表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/14

0010話 できる事はすべてした。 残るはあと一つ。  の件について      (*-ω-)ウンウン♪

この小説は果たしてどこに向かっているのか……

それはもはや作者にもわからない……


「同志諸君!

我々労働者達は日々耐え続けた。

信じ続けた!

我々労働者達が心から希求する細やかな労働条件改善の要求に対し、いつかは連邦政府も公平で公正な施策をとってくれる筈だと!

長い年月を待った!

だが、依然として我々労働者達は連邦政府の無思慮な政策の前に苦しめられている!

我々の父も母も子も家族も友人も皆、連邦政府の無定見な政策に貶められている!

連邦政府と癒着した独占資本家どもが莫大な利益を手にして肥え太る一方で、我々労働者達は低賃金長時間重労働を強いられ、塗炭の苦しみを味あわされている!

連邦政府には見てみぬふりをされ、

独占資本家どもには虫けらのように扱われている!

だが断じて我々は虫けらではない!

人間だ!

誇りを胸に生きる人間だ!

矜持をもって生きる人間だ!

尊厳ある人間なのだ!

この社会にとり誰もがかけがえのない愛すべき愛されるべき人間なのだ!

もはや、この苦しみと悲しみの日々を、このままにしてはならない!

変えなくてはならない!

我々はこの苦しみと悲しみを怒りに変えて結集し、独占資本家どもと連邦政府に叩きつけなければならない。

そうしなければ何も変わらない!

変えられないのだ!

同志諸君、時は来た!

今こそ立つのだ! 

苦しみと悲しみを怒りに変えて! 

立てよ同胞!!

労働者に勝利を!!」 



やぁこんにちは、ベニート・ムッソリーニです。


ただ今、スイス連邦に住むイタリア系労働者達を前に絶賛演説中です。


誰ですか、地球連◯なんて言ってる人は? この時代にそんな組織はありません。敵はスイス連邦ですからね。お間違いなく。


ともかく、スイスに住むイタリア系労働者の待遇が悪いんです。


まぁこの時代の労働者は、どこの国でも悪条件で扱き使われているのが普通ですが。


そういうわけで私は、その極めて悪い労働条件改善のために、スイス社会党や他の社会主義団体に助力して、あっちこっちで大々的に労働者達を組織化して、労働運動を行いました。


いやぁ頑張りに頑張った結果、歴史通りに私の名前もそこそこ有名になりました。イタリアにも名前が売れているそうです。嬉しいですなぁ。


しかし、何ですなぁ。大勢の愚み・・・聴衆を前に演説するのは、なんかこうクルものがありますね。まるで危ない薬をきめているみたいな感じ? いえ薬を使った経験なんてありませんがね。


まぁどこかのヒットラーの尻尾の気持ちがわかるような気になりますよ。あれは酔うし癖になる。


いつも演説をしていると、最初はそんな気もなかったのに段々とヒットラーの尻尾と同化でもしたような気持ちになってしまって、ラストはつい、ジーク◯◯◯!と叫んでしまいそうになりますよ。はっはっはっ。


それにしても、そろそろ覚悟を決める時かな。


もうスイスに来て2年経ちました。


出合うべき人達とは出会い、歴史上では出会わない人達とも出会い、一緒にツーショット写真を撮ってもらって、現像した写真にはサインをもらいました。


これで、後世に残るだろうムッソリーニ家のアルバムは一大コレクションとなりますな!


何せレーニンさんやアインシュタインさんとのツーショットに始まり、


「一般均衡理論」と「限界革命」を提唱し、後に偉大なる経済学者と呼ばれる事になるレオン・ワルラス教授。


これからノーベル医学賞を受賞する事になる筈のエミール・テオドール・コッハー教授。


まだ学生だけど、やはり後にノーベル医学賞を受賞するヴァルター・ヘス。


同じく学生だけど、これから精神医療の巨匠となり世界に影響を与える事になるカール・グスタフ・ユング。

「◯◯◯◯は失墜したけどユングは捨てたものじゃない」と某FBIのドラマで言われてましたね。


更に同じく、まだ学生だけど後に精神医療でロールシャッハ・テストを考案するヘルマン・ロールシャッハ。このロールシャッハ・テストもたまに刑事ドラマで名前が出てきますね。アニメ「じょしら◯」にも名前だけ出てきましたっけ。


そしてユングの師匠であり、当初は批判を受けていた精神科医フロイトを擁護した事でも有名なオイゲン・ブロイラー教授。


まだ青年だけど後に世界で初めて気球に乗って成層圏に到達した冒険家オーギュスト・ピカール。


今は陽の目を見ていないけど後に画家にして音楽家として有名になるジョージ・テンプルトン・ストロング。


今は一介の音楽教師に過ぎないけれど、後に自ら音楽学校を創設し、更に音楽教育のダルクローズ理論を世に出したエミール・ジャック・ダルクローズ。


これから孤高の画家と呼ばれる事になるフェルディナント・ホドラー。


浮世絵に大きな影響を受け版画の大家となるフェリックス・ヴァロットン。


まだまだいるけど、こうした後世有名になる人達と飲み交わしお友達になってツーショット写真を撮ってサインを貰ったのです。


もし、後世のテレビ番組で、例えばアメリカの「アメリカお宝鑑定団ポーンスター◯」や日本の「開運! なんでも鑑定◯」にこれらの写真を出したらいったい幾らの値段が付けらるのでしょうね?

きっと驚きの高値が! ふっふっふっ。


将来お金に困るような事になったらこの写真を売りなさいと、遠い未来の子孫達に書き残しておこう。


まっそれはともかく、こうしてスイスでの「ムッソリーニ第一次お友達補完計画」は無事終了しました。


えっ? 今回が第一次なら第二次や第三次があるのかって?


……たぶん。


ともかく、そういうわけで「第一次お友達補完計画」は終了したし、社会主義について学んだふりはしたし、社会運動を実践して名前を売ったし、フランス語とドイツ語もマスターしました。


もうスイスでするべき事はすべてしましたね。


いや、まだあと一つイベントが残ってますね。


おっ誰か来たようです。


「おい、お前がベニート・ムッソリーニだな」


「はい、そうですが、何かご用でしょうか?」


「我々はスイス警察の者だ。

お前には逮捕状が出ている!

罪状は

反国家扇動罪

騒乱罪

治安紊乱罪

公文書偽造罪

退廃思想罪

猥褻な事を妄想した罪

空気を無駄に消費している罪

自分探しの旅に出て何も探し出せなかった罪

目玉焼きにマヨネーズをかけなかった罪

ハレンチで怠惰なムッソリーニである罪

成人していながら無職で働く気もなく、そのうえ無能な癖に小説家デビューなんてろくでもない夢を見て家族に迷惑をかけている罪

により逮捕する!!」


どうやらスイスでの最後のイベントが始まったようです。


さて、言うべき事は言わなければ。


「それは冤罪です!!

痩せても枯れても、このムッソリーニ、他の罪はともかく、断じて

『成人していながら無職で働く気も無く、そのうえ無能な癖に小説家デビューなんてろくでもない夢を見て家族に迷惑をかけている罪』だけは、おかした事はありません! 絶対にです!

私は19XX年に初めて同人小説を書いた時に、自分には小説を書く才能は無いと痛感し、それ以来、小説家デビューなんて大それた夢は見た事がありません!

それに無職であった事もありません。

無職になったらコミ◯で同人誌が出せなくなるじゃないですか!

同人誌の印刷代に幾らかかると思ってるんですか! 安くはありませんよ!

それにコミ◯で他のサークルの同人誌や同人グッズが買えなくなるじゃないですか!

同人活動はお金がかかるんです!

年間幾らかかってると思っているんですか!

コミ◯で黒字のサークルなんて1割程度しかいないってアンケート調査の結果もありますよ!

私のサークルも万年赤字の底辺サークルですよ!

働かなきゃ同人活動なんてできませんよ!

よっぽど家族が甘やかしてお金を出していなけりゃ無職に同人活動なんてできません!

いい歳をした大の大人が家族から小遣いを貰って同人活動なんて恥ずかしい事ができますか!

私にはできませんよ!! 絶対に!!

コミ◯のカタログのマンガレポートに『ボーナスを すべてコミケに おいてくる』なんて五七五を送って採用された人だっているんですよ! 

私はそこまではしませんでしたけどね。

でも、そういう無駄なお金の遣い方をする人が実際にいるのが同人活動なんですよ!

私より一歳上の◯◯さんが、まさにそうでしたよ! 一回で◯◯万円使ったって聞いた時は、正直、正気かこの人!と思いましたよ! 友人関係にヒビを入れたくなかったから私は黙ってましたけど。

ともかく私はこんな罪は認めません!

『成人していながら無職で働く気もなく、そのうえ無能な癖に小説家デビューなんてろくでもない夢を見て家族に迷惑をかけている罪』なんて絶対に認めません!」


「何を言ってるかよくわからんが、ともかくお前を逮捕する!

お前には弁護士を呼ぶ権利も、黙秘する権利も、最後のお祈りをする権利もない、さぁ署に連行する!」


「冤罪だぁ!!『成人していながら無職で働く気もなく、そのうえ無能な癖に小説家デビューなんてろくでもない夢を見て家族に迷惑をかけている罪』なんて認めない! 絶対にだ!!」




〖どうやら主人公は

「成人していながら無職で働く気もなく、そのうえ無能な癖に小説家デビューなんてろくでもない夢を見て家族に迷惑をかけている罪」以外の罪は認めるらしい〗

【次回予告】


理想とは何か? 正義とは何か?

それぞれの道を歩む者達が立場を賭け、主義を賭け激突する!


次回、「栄光の勝利を、ヘタ・・・じゃなくて、イタリア王国に」

第011話「屈しない・・・」

ご期待しないで下さい!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ