振られた理由
死後の世界みたいな所です。
真っ白な世界。
死んだはずの秋山はその世界でさまよっていた。
生きてるのか?それとも死んでいるのだろうか??
そんなわからない状態が続いている。
自分の遺志は確かに存在する。
が、はっきりとした自分の個体がわからない以上断言できない。
死んでいるなら…いや……死んだんだよなオレ………
「そうだね。秋山くんは車に跳ねられた後、間違いなく死んだんだよ」
とても、とても軽い調子の返事が返ってきた。
誰だろうか?
それより、やはりオレは死んだんだな……
今更どーでもいいか………
「ありゃ、そんなに彼女に振られたのがショックだったのかい?自殺するくらいだもんね。でも、彼女とは結ばれなくて正解だよ秋山くん。彼女はキミに嘘をついていたからね」
………嘘だと?
「そうだよっ。彼女はキミの事を騙していたんだよ」
あんたが何者かこの際どーでもいいが……
あまり変な事を言わないでくれよ……………
「…そうかい。秋山くん、キミが告白したあと彼女は友達に話していたよ。キミを振った理由をさ。もし秋山くんが知りたいなら教えてあげようかなと思うけど………どうだい?」
こいつは何を言ってるんだろうか?
そんな事できるもんならやってみろよ……
これ以上オレをからかうのは辞めろよっ!!
「オッケーだね…。では、秋山くんの頭の中に直接映像を送るよ……」
その直後だった。
オレの頭に痛みが走った。
電流のような、頭を焼かれてるんじゃないかと思うくらいの激痛が襲う。
痛い、
ヤバイ、
止めろぉーーーーーーーーーーーー!!!!
声に出ているかわからないが、みっともなく喚いていた。
いつまで続くかわからない。
痛みもそうだが、終わりが来るのかさえわからない恐怖が迫る。
「…うるさいよ秋山くん。男の子なら我慢………っと」
痛みがなくなった…………と同時だった。
何か、ぼんやりと視界の先に映像が見えてきた…………
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クラス女子「遅いなぁー優花…。何やってんだろ?」
優花「ごめーん!遅くなったよー!」
校門の前。
三宅優花はクラスの女の子と帰る約束をしていた。
優花「秋山の話が長くてさー!本当にごめんっ!」
クラス女子「いや、いーょいーょ。…で、話って何だったの?まさか……アレ?笑」
優花「そーなんだよ!あいつさー私が何か脈あると思って勘違いしてたみたいだけどさぁ…まさか今日告られるとは思ってもなかったんだよねー!!(笑)」
二人の笑い声が聞こえる。
優花「こう、決め顔でさ秋山のやつ、“オレは皆じゃなくて、優花と二人きりで過ごしたいんだ…。オレと付き合って下さいっ!!”だってさー!!(笑)凄い気持ち悪かったよ…」
クラス女子「それはキモイわーないわー(笑)」
優花「親が秋山の家から借金してるらしくてさー。今まで仕方なく仲よくしてただけなのに…勘違いって凄いよねー」
クラス女子「アハハ。でも優花、小学校の時の作文で秋山のお嫁さんになるっていってたじゃんっ!!(笑)」
優花「もぅ…あれは昔言ったけど、お母さんが無理やり書かせただけなのっ!!いい加減そのネタやめてよー!」
アハハ、アハハ、アハ、アハ、ハ………………
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秋山啓一のフラグだと思っていたモノは
全て真っ赤な偽物だと
今見たモノが物語っていた。
次も勢いで書いていきます。
すみません。