏。


「おはよー。亜紀、用意まだなん。もーちょい待ってあげて。いつもごめんね。」


…って、なんで、あたしが謝る。


「あ、はい。じゃあ、家の前で待ってますね。」


そう言って、潤くんはにっこり笑った。

笑顔がまたかわいい。


はっ!あたしも、見とれてないで、早く用意しなくちゃ!


ダラダラ、用意しているうちに亜紀は、出かけて行った。

あたしも、走って学校に向かわなくちゃ。


「行ってらっしゃーい。」


お母さんの声が後ろから響く。


玄関のドアを閉め、学校に向かって走りはじめた。

今日もギリギリかなぁ…。


走り出した足を止める。ドキリ

…またあの感覚が来そうな予感…


ふーって一息。

空を見上げる。

今日は、大丈夫だ。


そして、また学校に向かって走り出す。



あたし、井上楓、高校2年。

いつもの生活がはじまる。

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