プロローグ
5歳の薔薇が咲き乱れる頃
その日は確かあいにくの曇り空でそのせいか癖毛の髪が思ったようにまとまらず、憂鬱なままお茶会に参加したのを覚えている。
案内された席に座り正面を見て息をのんだ。前に座ってるいる方があまりにも素敵だったから。
幼心にこれが恋なのだとわかった。
目が合った瞬間瞬きも忘れどうすればいいかわからず不躾にもじっと見つめ続けてしまった。
相手も目を逸らさずこちらを見ていて、心臓の音がうるさくなり周りの音が聴こえないほどだった。
しばらく固まっていたがハッとする。黙ったまま見続ける変な子だと思われる。
ごきげんようと言わなくては名前を言わなくてはお名前をきかなきては
頭の中にいっぱい出てくるが口から言葉が出なかった。
とりあえず精一杯の笑顔を作る。
そうすると相手も微笑んでくださった。
それが私と彼の初めての出会い。
年に1ヶ月間ある社交シーズンのたびに逢瀬を重ねた。
16歳の社交シーズンの時事件がおきた
「お前わたしのルルに何をしたのかわかっているのか」
「まぁ怖い。ロベルト様そう怒らないでくださいまし。ただ私は躾のなっていない猫を追い払っただけでございます」
薄れゆく意識の中で彼の声と真っ赤な口紅を引いた残虐めいた笑みが見えた
「ルル!目を開けろルル!」
ロベルト様ご心配をおかけしてごめんなさい。
ふつりと意識が途絶えた。
お兄様の苦労話が始まります
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ちなみに「ルル」はフランス語や英語の意味で断じてドイツ語ではないです




